「絶対に怒ってはいけない」大会って? アンガーマネジメントの効果

2019.03.29 22:30
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents 才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。3月29日の放送は、3月のマンスリースペシャルと題し、埼玉西武ライオンズ二軍監督の松井稼頭央さん、フリーダイビング日本代表の福田朋夏さん、バレーボール元全日本代表の益子直美さん、女子プロ野球選手の加藤優さんのエピソードをプレーバックするとともに、未公開映像を交えて、4人の輝きのさらなる秘密に迫った。
■若手選手に継承したい教え
昨年、25年間の選手生活にピリオドを打ち、今シーズンは埼玉西武ライオンズの二軍監督として新たなスタートを切った松井稼頭央さんの好きな言葉は「感謝」。松井さんは、「ファンの前でプレーできるようになるまでには、自分自身の力だけではなく、たくさんの人の協力が不可欠」と話す。例えば、裏方の人がボールを投げてくれたり、トレーナーがマッサージしてくれたり、コーチがノックを打ってくれたり、コンディションを整えてくれたり……たくさんの人の支えがあって初めて、プレーに集中できる。また、「家族には常に感謝の気持ちを持ち続けたいと思っている」とも語った。そして、今回訪れた転機に、松井さんの背中を押したのも、妻の存在だったという。二軍監督就任のオファーを受け、「選手としてもう少し続けたい」、「監督になるとしても、もう少し先だろう」そんな風に思い、踏ん切りがつかなかった松井さんに、「そうあるチャンスではない。今がそのタイミングではないか」と冷静かつ客観的なアドバイスをおくった。松井さんは、その言葉で決心がついた、と振り返る。
現役時代は、他選手の5倍練習すると言われていた松井さんが指導者として伝えたいのは、「頭で考えていることをどうやって体に覚えさせるか」。そのためには「やはり練習するしかない」という持論がある。「その“貯金”をどれだけ若い時にためておけるか。体に染み込ませられるか。どれだけ野球のことを考えられるか」が大事だと考えている。また、松井さんは先輩から「遊ぶのは年を取ってから。若いうちは頑張らなあかん」と絶えず言われてきたが、当時は若かったため、「年を取ったら遊べない」と反発心を持っていたという。しかし、30代半ばを超えた頃から体の疲れが取れにくくなってきたことを実感して、ようやくその教えの重要性に気付いた。「指導者として、このことをどうやって若手選手に気付かせるかが大事だと思う」と語った。
知識を吸収するため、新たな挑戦として始めた読書。撮影中に読んでいた本は、将棋棋士の羽生善治さんのインタビュー本『超越の棋士 羽生善治との対話』(著・高田武将)だ。松井さんは書物のワンフレーズ「勝ちに行く時に隙が生まれる」、「忘れることが大事」を声に出して読んでみせた。「勝負には大切なこと。忘れて切り替えて、次のプレーに向かうことが大事。こうやって野球と重ねて言葉の意味を考えてみる」。今シーズン、若手選手と向き合う時に、少しでも多く引き出しを持っていたい――松井さんは、新たなステージにおいても、貪欲に自身の進化を求めている。
■“ノーリミット”でその先へ
酸素ボンベを付けずに潜るフリーダイビングの日本代表・福田朋夏さんの得意種目は、大きなフィンを付けて深さを競うCWT(コンスタントウェイトウィズフィン)。昨年5月には女子史上5人目となる、水深100m台到達を果たした。そんな福田さんの座右の銘は、“ノーリミット”を意味する言葉「その先へ!」。「自分でここまでしかできないと決めたら本当にそこまでしかできないので、自分に制限をかけない」、「目標値をクリアするごとにレベルを上げて、自分のリミットを外して超えていきたい。自分のポテンシャルのもっと“その先”に進むイメージ」と説明する。
自身を色で表すと、「水を連想する青」と答えた福田さん。「潜るときに意識しているのは、私も水になること。人間の体の70%は水でできているから、自分と海をつなぐような気持ちで潜っている」。都会が苦手で、海や自然がないと息苦しくなり、全部乾いていく気がすると笑って話す福田さんは、少しでも体を潤わせるために、お風呂は長風呂が多いのだという。そんなバスタイムのこだわりは、必ず塩を入れることだ。「世界各国の塩を集めるのが趣味で、“今日はメキシコの塩を入れてメキシコの海に入ろう”みたいなことをしている。海に入ると浄化されるので、海が近くにないときは海風呂を作って入っています」と語った。
■「Smile de Enjoy」怒りの感情はトレーニングで解消
