商用車ってなに? 乗用車との違いや選び方、人気車種などを紹介

2022.10.22 13:00
この記事をまとめると
■商用車にはどんなクルマが該当するのかを解説
■利用用途によって適切なクルマが変わる
■おすすめのモデルについても紹介
仕事の頼れる相棒「商用車」について解説
  日頃、何気なく使う「商用車」というワード。ただ、ビジネスメインで使うクルマということはなんとなくわかるものの、それ以上の知識はなく、また知ろうと思ったことはあまりないですよね。
  今回は誰もが耳にしたことがある商用車について、詳しく解説していきます。
商用車とは?
「乗用車」と「商用車」その違いは数多くありますが、まず抑えておきたいのは商用車とはなんぞや、ということ。国交省が定める乗用車の定義とは、用途区分において「主に人の移動のために利用される定員10名以下の自動車」となりますが商用車については明確な定義は存在しません。
  一般的に商用車とは主に仕事で使用するクルマを指し、広い意味でビジネスに用いられるクルマのことをそう呼びます。もっと簡単にいうと、自動車メーカーが「商用車」「ビジネスカー」として販売しているクルマを商用車と定義してよいでしょう。
  ただし、商用車として用いられることが多い「貨物車」については法律的に区分されており、ナンバープレートで乗用車と見分けることが可能です。
  貨物車と定義される車両のナンバープレートは、地名の右横に記載される分類番号の最初の数字が「1(普通貨物車/大型貨物車)」、もしくは「4/6(小型貨物車)」の車両。
  乗用車は「3(普通乗用車)」、「5/7(小型乗用車)」となるため、ナンバープレートで貨物車か乗用車を見分けることができるのです。
  また貨物車に区分されるクルマは道路運送法で荷室の床面積や座席の構造が定められているのも特徴といえるでしょう。
  これら法的要件は後ほど詳しく説明しますが、今回の企画では主に貨物車を商用車として説明していきます。
似たような言葉 社用車、営業車
  先程お伝えしたように「商用車」は法律で定義されているものではありません。
  主に仕事で使用するクルマであることは間違いないのですが、社用車、営業車など同じようにビジネスシーンで利用されている車両との違いはあるのでしょうか。
  商用車は仕事用途で用いられる車両全般のことを指し、トラックや商用バン、また大型ダンプ、バスなども商用車として扱われるケースが多いです。
  社用車とは会社が所有する車両のことです。用途や会社の業務内容により軽トラックや軽バンなどの商用車だけでなくコンパクトカー、セダンなどの乗用車まで幅広い車両が使用されています。
  営業車とは社用車のなかでも営業用途メインで使用されるクルマです。こちらも商用車、乗用車が混在しています。
商用車の一般的な特徴
特徴1)大きな荷室
  “多くの荷物を積載できるクルマ”、これが商用車に求められる最大のニーズであることは間違いありません。そのため荷物の積載メインで商用車を選ぶポイントとなるのが荷台の積載量。逆に人の乗車をメインとする商用車選びの場合は、あえて貨物車を選ぶ必要がないわけです。
  しかし、荷物を運搬する用途がメインの場合は積載量や荷物の形状に合わせ軽トラックや商用バン、大型トラックなど選択する車両が変わってきます。いずれも居住スペースと比較して荷室が大きく取られているのが大きな特徴といえるでしょう。
  ただ、乗用車でもステーションワゴンやSUVなどに広い荷室を備えたクルマが少なからず存在します。それらと貨物車と区分される車両の違いは、法律により定義に当てはまるか、そうではないかによって変わってきます。
  貨物車の定義は以下の通り。
貨物可能なエリアの床面積が1㎡以上あること(軽自動車は6㎡以上)
貨物の積卸口の寸法が縦80cm×横80cm以上あること
貨物可能部分の座席は、すべてが折りたたみ式又は脱着式の構造であること
  この定義を満たせば貨物車として区分されるわけですが、逆を言えば乗用車として販売されているモデルでも上記条件を満たせば(満たすよう改造すれば)貨物車として登録することも可能です。
特徴2)作業効率を考えた設計
  商用車の特性として人ではなく貨物を積むことが主な目的のため積載物重視の車両構造となっていることが特徴です。
  例えば同じ3列シートを備えた1ボックスバンのハイエース(4ナンバー仕様)とアルファードの荷室や座席を比較した場合、アルファードは3列目シートが左右に跳ね上げられ格納。2列目シートのスライドを最前面に出すことで荷室の奥行きが最大となります。
  一方、商用車のハイエースは3列目シートを折りたたんで格納できるだけでなく2列目シートも折りたたむことができ、しかも3列目シートとまとめて格納が可能。広大なラゲッジスペースが現れます。
  また床面やサイド、天井まで直線基調の曲面が少ない設計となっており、少しでも多くの荷物を積載できるような空間に仕立てました。
  当然、4ナンバー仕様のハイエースは先に上げた貨物車の定義にも当てはまっています。
  その他、日々のハードな使用に耐えうることが求められるため専用のプラットフォーム、もしくは乗用車のシャシーをベースにサスペンションを変更するなど大幅に改良した独自のプラットフォームを使用するモデルも数多く存在します。ハイエースやプロボックスなどがそれにあたりますが、乗用車と比べ販売台数が見込めないことでロングライフとなることも商用車の特徴でしょう。
  現行ハイエースは2008年、プロボックスは2002年にデビューし、改良や大小マイナーチェンジを経ながら現在も販売されています。
特徴3)乗用車より税金が安い
  貨物車を商用車に使用する場合ですが、乗用車より税金が安くなっているのも特徴です。
  ハイエースの4ナンバー(貨物車)と3ナンバー(乗用車)を比較した場合、4ナンバーの自動車重量税は12,300〜16,400円、自動車税が16,000円。
  一方、3ナンバー車の自動車重量税は32,800円、自動車税が51,000円と大きく異なっていることがわかるでしょう。
  ただし、軽貨物車以外の車検は4ナンバーの貨物車(自家用)は初回2年、2回目以降は1年(軽貨物は2年)となり乗用車とより車検期間が短くなってしまいます。
会社のクルマを新調したい! どう選べばいい?
