ハイブリッドの仕組みやメリット・デメリットを解説! おすすめのモデルも紹介

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2022.08.07 13:00
この記事をまとめると
■ハイブリッドシステムについて解説
■使い方次第ではハイブリッドシステムがムダになってしまう
■新車購入でも中古車購入でも熟考する必要性がある
  いまや軽自動車から大型ミニバン、輸入車に至るまでラインナップされているハイブリッド車。あまりに浸透しすぎて、いまさらハイブリッド車がどういうクルマなのかを聞けない…という方も多いのではないでしょうか。そういう方向けにハイブリッド車を改めて説明していきます。
ハイブリッド車とは?
  そもそも「ハイブリッド(hybrid)」とは、異種のものの組み合わせを意味する言葉。ハイブリッド車とは2種類以上のパワーユニットを備えた自動車のことを指します。
  一般的には、エンジンと電気モーターを組み合わせた車両をハイブリッド車と呼び、1997年に登場した初代プリウスから国内外で普及していきました。環境に優しいとイメージされるハイブリッド車ですが、現在はスポーツカーメーカーのポルシェやフェラーリもモーターのパワーやトルクを活かしたハイブリッド車をラインナップするようになっています。
ハイブリッド車の仕組み
  ガソリンなどを燃料とするエンジンと電力を用いて動くモーターをともに搭載する車両が主にハイブリッド車と認識されています。
  現在、様々なハイブリッド車が登場し車種やメーカーによってそのシステムが異なっていますが、ガソリン車と比べ、エンジンとモーターの動力をかけ合わせて走行するのがその仕組みと言えるでしょう。
  ハイブリッド車のパイオニアであるプリウスは、発進時にバッテリーの電力を使用しモーターでスタート。通常走行時は主にエンジンからの動力で走行し、エンジンの力で動かすジェネレーターから発電された電力や、減速時に発生する回生エネルギーを使用しモーターを動かすことでエンジンの駆動力を補助する「スプリット方式」と呼ばれるシステムを採用しています。
  一方、日産自慢のハイブリッドユニット“e-POWER”は車両を走らせるために使用するのはモーターの駆動力のみ。エンジンはモーターを動かすための発電に用いられる「シリーズハイブリッド方式」と呼ばれるシステムです。
  その他、スズキなどが軽自動車やコンパクトカーに搭載するマイルドハイブリッド、ホンダがフィットやステップワゴンに搭載する“e-HEV”など細かい違いはありますが、基本的にハイブリッド車はエンジンとモーターそれぞれの力を利用して走行するクルマだと認識しておけば問題ありません。
ハイブリッド車が低燃費を実現させる理由
  ハイブリッド車は一般的にガソリン車と比べると燃費が良いとされています。とくに、発進・停止を繰り返す市街地や、アップダウンが激しいワインディングロードの走行ではガソリン車と比べ大きな差がでます。
  なぜ、ガソリン車と比べハイブリッド車の燃費が良くなるかを詳しく説明すると、かなり長くなるため要点をまとめると、
「発進時や加速時に、ガソリンエンジンは低回転時のエネルギー効率が悪くトランスミッションを利用し効率の良い低回転域をギアで切り替えながら発進・加速するが、モーターは回転数によって効率が変わることはあまりなく低回転域で大きな力を出すことができる。よってエンジンのみのガソリン車と比べ加速時の燃費効率が良くなる」
「減速時、ガソリン車の運動エネルギーは最終的に熱エネルギーに変換され捨てられることになるが、モーターは減速時に回生が行われることで電力を得ることができバッテリーに蓄えられる」
  この2点がとくに燃費の差を生む要因と言えます。
  逆を言えば、高低差や加速・減速が少ない高速道路でのドライブ時にはガソリン車とハイブリッド車に燃費の大きな差はありません。
ハイブリッド車のバッテリー寿命
  EVにも言えることですが、気になるのは駆動用バッテリーの寿命。ハイブリッド車が普及し始めた黎明期のバッテリーはかなり寿命が短かったと言われています。
  しかし、現在はバッテリーの性能や寿命が伸びたことで一般的には15万km〜20万km、もしくは10年が交換の目安とされています。
  余談ですが、初代プリウスの前期型は駆動用バッテリーが無償永久保証となっていました。それだけバッテリー性能が低く、寿命が短いと想定されていたんですね。
  初代プリウスに搭載していたバッテリーはニッケル水素電池で容量や性能は288V 1.8kWh 95L 74kg 240セル。一方、4代目プリウスに搭載されるバッテリーはリチウムイオン電池で207V 0.8kWh 30L 25kg 56セル。リチウムイオン化したことで、とくに小型化されていることがわかります。
ハイブリッド車のメリット
  ここまでハイブリッド車はなんぞやと説明してきましたが、ガソリン車と比べたときのメリットを挙げていきます。
その1:燃費が良い
  先に説明したとおり、ガソリン車と比べハイブリッド車の燃費は優れています。