元バレーボール全日本代表の益子直美さんの座右の銘は「Smile de Enjoy(スマイルでエンジョイ)」だ。泣いていても、怒っていても同じ時間が流れるなら、「くよくよ悩んで泣くよりも、笑って時間を過ごしたい」、「無理にでも笑っていると、“大したことないな”と思えてくる」という風に、「自分の器も大きくなっていく気がする」のだという。それでも、時に怒りの感情が湧いてくることもあるが、益子さんは「怒りのエネルギーをトレーニングに活かす」という形で、感情のコントロールをしている。「一人でスクワットしたり、腹筋したり。トレーニングは呼吸が大事なので、お腹に力を入れながらフーッ、フーッと息を吐き出すと、怒りの感情も吐く息といっしょに口から出ていくんです。ぜひ怒ったときにやってみてください」と笑顔を見せる。
現在、益子さんは、『益子直美カップ小学生バレーボール大会』と題した“監督が絶対に怒ってはいけない大会”を不定期に開催している。「大会が行われる2日間、監督は怒ってはいけない。もし監督が怒ったら、子どもたちに報告してもらい、私がその監督を怒ったり、私がベンチに入ったりします」とルールを説明。「小学生の頃はとにかく(バレーボールが)楽しいと思える環境を作って、“早く練習に行きたい”“こんなこともできるようになった”と思えるような練習をして欲しいとずっと思っていた」と、開催の意図を説明。指導者には「プレーに対しては、ミスしてもそれはチャレンジの結果なので、そこは褒めてあげてください」とお願いしている。先日も同大会に参加した6年生の女の子から、「監督が怒らないとわかっていたので、いつもは取りに行けないボールもチャレンジすることができました」と記された手紙をもらい「本当に嬉しかった」と話す。「きっと何年かしたら、“監督が怒っていた時代があったね”と言われる時代がくると思うので、それまでは細々と続けていきたい」と展望を語った。
■未完成でいい 立ち向かえる強い花になれ
女子プロ野球選手の加藤優さんの座右の銘は「花になれ」という言葉。憧れのアスリートであるフィギュアスケートの羽生結弦さんが、以前、NHK杯のエキシビションで使用した、指田郁也さんによる楽曲のタイトルだ。高校3年生の時、日本代表のテストを受ける際にこの曲を聴き、勇気をもらったと話す加藤さん。「2番の歌詞に“未完成でいい 立ち向かえる”という部分があり、今も未完成だけど、それ以上に未完成だった当時の自分でも立ち向かおう、頑張ろうと思えた」と振り返る。この“花”とは、加藤さんにとっての“強さ”の象徴でもあるのだろう。
プロ入り前にシンガーソングライターとしてCDデビューした経験もある加藤さんの趣味は弾き語り。それは、「自分と向き合うことで、可能性も広がる」行為なのだそう。番組では、あいみょんの「マリーゴールド」を熱唱する場面も。また、加藤さんにとって音楽とは「癒し」でもある。野球がうまくいかない時も、ストレスが溜まっている時も、何時間も無心で音楽に触れることで、気持ちを整えている。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける“美”をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は「花粉の季節のベースメイク法」と題し、花粉が増えるこれからの季節に最適なスキンケア法を解説した。
■「花粉の季節のベースメイク法」
肌がデリケートになる花粉の時期にオススメな「花粉の季節のベースメイク法」を教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST伊藤礼子さん。

今回使用するのは、低刺激タイプの化粧水、乳液、BBクリーム、バリアミストの4つ。

肌荒れ予防は保湿から。まずは化粧水。
1プッシュ分を両手に広げ、顔全体になじませる。これを2回行い、指先でゆっくりと軽くたたくように中心から外側へのばす。

【ポイント1】 敏感な肌には手のひらで

次に乳液。
こちらも両手全体に広げたら、中心から外側へこすらず押すようになじませる。

【ポイント2】目の周りなど皮膚が薄い部分は優しく・ゆっくり・心地よく

潤いをキープさせるため、化粧水、乳液できちんとケアした後はベースメイク。 BBクリームで花粉などの微粒子汚れ、紫外線などから肌を守るのにオススメ。 赤みの出やすい頬から指の腹をつかって、押さえるように優しく伸ばす。

【ポイント3】肌が敏感な時期だからと、ベースメイクや化粧自体をしないのは肌に逆効果

最後にバリアミストでバリアアップ。 日中の刺激から肌を守りながら、化粧の保ちも良くなるのでオススメ。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、4月5日の放送は、プロ野球選手(投手)の田中将大さんが登場する。