離職率40%が0%に!介護業界の常識を覆す、スタッフファーストな働き方

2020.03.25 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

2月24日・月曜日~27日・木曜日の放送では、第6回「GOOD ACTIONアワード」の大賞を受賞した社会福祉法人あいの土山福祉会エーデル土山の様々な取組みについてご紹介しました。

慢性的な人材不足にある介護業界において、滋賀県甲賀市土山町にある介護施設「エーデル土山」では、介護業界の3大離職理由である「腰痛」「メンタル不調」そして「長時間労働」をなくす、「トリプルゼロ」を行い、40%を超えていた離職率を、入職待ちの人が出るまでに改善させることに成功。業界内を始め、多くの人たちから注目を集めています。

日中の利用者は100名にものぼるこの施設、働き方改革をスタートさせたきっかけは、施設長の廣岡隆之さん自らが、このままでは自分も施設も潰れてしまうと感じたことから。
なんとか職場を、そして自身の生活も立て直そうと立ち上がった廣岡さんですが、その気持ちが表れているのが、残業をゼロにするため、スタッフの意識を変えるアプローチ「ワークライフバランスのしおり」でした。

就労に関する意識を変えること。また、女性スタッフの就労を継続させるためには夫のサポートが必要と考えたことから、男性の考え方を変えることにも着目したこのしおり。ワークライフバランスの大切さを共有するアイテムとして一役買っているようです。
2日目の放送では、そのほかのトリプルゼロのアプローチ、「ノーリフティング」と「トーキング」についても教えていただきました。
3大離職理由の一つ「腰痛」を回避するアプローチが絶対に持ち上げない介護「ノーリフティング」。エーデル土山では、ハンモックのような機械を使い、ベッドから車椅子へ移動させたり、スライディングボードを使って移動させたり・・・とにかく、絶対に持ち上げない介護を行なっているそう。

そして、3つ目のゼロ、「メンタル不調」をゼロにするための試みが「トーキング」と呼ばれる、職員の面談システム。すべての職員に対し、毎月10分間の面談を行い、コミュニケーションも深まり、それぞれの持つ悩みや問題を話してもらうことで、それぞれにカスタマイズさせた雇用体系が組めるようになると言います。
他にも、職場でおこりうるモラルハラスメント防止にも努めているというエーデル土山。悩みを抱え込まないような職場環境の実現を目指しているそうです。
3日目の放送では、エーデル土山の人材確保の方法についても教えていただきました。
より良いサービスを提供するためには、ギリギリの状況ではなく余剰人員を持つことが大切とするエーデル土山ですが、引きこもりの方や障害を抱える方でも働ける体制を確立。仕事を細かく細分化することで、その人その人にあった働き方を提案することで、就労のハードルを低くすることに成功しています。
バレンタインもお中元もお歳暮もお土産も禁止!スタッフルームに雑誌を置いたり、小さなことでも、スタッフのためになることなら何でもやってみるというアプローチ。
また、働き方改革については、ブレない姿勢で、とにかくやり続けることが成功の秘訣と語る廣岡さん。
強い信念をもって、実践していくことで、今の成功につながっているようです。
4日目の放送では、人材不足が嘆かれる介護業界において、今や入職待ちまで出ているエーデル土山、その求心力について伺いました。
その成功の秘訣は、スタッフファーストの考え方を徹底すること。スタッフのためを考えた常識を覆す取り組みが、外部からの注目を集め、今回のGOOD ACTIONアワードの受賞も、スタッフの意識向上や求職者の増加にもつながっているよう。そして、余裕ある人員体制がより良いサービスに繋がり、やがて、利用者にも余裕のあるサービスを提供できるようになっているようです。
最後に、4日間に渡ってご紹介してきた「エーデル土山」の働き方から番組が導き出した「WORK SHIFTのヒント」は、
『スタッフファーストの働き方が、より良いサービスにつながる!』でした。

スタッフの事を第一に考えることで、利用者もより手厚い、余裕のあるサービスを受けられるようになっているエーデル土山。働き方の手法を見直すことで、業界のイメージをも覆す、魅力ある職場・働き方を実現されているようです。