  例えば、今年フルモデルチェンジしたホンダ・ステップワゴンを例に取ると、1.5Lターボエンジン車のWLTCモード燃費が13.9km/L(AIR FF)なのに対し、ハイブリッド仕様はWLTCモード燃費が20.0km/L(e:HEV AIR)。
  リッターあたりで比較するとこのような差が生まれるほどハイブリッド車の燃費は優れています。
その2:静粛性
  モーターのみで走行するEV走行時の静粛性もハイブリッドの大きな利点といえます。
  とくに加速時や発進時のガソリン車が発するエンジン音と、モーターのみのEV走行をするハイブリッド車のノイズは、比べものにならないほどの差があります。
その3:各種減税が得られる
  ハイブリッド車のメリットとして購入時に適用される減税措置も忘れてはいけません。
  自動車税、自動車重量税、自動車所得税の税金が対象となり、モデルによっては自動車所得税と自動車重量税が全額免除。自動車税が75%軽減となります。
ハイブリッド車のデメリット
  逆にハイブリッド車のデメリットも当然存在します。ガソリン車と比べたときのデメリットはどういうものがあるのでしょうか。
その1:購入価格が高くなる
  同じ車種に設定されているガソリン車に対し、ハイブリッド車は必ず車両価格が高くなってしまうデメリットがあります。
  先程、燃費で比較したステップワゴンで比べると、「AIR」ガソリンモデル(FF)の価格が299万8600円に対して、「e:HEV AIR」は338万2500円。
  38万3900円の価格差があるわけですが、燃費の良さが決めてとなり購入した場合、ガソリン価格の高値が今後も続くにしてもハイブリッド車を購入した場合、少なくても8万km以上走行しないと得をしない計算となります。
その2:(車種によっては)居住空間が狭くなることも
  ガソリン車と比べ駆動用バッテリーやモーターを搭載することになるハイブリッド車は、同じ車種で比較した場合、居住空間やラゲッジルームが犠牲となっている車種が多く見られます。
  ただ、近年登場している車種は、当初からハイブリッド車の設定を踏まえて開発されているモデルも多く、ユーティリティ性能が著しく劣ることは少なくなってきました。
その3:高速走行時の燃費はガゾリン車と変わらない
  先程お伝えしたように、駆動や発電にエンジンを積極的に使うハイブリッド車については高速走行時の燃費がガソリン車と比べ、勝っているとはいえません。
  ロングドライブをメインとするユーザーの場合は、あえてガソリン車を選ぶという選択肢も悪くないでしょう。
ハイブリッド車を選ぶ際の注意点
  一概にハイブリッド車といえども、メーカーや車種によりシステムが違うことは先ほどお伝えした通り。自分のライフスタイルに合わせたクルマ選びが重要になってきます。
  例えば燃費重視でハイブリッドSUVを購入しようと考えた場合、スバルXVのハイブリッド仕様「e-BOXER」はWTLCモードが15.0km/L。ライバルのトヨタC-HRのハイブリッド仕様はXVと違い駆動方式がFFではありますがWLTCモード燃費が25.8km/L。燃費性能は大きく差がついています。
  XVには水平対向エンジン独自の気持ち良いエンジンフィールや走行性能の高さを有していますが、燃費重視で選ぶ車種ではありません。
  逆に、燃費はそこまで重視せず、ボクサーエンジンのフィールに加えモーターのアシストによる力強さや悪路走破性を期待するならC-HRより断然XVを選ぶべき。
  このようにハイブリッド車といえども、クルマの購入時になにを重視するかで選択肢は大きく変わることは覚えておきましょう。
中古のハイブリッド車を選ぶ際の注意点
  新車でハイブリッド車を購入するには予算がちょっと…と、中古車の購入を考えている方向けに注意点をお伝えしておきます。
  まず先に述べたように、寿命が伸びている駆動用バッテリーについてですが交換の目安となる走行距離15万km、もしくは登録から10年に及んでいない場合でも前オーナーの使用頻度や運転の仕方で寿命は前後します。そのため、走行距離は5万km、登録から5年以内の中古車を選ぶほうが安心して所有できるでしょう。
  また、先代フィットやヴェゼルのハイブリッド車はリコールが相次いで行われました。両車の購入を考えている場合はリコール対策済みかどうかの確認も重要になります。
ハイブリッド車はまだ進化を遂げている
  初代プリウスの登場により普及していったハイブリッド車。現在は世界的にEVに注目が集まってきていますが、充電インフラや走行距離がネックとなり、国内での普及は進んでいません。一方でハイブリッド車は“いまや当たり前”ともいえる存在となり、また進化が止まりません。
  ハイブリッド車の進化でいうと、黎明期から大きく進化したのが、駆動用バッテリーの性能向上と小型化が可能となったことにより、モーターのみで走行できるEV走行の比率が高くなったことでしょう。
  ひと昔前までモーターはエンジンをアシストするものだったのが、エンジンで発電した電力を用いて高出力のモーターのみで走行する、というシステムが主流となりつつあります。
