「能力の細分化」が働きがいを創出する?生産性をさらに高める新しい仕組み

2020.03.11 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

2月10日から2月13日の放送では、株式会社medibaの取り組みに注目しました。
KDDIの「auスマートパス」を中心に、メディア事業、ソリューション事業、アライアンス事業を展開。460名を超すスタッフが働くmedibaでは、昨年10月、中長期的な成長戦略を掲げ、その実現に向けた組織体制を確立するために、人事制度の抜本的な改革を行ったそうです。
コーポレート本部、副本部長の山内征宏さんによると、新制度では、社員それぞれの持つスキルを、評価に、より反映させることを目指し、業務における「職能」を見直し、18の職能を分類したそうです。その結果、これまで最短7年かかっていた管理職への昇格・昇給を、最短「半年」に短縮にすることが実現可能な制度を構築。これからも、社員の「成長」に対するさらなるモチベーション向上への取り組みを継続していきたいとのことです。
役職、社歴に関係なく「スキル」で評価されることが明確になれば、社員一人一人の成長スピードが高まることが、期待されています。
その「7年」から「半年」という期間を短縮することができる制度では、日本企業の多くが取り入れている「相対評価」ではなく「絶対評価」を採用。
コーポレート本部・人事部、部長の加藤仁親さんは、絶対評価を取り入れることで、瞬間的な成果でも評価をすることが可能になり、社員のもつスキルと成果を見逃すことなく、会社として評価することができるようになった、とお話してくださいました。

18にも分類した「職能」では、まず、ビジネス領域、テクニカル領域、クリエイティブ領域、コーポレート領域という4つのジョブファミリーをつくり、さらに、その中に、細かな職能に分類されているそうです。
こうした細分化することのメリットについて、山内さんは「職能は背番号のようなもの。自分の特性を個人で気づき、成長しやすい環境になる」とお話してくださいました。適材適所という言葉がありますが、本当に自分の能力・特性にあった場所か、一般的な「部」では気付きにくいこともありますが、細分化によって、より自分らしさ、にも気づくことができるのかもしれませんね。
この新制度では、もう1つ、注目すべき点があります、それが中間管理職の役割です。
一般的に求められる「会社としての生産性の成果や業績」と「人材を育てる」という2つの側面を担う中間管理職の役割に対し、その役割を分業することを検討しているそうです。
すでに、medibaでは「プロダクトマネージャー」、育成にコミットする「VPo×(Vice President of xxx)」、各職能におけるスキルで高い能力を発揮する「フェロー」、サービス・プロダクトに属さない部署の「ライン長」という4つの「管理職」を設けているそうで、管理職に対し、さまざまなマネジメントを求めるのではなく、管理職のポストも「分業」して能力を最大限に活かす、という考え方が始まっているようです。
管理職の負担を軽減する一方で、これから管理職を目指す社員も、より明確な将来像を描きやすくなっていくことも期待しているそうです。こうした「考え方」、これからもっとスタンダードになっていきそうですね。
新しい人事制度を設け、これまで以上に「働きがい」を提供するmedibaですが、この人事制度よりも前の2018年10月には、副業(medibaでは複業と表現している)も解禁しています。すでに、複数の社員の方が、その能力を会社外で発揮しているようですが、個々の社員のフィードバック以外にも、副業解禁による効果として、コーポレート本部・人事部、部長の加藤さんによると、「採用において、副業をもともとやっていた人材がmedibaを選択してくれるようになった」、といった実例とともに、「採用面」でもメリットが表れている、とお話してくださいました。

今週のお話から導き出した WORK SHIFTのヒントは
『能力の細分化で、生産性をさらに高める!』でした。

皆さんの会社や働く環境でも、さまざまなポストがあると思います。ただ、既存の「役割」を、さらに細分化してみることで、社員ひとりひとりが、さらに輝き、働きがいを感じることができるポストを創ることができるのかもしれません。
社員が輝く働く環境を整えることは、働きがいの創出につながる、ともいえそうです。