成功者の“美学”は意外とシンプル? 結果を出すために必要なもの

2019.04.26 22:30
俳優・田辺誠一さんが番組ナビゲーターを務め、毎回1人のゲストの「美学」=信念、 強さ、美しさの秘密を紐解き、そこから浮かびあがる「人生のヒント」を届ける、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。4月26日の放送は、4月のマンスリースペシャルと題し、メジャーリーガーの田中将大さん、フィギュアスケートのアリーナ・ザギトワさんのエピソードをプレーバックするとともに、未公開映像を交えて、二人の輝きのさらなる秘密に迫った。
■憧れは「ポジティブに物事を考えられる人」「成功している人」
「美学と信念が一番表現されている写真はどれ?」という質問を受け、田中さんが選んだのは、2013年秋に東北楽天ゴールデンイーグルスで初のリーグ優勝を果たした瞬間、空に向かってガッツポーズをしている写真。「東日本大震災の直後で、“東北のみなさんへ”という思いも強く、みんなに(向けて)“やったぞ!”という気持ちで、自然とそういうポーズを取ったのだと思う」と述懐した。同じ質問でザギトワさんが選んだのは、平昌五輪で演技が終わった後、天に向かって高々と拳を突き上げる写真。「私は、ある時は“いい人”だったり、スポーツの時は厳しかったり、場面によって性格が違います。これは勝利のジェスチャーなんです」と語った。
そんな二人に、憧れの男性像、女性像について聞いた。田中さんの理想の男性像は、明石家さんまさん。「一見、ネガティブになりそうなことでも、すべてをポジティブに考えられる人。さんまさんにとってはそれが自然なことなのでしょうが、そういう風に物事を考えられたらいいなと思う」と理由を語った。一方、ザギトワさんは「私が憧れるのは成功している女性。色々なジャンルに、見習いたいと思う女性がいます」と明かした。
■気分転換が大事
田中さんは、長期間に及ぶシーズンを乗り切るために、オフはゴルフや釣りなどの趣味を全力で楽しむことにしている。趣味のゴルフや釣りの共通点は、投球と同じく「考察して正しい答えを導くところ」。「例えばバス釣りなら、ルアーをどこにキャストするか、どの深さまで下ろすか、そんな風に駆け引きしながら考えて仕掛けるのが楽しい」と話す。
また、「仕事でミスをして上司に怒られてしまったらどうする?」という質問を投げかけられた田中さんは、第一に「何でそういう失敗をしたのか、上司にどうして怒られたのかを考える」と回答。そのうえで、「もし理不尽に怒られただけなら自分ではどうしようもできないから気にしなければいい。そういう時は仲の良い友人と飲みにいくなど気分転換をして、次の日はまた新たな気持ちで向かって行けばいい」と持論を述べた。
■結果を出すためのキーワードは「気持ち」「夢」
ザギトワさんの最大のモチベーションは何か。「小さい頃から表彰台に立ってメダルをかけてもらうのが好きだった。そのためなら辛い練習も乗り越えられる。ミスのない良い演技、美しいスケーティングで皆さんに喜んでもらい表彰台に立てば、“もっともっと良い演技をしたい”という気持ちが湧き上がる」と目を輝かせた。
一方、「なぜメジャーリーグで結果を残せるのか」と問われた田中さんは、「僕が感じていることとのギャップを感じる」と素直な気持ちを吐露。「僕自身は成績を残し続けているとは思っていないし、周りの期待に応えられたシーズンなんて1度もない。ただ、もしメジャーリーガーとして生き残れている理由があるとすれば、何事にもアジャストすることだと思う」と断言した。
そんな田中さんの座右の銘は「気持ち」。「自分を動かすのも、勝負を決めるのも、最後は気持ち。物事の整理の仕方にしても、自分の気持ち次第でどうにでもできる」と語った。
ザギトワさんのインスタグラムには「夢」という単語が頻繁に登場する。ザギトワさんにとって「夢」は大切な言葉なのだという。「練習で上手くいかず落ち込んだ時に、自分の夢に立ち返りそれを強く思うと、前に進むことができます。私は、信じれば必ず夢は叶うと思っています」と力を込めた。
厳しい勝負の世界でトップを走り続ける二人の美学が凝縮された言葉は「気持ち」「夢」。実にシンプルだが、だからこそ、私たちの日常においても、あらゆる場面で「人生のヒント」になり得るのではないだろうか。
次回、5月3日の放送は、奥野史子さんが登場する。