おすすめのハイブリッド車を紹介
とにかく燃費が良い軽自動車を求めるなら
スズキ・アルト
 価格:94万3800円〜
 燃費(WLTCモード):23.5〜27,7km/L
  本体価格47万円との低価格をアピールして1980年に登場した初代から時を経て、現在販売されているのが2021年に登場した9代目となるアルト。
  価格こそ、初代と比べ約2倍となりましたが安全性能や燃費性能などベーシックカーとしての資質は、初代から2倍以上の進化を成し遂げています。
  現行モデルの大きな特徴は、歴代モデルとしては初となるマイルドハイブリッドを搭載したことでしょう。先代にはエネチャージを搭載したモデルが用意されていましたが、そのシステムは回生エネルギーで得た電力を電装品に使用し燃費を向上させたもの。マイルドハイブリッドはEV走行こそできませんが、電力を走行出力にも使用するため、燃費は大きく向上しました。
  結果、WLTCモードで27.7km/Lと軽自動車ナンバー1の燃費を実現しています。ハイトワゴン勢に比べ室内空間は劣りますが、車両価格と燃費の良さを考えると経済性ナンバー1軽自動車なのは間違いありません。
ガソリン車と同様のユーティリティ性能を確保
ホンダ・フィットe:HEV
 価格:199万7600円〜
 燃費(WLTCモード):23.2〜29.4km/L
  4代目フィットに設定されたハイブリッド車「フィットe:HEV」。e:HEVは2モーター駆動式のハイブリッドシステムでバッテリーのみで走行するEVモード、エンジン発電によるHVモード、クラッチ直結によるエンジン駆動モードを有します。
  基本的に1.5Lエンジンで発電し、その電力でモーターが駆動するシリーズ式ハイブリッドなのですが、蓄電量が十分な場合はエンジンを停止しバッテリーからの電力のみで走行。高速巡航時などはエンジン出力で直接タイヤを駆動することで電力の変換ロスを抑える工夫もなされています。
  ハイブリッドシステムの肝ともいえるIPUも容積を25%縮小。IPUが搭載されているのはラゲッジルームですが、ガソリン車との違いはラゲッジアンダーボックスの有無くらい。室内空間は駆動用バッテリーなどによるスペースへの影響はまったくなく、ガソリン車と同様の広さを確保しているのが特徴です。
e-POWERとプロパイロットが魅力のミニバン
日産・セレナ
 価格:358万2700円〜
 燃費(WLTCモード):17.2〜18km/L
  Mクラスミニバンの人気ブランドのひとつセレナ。多彩なシートアレンジや広い室内空間を備えたことで発売後から現在まで高い人気を維持しています。
  セレナはスマートシンプルハイブリッドとよばれるハイブリッド車がラインナップされていましたが、2018年に先代ノートに搭載され話題を集めたe-POWER搭載車「セレナ e-POWER」が追加されました。
  e-POWERとは搭載されるエンジンは発電に徹し、駆動はモーターのみで行うシリーズ式のシステム。日産自慢の先進運転支援システムのプロパイロットやアクセルペダルだけで加減速が行えるワンペダル走行との組み合わせは他のハイブリッド車とは違う個性的なものです。
  現行セレナは来年にでもフルモデルチェンジが行われるとの情報もあるためか、購入時の値引きが大きいと一部で話題となっています。
  ひと声30万円以上、上級グレードでは70万円値引きされた、との話しが聞こえてくるなど、お得にハイブリッドミニバンを購入したい方にはセレナがイチオシです。
プレミアムSUVで燃費性能を求めるならこれ
トヨタ・ハリアー ハイブリッド
 価格:358万円〜
 燃費(WLTCモード):22.3km/L
  RAV4と同じプラットフォームをベースに開発された4代目ハリアー。昨年登場して以来、流麗なプロポーションや上質な佇まいを持つアーバンSUVとして高い人気を誇ります。
  新型ハリアーに用意されたパワーユニットは2種類。最高出力171psを発揮する2Lガソリンエンジンと2.5Lエンジン+モーターのハイブリッド仕様をラインナップしました。
  ハリアーに搭載されているハイブリッドユニット“THS-Ⅱ”は遊星歯車を動力分割機構としてエンジンからの出力を駆動と発電に分けるシステム。モーターの最高出力は120psでバッテリーの残量が満たされている場合は高速道路での走行時もエンジンなしのEV走行を行います。
  またハイブリッド仕様の4WDは後輪を最高出力54psのモーターで駆動する“E-Four”。リヤを最大80%まで駆動力配分を高めることができます。
まとめ
  ひとえにハイブリッド車といえども、様々なシステムがラインナップされていること、またハイブリッド車のメリット・デメリットについてお伝えしてきました。
  ガソリン車との価格差はいまだ大きいため購入するかどうかに悩む方は多いと思いますが、いずれにせよハイブリッド車の特徴を知ることは重要。よく理解したうえでハイブリッド車の購入に踏み切りましょう。

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