組織の“風通しの良さ“は企業の業績にも影響を与える

2020.02.19 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業や個人が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

1月20日・月曜日から1月23日・木曜日の放送では、ベストセラー「転職の思考法」の著者で、株式会社ワンキャリア 最高戦略責任者、北野唯我(きたの・ゆいが)さんに“勝ち続ける組織”の条件、“オープネス”についてご紹介頂きました。

博報堂、ボストンコンサルティンググループを経て、2016 年、ワンキャリアに参画。「職業人生の設計」、「組織戦略」の専門家としてメディアでも活躍する北野さん。著書『転職の思考法』では、「このまま今の会社にいていいのか?」と漠然とした不安を抱えている人に解決策を提示し、15万部を超えるヒットを生みました。

そんな北野さんが働き方、働く環境において いま注目するキーワードが「オープネス」。つまり組織の“風通しの良さ”だそうです。北野さん自身も大企業で働いていた経験から、そこに注目。従業員がハッピーだと会社の業績があがる。株価も上がっていく。これまで“なんとなく”理解されていたことを840万人のデータをもとに分析、明確に“見える化”した北野さん。そして、ハッピーに働ける重要な項目が“風通しの良さ”=オープネスだということも分かってきたそうです。
そんな“オープネス”、日本の企業を取り巻く現状について伺うと、日本の企業は一般的にオープネスが低いそうです。理由は、鎖国などの歴史的な背景、そしてこれまでは人口増加とともに成長できたため、オープネスが重要視されなかったそうです。
平成の30年間で最も時価総額を増やした企業をデータで調べた結果、「風通しの良さ」「20 代の成長環境」「社員の士気」といった項目で数値が高いことも分かりました。組織から見た“企業の成長の理由”その一つがオープネスだったということですね。

そんな「オープネス」の中身について伺うと、「オープネス(=風通しの良さ)」を構成する3つの「共通言語」が登場しました。オープネスは、
・経営陣が何をやっているかが見える「経営開放性」
・情報へのアクセスのしやすさ「情報開放性」
・アイデアや自分の意見が言いやすいか? という「自己開示性」。
という3つの要素で決まるそうです。

特に大きな会社では経営陣のやっていることが見えにくく、1つ目の「経営開放性」が低いことが多いそうです。2つ目の「情報開放性」を高めるには、情報を共有するためのシステムを導入した方がいいそうです。3つ目の「自己開示性」を高めるには、上司が過去の失敗例や弱い部分をみんなにシェアしてみるという試みが有効的だとか。
3つの中で、どれが足りていて、どれが少ないか、自分の属している組織にあてはめてみることができそうです。
「オープネス(=風通しの良さ)」を知る、ある目安として紹介したのは、例えば、リーダーが「なんでも相談して」と言いながら、実際には忙しくしており、メンバーが相談できない場合。これは「組織のダブルバインド」が起こっている状態だそうで、言っていることと、やっていることが違うという、よくある例を挙げて説明。そんな中で働く従業員は、心に葛藤や矛盾を抱え、仕事の意思決定はどんどん遅れていくことが予想されます。

北野さんが、2015 年から2018 年までの3年間にかけて調査した膨大なデータからは、日本の職場の大きな課題も見えてきたそうです。
日本の職場において一番、従業員の満足度が低い項目の一つは「人材の長期育成」というデータがあり、満足している割合は、全体のわずか0.4%のみだとか。日本で「人材の長期育成」に従業員が満足している企業は…ほぼ無い、という現実も明らかになりました。

そして「オープネスを高めよう!」と思ったときに、それを邪魔するものの一つは「オーバーサクセスシェア」だそうで、企業の中で、成功事例をシェアし過ぎると、本当の状況が伝わらない、マイナスなことも言いにくい。そんなことが起こっていくようです。
さて、1つの企業は、「事業の内容」、「職場という場所」、「従業員というチーム」、大きく3つで構成されているわけですが、北野さんによると、変化の激しい時代、最後の“チーム”という部分へのコミットメントの重要性が高まり、そこにオープネスが影響しているようです。
変化が激しい時代には、「事業」へのコミットメントは下がり、チームに対してのコミットメントが上昇する、つまりオープネスが高く、社員(チーム)の士気が高い会社は変化に強いといえるようです。

4日間に亘ってご紹介した北野唯我さんの働き方と取り組みから番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは
『組織の風通しの良さは、結果につながる!』でした。

これまで数値化、可視化が難しかった社員の士気は、企業の業績につながっている…。見えないものの大切さにまず、組織全体で気付くことが大事なことではないでしょうか。

オープネスについて、気になったという方、北野さんの著書「OPENNESS ~職場の「空気」が結果を決める~」もダイヤモンド社から出版されています。