1)目的の整理
  ひとえに商用車といえども、選び方は会社のニーズによって様々。まず貨物を積載することが目的か、人の移動がメインなのかにより商用車選びは大きく変わってきます。
2)荷室スペース・サイズ
  荷物の積載をメインにした場合の商用車選びについては、積載物、積載量、移動距離により選択方法が変わってきます。
  少量の荷物を積載し配達する場合は軽トラックや軽バンで十分だし、多くの荷物を積載し移動する場合は小型トラックが選択肢となるなど、どれくらいの荷物を積載するかにより車種を選択する必要が出てきます。
3)定員
  荷物を積載し移動・配達する場合、ドライバーひとり、もしくはサポートメンバー合わせ多くても2名が乗車できれば問題ありません。ただし、人を乗せることがメインの商用車選びの場合は3〜5名は乗車できる車両を選ぶ必要があります。
  また不動産関係などサービス業で社用車を使用する場合、お客さんを乗せるため乗員の快適性も必要となります。当然、荷物メインでサスペンションが設計された貨物車より乗用車を選ぶ必要があるでしょう。このようなケースの場合、乗用車の廉価モデルやエントリーグレードを選ぶ場合が多くなります。
4)価格や維持費
  乗用車と比べ貨物車の税金が安いことはお伝えしたとおり。維持費も加えると軽貨物車はとくにリーズナブルに運用可能です。
商用車で人気の車種は?
商用バンジャンルで普遍の人気ナンバー1:トヨタ・ハイエース(価格:239万2100円〜)
  荷物の積載から人の送迎まで多彩なジャンルで活躍できることで日本のみならず世界各国で人気のハイエース。その人気は2007年から7年連続で盗難被害ワースト1に輝くほど…。
  商用バンをはじめワゴン、コミューターをラインナップするハイエースは、会社が求めるニーズに合わせて選択しやすい1台といえるでしょう。
商用車のベストセラーモデル:トヨタ・プロボックス(価格:149万1000円〜)
「プロフェッショナルのための箱」を意味する車名通り、様々なジャンルのプロが愛用する商用バン。
  高い積載性や耐久性はもちろん、紙パック飲料を置くことができるドリンクホルダー、標準で装備されるスマホホルダーなどかゆいところに手が届く設計で高い人気を誇ります。
ビジネスだけでなく趣味を楽しむ需要も多い:ホンダ・N-VAN(127万6000円〜)
  ダイハツ・ハイゼットカーゴやスズキ・エブリイをライバルに持つ軽ワンボックスバンのN-VAN。助手席と2列目シートがともに座面ごと足元へ収納できることで、運転席以外はすべてフラットな荷室スペースとなることが特徴。
  その特徴からビジネスユースのみならず、キャンパーなど趣味を楽しむユーザーからの人気も集めています。
安全装備も充実の軽トラック:ダイハツ・ハイゼットカーゴ(価格:90万2000円〜)
  1960年に登場した初代からすでに60年以上続いている軽トラックの長寿ブランド。現行モデルは2021年にマイナーチェンジされCVTを軽商用車として初採用。
  予防安全機能「スマートアシスト」も装備しているなど、機能のみならず多彩な機能を備えた軽トラックとなりました。
人の乗車・送迎で選ぶならこの1台:トヨタ・カローラアクシオ(価格:161万1600円〜)
  荷物ではなく人の移動や送迎をメインにする商用車を選択したい会社にとって、いまや希少なコンパクトセダン。
  新型カローラと併売されているカローラアクシオは廉価モデルでも装備が充実。リーズナブルな価格とともに人を乗せたい商用車として人気が高い1台です。
まとめ
  と、商用車について説明してきました。乗用車と同様に、「使用用途を明確にし、なにが一番必要かを考える」さらに「候補が出たら、自社のニーズに合わせ車種を選択する」ことが最適な商用車選びには必要となることがわかります。
  自動車好きでさえ、日頃、あまり目を向けない商用車ですが日常になくてはならないクルマだということは覚えておきましょう。

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