年齢を重ねることで深みは増していく。今しかできない役割がある

2019.01.25 22:30
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents 才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。1月25日の放送は1月のマンスリースペシャルと題し、バレーボール女子の元日本代表・栗原恵さん、空手・組手の女子日本代表・植草歩さん、サッカー日本女子代表の熊谷紗希さんのエピソードをプレーバックするとともに、未公開映像を交えて、3人の輝きのさらなる秘密に迫った。
■「8割引退」から現役続行を決意した理由
かつてバレーボール女子日本代表のエースとして活躍した栗原さんは、現在34歳。2018年2月に日立リヴァーレを退団した後は、所属先がないまま4カ月を過ごした。「ほぼ8割は引退しようと思っていました。バレーボールでは、いい思いも悔しい思いも辛い思いもたくさん経験させてもらったので、もうコートの中に置いてきたものは何もないという達成感がどこかにあった」。しかし、そんな栗原さんを現役続行に導いたのは、栗原さんが19歳の時に、当時33歳で全日本のキャプテンを務めていた大先輩、JTマーヴェラスの吉原知子監督の言葉だった。「“めぐ(栗原さん)にしかできないことがまだあると思う”と。私は当時の監督のようなベテラン選手にはきっとなれないとは思うと正直にお話したところ、“私の背中を追うのではなく、自分なりのベテラン選手としての姿を見せれば、チームに与える影響は大きいと思う”と言っていただき、その言葉に心を動かされました」。そして栗原さんは、「今の年齢でしか見えない景色や、監督が見ていた景色の中で私がまだ見ていないものがたくさんあるのかなと感じたので、もう一度信じてついて行ってみよう」と決意。2018年6月から、JTマーヴェラスに入団した。
チーム最年長の栗原さんは「年齢を重ねることで深みは増していくと思う」と語る。「私も若い頃にベテランの選手を見て、“すごいな、私もいつかああいう風に考えられたり行動できたりするのかな”という憧れがあったので、その時々の役割を果たしていくという難しさを感じながら、ここ数年は葛藤しながらやっています」と話す。
試合でも、かつてはエースとしてスタメン出場をしていた栗原さんだが、現在は途中出場で流れを引き込む役割を担っている。「リザーブでコートに立った時に、すぐに結果を出さなければならないので、今までにない役割で難しさを感じるが、これも今しかできない役割。その時がいつ来てもいいように、準備だけは怠らないようにやっています」と、常にコートに立つ姿を思い描きながら、チャンスが来た時に自分の力を発揮できるように努めている。
栗原さんにとって、バレーボールとは「対応力や瞬時の判断力が大事な競技」。そこが難しさでもあり、魅力でもあるとのこと。「ゲームの流れでチームのムードもガラッと変わり、流れが自分のチームに来た時は、黙っていても点数が入る。そうなった時のチームは何をやっても好プレーや点数につながるので、すごく楽しいです」と語る。エースを担っていた時は、ピンチの時はいつも栗原さんにトスが上げられていた。「苦しい時にボールが集まるというのは、それだけ信頼されているということ。トスを上げてもらえることに対する喜びが得られやすいポジションだったので、本当にありがたい役割を与えてもらえていました」と責任感が大きいからこそ、やりがいもあったと当時を振り返った。
■憧れの女性はミラ・ジョヴォヴィッチ
空手・組手の女子日本代表・植草さんの座右の銘は「笑う門には福来る」。植草さんは、「試合でも笑顔の時はどんどん自分の中で良いイメージが膨らむし、私生活でも笑顔には笑顔が寄って来る。だからずっと笑っていれば幸せが来ると思う」と話した。
植草さんの決め事は、一日一善。「些細なことに苛立つ自分が嫌いで、相手を傷つけてしまったと自己嫌悪に陥るので、もし誰かに嫌なことをしてしまったら、良いことをして帳消しにできたらなと思う」と語った。また、部屋の壁には“全日本空手道選手権4冠”“世界選手権2連覇”といった目標を紙に書いて貼っており、「その目標を達成するまでに良い行いをしたら、毎回動物シールを貼っていく」と、照れくさそうに笑った。植草さんは「良い人間であることが強さの近道」だと信じている。
植草さんの憧れの女性は、映画『バイオハザード』に出演するミラ・ジョヴォヴィッチだ。「高校生の時にバイオハザードを観て、強くて綺麗なジョヴォヴィッチがものすごくカッコイイと思って。こういう女性になりたいって思いました」と、同作品は全シリーズ何度も鑑賞している、と熱弁した。
■場数と経験から培った“予測力”が自分の強みに
なでしこジャパンのキャプテンである熊谷さんがサッカーに取り組む中で心がけ、一番大切にしているのは「楽しむ」こと。「楽しくなければやりたくないし、楽しくなければ続かないし、サッカーはうまくいった時が一番楽しい。だからまた頑張ろうと思える。自分のやっていることが好きで、それを楽しめている人はイキイキと、キラキラしている」と話す。また、「自分自身のことが好きな人は素敵」と話し、「私も自分の人生が、めちゃくちゃ楽しいです!」と目を輝かせていた。
海外で活躍し、世界有数のトッププレーヤーとなった熊谷さんは、日本サッカー界の課題についてこう指摘した。「ミスしないように、怒られないようにする日本人のプレーがあまり好きじゃなくて。ミスしたら怒られるからミスしたくない。ミスを恐れて勝負できないとなると、結局ボックス(ペナルティエリア)内で、(相手にとって)怖いプレーができない。そんなの楽しくないじゃないですか」。今年開催されるワールドカップで「日本女子サッカーが世界を驚かせることができたらすごく嬉しい」と話す熊谷さん。翌年の東京五輪については「また来年考えます」と一蹴。今は、ワールドカップに全てを懸けている。
小学生からサッカーを始めた熊谷さんは、これまでサッカーを辞めたいと思ったことも、楽しくないと感じたことも一度もないとキッパリ。「次のプレーを予測して、その通りにボールが来たり、インターセプト(ディフェンス時、相手のオフェンスにボールが渡る前にボールを奪い取るプレー)できた時が一番うれしい」と、ボールを持つ相手との駆け引きに勝った時が快感だと話す。また、「海外ではスピードで勝負できるとは絶対に思えない選手もいる」と打ち明け、「どう対応するのかを日々考えています。予測する力は場数と経験で培っているので、それが、今の私の強みだと思っています」と自信満々に語った。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける“美”をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は「くずれにくいメイク法」と題し、運動中でもくずれにくいメイクの方法を解説した。
■「くずれにくいメイク法」
スポーツをしても安心の「くずれにくいメイク法」を教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST向井志臣さん。

今回使用するのは、下地、パウダリーファンデーション、アイブロウ、ルージュの4つ。

皮脂崩れ防止下地を全体にしっかり塗る事で、崩れを防ぎながら紫外線もカット。これ一つで、スポーツ時のベースメークの持ちが大きくアップする。

【ポイント1】
塗り忘れが意外と多いのが、顎の下部分。この部分までしっかり下地を塗っていく。
下地の後は、パウダリーファンデーションを薄く付けるのがオススメ。

【ポイント2】
崩れやすい目の下部分もしっかりとパウダリーファンデーション塗ることで、保ちがぐっとアップ。眉も汗やこすれに強いウォータープルーフタイプのアイブロウを使うと安心。

【ポイント3】
全体に描いた後、スクリューブラシで輪郭を軽くなじませると、ナチュラルな仕上がりに。
スポーツの時に艶々リップはNG。セミマットな質感がオススメ。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、2月1日の放送は、劇団四季の石橋杏実さんが登場する。