「気持ち」次第で結果は変わる。最後に判断し、取捨選択できるのは「自分」

2019.04.05 22:30
2018年5月よりスタートした『SHISEIDO presents 才色健美~強く、そして美しく~with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)が、番組ナビゲーターに“画伯”こと俳優・田辺誠一さんを迎えて4月からリニューアル。毎回1人のゲストの「美学」=信念、 強さ、美しさの秘密を紐解いていく。記念すべきリニューアル初回、4月5日のゲストは、メジャーリーガーの田中将大さんが登場。名門ニューヨーク・ヤンキースの背番号19を背負い、日本人史上初となる5年連続二桁勝利、日本人最多となる4度の開幕投手などの偉業を成し遂げ、ファンを熱狂させ続けているトップ・アスリートの美学に迫った。
■結果は出すが、勘違いはしない
駒澤大学附属苫小牧高等学校、東北楽天ゴールデンイーグルス、ニューヨーク・ヤンキースと階段を駆け上がり、トップを走り続けてきた。田中さんは、「18でこの世界に入って、有り難いことに1年目から注目されて、取り上げてもらうことが多かったが、それを面白くないと思う人もチーム内にはいた。嫌な思いをしたこともあったが、結果を出すと、その人の対応も変わってきた」と述懐。それぞれの局面で常に注目され、期待されてきたが、その分、活躍できなければバッシングにさらされたかもしれない。「結果が出ていたら何も言われない。だからと言って、何をしても良いというわけではない」と、淡々と語る。結果は出すが、勘違いはしない。
■気力を養うため、オフは気兼ねなく
メジャーリーグは日本のプロ野球よりも試合数が多く、休日も少ない。「ONとOFFのスイッチは?」との質問に、「試合前、ウォーミングアップしてブルペンに向かうまでに、徐々に、自然にONになる」と答え、「意識していないので、切り替えがうまいかどうか自分では分からない」と田中さん。番組では、友人とお気に入りのイタリアンレストランでリラックスして過ごす様子にも密着。年間を通して日本に滞在できる時間はごくわずか。プライベートでの交流は限られた枠の中で、時には一人で食事に行くことも。「自分が気を遣うところにはあえていかない」。オフの時間はひたすら気兼ねのない場所で、気力を養うために過ごす。
■最後に判断し、取捨選択するのは自分
今シーズンでプロ13年目。メジャーリーグでは6年目を迎え30歳になった田中さんに、「13年はベテラン選手の領域?」と質問。田中さんは、「キャリアの長さで言えばベテラン」と回答。「物事の考え方、見方が柔軟になった。昔は視野が狭く、自分がこうだと思ったことを頑なに通すところがあったが、今はアドバイスにも耳を傾けるようになった」と確かな変化を明かしながらも、「ただ、それを最後に判断し、取捨していくのは自分」ときっぱり。芯の強さは変わっていない。
そんな田中さんの座右の銘は「気持ち」。「自分を動かすのも、勝負を決めるのも、最後は気持ち。物事の整理の仕方にしても、自分の気持ち次第でどうにでもできる」と語った。
結果を出し続けること。自然体でいること。他人の意見も「自分」で責任を持って判断すること。ゆるぎない「気持ち」を維持していくこと。田中さんの美学は、シンプルなようでいて、誰にでも貫けることではない。ただし、いかなる立場、いかなる状況に居る者でも、田中さんの姿勢に学ぶことはできる。最後に残るものは「自分」でコントロールすべき「気持ち」のありようだ。
次回、4月12日の放送は、今週に引き続き田中将大さんが登場する。