あの奇才が帰ってきた!奇才の傑作!ルイ・エラール

2019.12.16 00:00
1987年にバーゼルフェアでデビューして以来、際立った存在感を放ってきたアラン・シルベスタイン氏。バウハウスが提唱した「形は機能に従う」という理念に則り、丸、三角、四角という基本的な造形で構成されたシンプルかつ機能的なデザインに、赤、青、黄などを印象的に用いたポップにしてクリエイティブなモデルが、常に話題を撒いた。2012年に自身のブランドをクローズしたが、以降もMB&F、RJなどの個性的なハイエンドブランドとのコラボを実現させている。そんなかれば、ルイ・エラールをパートナーに、シーンの最前線に舞い戻ってきた!
バウハウスの影響のもと、丸、三角、四角という基本的な形で構成されるデザインとビビッドカラーの組み合わせはアラン氏ならでは。
現代の目からすれば複雑顔のレギュレーター※だが、元は駆動装置一転に負担をかけないための工夫だった。
 来日したアラン氏はこう語る。「実はレギュレーターのデザインは初めてなんだ。レギュレーターは、駅舎の時計のような正確さの象徴だね。視認性と全体のハーモニーを考慮し、センターからの分針を反対側まで長く伸ばしたんだ。」ストラップに配されたステッチも目を引く。アラン氏、エムシュ氏と、ルイ・エラールCEOのアラン・スピネディ氏を象徴する。
 ルイ・エラールは1929年設立の歴史あるスイス・ウオッチブランド。90周年を迎え、新たな取り組みを見せる中で、同社の"顔"というべき、時、分、秒針が独立したレギュレーターに注力するほか、ジャケ・ドローやRJでCEOを務めたマニュエル・エムシュ氏を経営陣に迎えている。彼はRJ時代にアラン氏とのコラボの実績があり、それが今回の新作につながったようだ。
 アラン氏らしいクリエイティブさ満載のこのモデル、ブラック文字盤は注文が殺到。これから登場するホワイト文字盤も完売必至。逃してはならない!
アラン・シルベスタイン
1950年パリ生まれ。建築家としてキャリアをスタート、80年代後半にフランス・ブザンソンに自身のウオッチ・ブランドを設立し、グローバルな人気を誇る。12年にブランドをクローズ以降も、時計デザイナーとして活躍中。

※レギュレーター=時・分・秒針が独立して表示される時計

文・松阿彌 靖
ルイ・エラール エクセレンスレギュレーター デザイン・バイ・アラン・シルベスタイン
ステンレススチールケース。機械式手巻きムーブメント。ケース径40mm。カーフストラップ。世界限定178本。価格42万3500円(白文字盤モデル)、43万4500円(黒文字盤モデル)