どんなポジションに変わっても情熱を失わない「大人げのない大人」を目指す

2019.03.15 22:30
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。3月15日の放送は、元プロ野球選手の松井稼頭央さんが登場。2018年シーズンで現役引退を表明し、今季は埼玉西武ライオンズの二軍監督として新しいキャリアをスタートさせた松井さんが、野球への情熱と現在の思いを語った。
■ポジションにはこだわらない
日米通算2705安打、233本塁打、465盗塁という成績を残し、日本人内野手初のメジャーリーガーとして活躍した松井さんは、“プロ野球史上No.1の遊撃手”との呼び声も高い。昨シーズンを最後に25年間の現役生活にピリオドを打った松井さんだが、「本当は現役を続けたかった」と本音を吐露。「チームの状況を考えると出番が減っていくのは仕方がなかった」としながらも、ユニフォームを着て試合に出て打席に立ちたいという思いは引退直前まで強かった。そうした気持ちから、2014年には少しでも出場できる可能性を高めようと、外野手転向を直訴した。「例えばあと2年しかできないと考えたら、新しいことに挑戦して2年で終わるならいいかなと思えた。もしくはここで頑張れば2年が3年、4年と伸びるかもしれない」、「もしこのポジションがダメなら他のポジションに行く。ポジションにこだわるよりも、ユニフォームを着ることが僕の第一条件だった」と、大好きな野球を少しでも長く続けたかった、という思いを打ち明けた。
■若い選手に継承したい教え
現役時代は人の5倍練習すると言われていた松井さんが指導者として伝えたいのは、「頭で考えていることをどうやって体に覚えさせるか」。そのためには「やはり練習するしかない」という持論がある。「その“貯金”をどれだけ若い時にためておけるか。体に染み込ませられるか。どれだけ野球のことを考えられるか」が大事だという。
松井さんは先輩から「遊ぶのは年を取ってから。若いうちは頑張らなあかん」と常に言われてきたが、当時は若かったため、「年を取ったら遊べない」と反発心を持っていたという。しかし、30代半ばを超えた頃から体の疲れが取れにくくなってきたことを実感して、ようやくその教えの重要性に気付いた。「指導者として、このことをどうやって若手選手に気付かせるか、が大事だと思う」と語った。
■引き出しを増やすための読書
今シーズンからは、指導者として新たな一歩を踏み出す松井さんが目指す理想像は、新人時代、西武ライオンズの監督だった東尾修さんだ。「東尾監督のユニフォームを着た時のあのスイッチの入り方。選手以上にスイッチが入っていたと思う」と回想。「選手は10人いたら10人違う。どれだけ視野を広げられるかを考えていくと、コーチ、スタッフ、選手、みんなを常に観察しておかなければ」と、監督業においては情報量と引き出しが必要だと考えている。
今の自分を色で表すと、「いろいろな色に染まれる真っ白」と例えた松井さん。「監督として1年目なので、勉強すること、経験することがいっぱいある中、まっさらな気持ちでいろいろなものを受け入れられる自分でありたい」と今季への意気込みを語った。
知識を吸収するため、新たな挑戦として始めた読書だが、まだ1冊も読み終えていない。「面白そうだなと思ったら買ってしまうので、同時に何冊も手を付けてしまっている」と苦笑い。撮影中に読んでいた本は、『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』(著・伊藤羊一)と将棋棋士の羽生善治さんのインタビュー本『超越の棋士 羽生善治との対話』(著・高田武将)で、それぞれの書物のワンフレーズを口に出し、野球と重ねて考える場面も。松井さんは、「若い選手と一緒に成長していくためには、少しでも多く引き出しを持っていたい」と読書をする理由を話し、「何とか一人でも多く一軍で活躍してくれることが次の僕の楽しみでもあり、夢なので、そのためにも僕も勉強しないといけない」と力を込めた。
■大人げのない大人
現役時代のオフは、2月1日のプロ野球キャンプインに向けて体を作っていたという松井さんだが、引退後のオフは「何をしたらいいかわからなかった」と笑う。今年は例年のような厳しいトレーニングをしない分、筋肉も落ちてしまったため、「現役時代の松井稼頭央の筋肉質なイメージを維持しなければ」と焦った松井さんは、オフを過ごしたハワイでも、上半身裸になってランニングをしたり、部屋でトレーニングを行ったりするなど、引退後も若さを保つ努力を怠らない。そんな松井さんが現役時代、若手選手に負けないために気を付けていたのは、走ることだった。「若い選手は当然、成長していく中で数をこなしていくじゃないですか。でも僕らは、年齢で筋肉が落ちてくる。加えて、練習も落ちてくると若手に勝てないので、練習量は減らさなかった。ただ、それよりも若い選手と接する時間が多かったので、それが若さの秘訣だと思う」。さらに松井さんは、監督になってもなお、体を動かして汗をかくことを忘れない。「今季は10代の選手もいっぱいいるので、そこで一緒に汗をかくとさらに若返るんじゃないかなと思っている」。
理想の男性像は、「大人げのない大人」だと話す松井さん。「高田純次さんや竹中直人さんみたいな渋い男性に憧れるが、ああはなれない。20歳の頃は40歳というとだいぶ大人だなと思っていたが、実際に自分が40歳になっても全然大人になりきれてないので、この際、大人げのない大人を目指したい」と話す。
松井さんの好きな言葉は「感謝」だ。ファンの前でプレーできるようになるまでには、自分自身の力だけではなく、たくさんの人の協力が不可欠。「裏方さんがボールを投げてくれたり、トレーナーがマッサージしてくれたり、コーチがノックを打ってくれたり、コンディションを整えてくれたり。たくさんの人の支えでプレーができている」、「奥さん、子どもに対しても、常に感謝の気持ちを言葉にして伝え、持ち続けたいと思っています」と語った松井さん。偉大な成績を残すことができた選手時代を支えてくれた人たちへの感謝は忘れない。そして、今度は「監督」というポジションで、先輩に教えられたこと、学んだことを、若手選手へと継承していく。どんなポジションでも、野球への情熱は変わらない。きっと、松井さんの言う「大人げのない大人」は、そんな人のことを表現しているのだろう。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける“美”をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は「花粉の季節のベースメイク法」と題し、花粉が増えるこれからの季節に最適なスキンケア法を解説した。
■「花粉の季節のベースメイク法」
肌がデリケートになる花粉の時期にオススメな「花粉の季節のベースメイク法」を教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST伊藤礼子さん。

今回使用するのは、低刺激タイプの化粧水、乳液、BBクリーム、バリアミストの4つ。

肌荒れ予防は保湿から。まずは化粧水。
1プッシュ分を両手に広げ、顔全体になじませる。これを2回行い、指先でゆっくりと軽くたたくように中心から外側へのばす。

【ポイント1】 敏感な肌には手のひらで

次に乳液。
こちらも両手全体に広げたら、中心から外側へこすらず押すようになじませる。

【ポイント2】目の周りなど皮膚が薄い部分は優しく・ゆっくり・心地よく

潤いをキープさせるため、化粧水、乳液できちんとケアした後はベースメイク。BBクリームで花粉などの微粒子汚れ、紫外線などから肌を守るのにオススメ。 赤みの出やすい頬から指の腹をつかって、押さえるように優しく伸ばす。

【ポイント3】肌が敏感な時期だからと、ベースメイクや化粧自体をしないのは肌に逆効果

最後にバリアミストでバリアアップ。 日中の刺激から肌を守りながら、化粧の保ちも良くなるのでオススメ。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、3月22日の放送は、女子プロ野球選手の加藤優さんが登場する。