自己評価が低い人は「自分にしかできないこと」を探そう

2019.01.11 22:30
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents 才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。1月11日の放送は、元バレーボール日本代表の栗原恵さんが登場。“プリンセス・メグ”の愛称で親しまれ、数々の国際大会でエースとして活躍、今も現役を続行する栗原さんだが、昨年は「8割引退」まで傾いた時期もあった。それでもコートに復帰するに至った理由とは何だったのか。34歳、栗原さんの現在の思いに迫った。
■“メグカナ”ブームの最中に抱えていた苦悩
高校3年生で日本代表デビューを果たした栗原さん。19歳で臨んだ2003年のワールドカップでは、“プリンセス・メグ”こと栗原さん、同じ年齢の“パワフル・カナ”こと大山加奈さんによる“メグカナ”コンビとして一躍有名になった。栗原さんは「対照的なネーミングでしたが、“パワフル・カナ”はプレーとしての魅力を取り上げられているので、羨ましいと感じることもありました」と、当時の心境を語る。
突然のブレイクに環境も、周囲の反応も大きく変わったが、栗原さん自身は「合宿生活で外の世界に接する機会もなかったので、世間とのギャップがあって、自分たちもそんなに注目されているという実感はなかった」と話す。しかし一方では、若手の自分たちがメインとして取り上げられてしまうことに、チームメイトへの複雑な感情を抱えていた。「基盤になっている先輩方や、今まで支えてきた方々が日の目を見ないという状況が感じ取れたので、まだバレーボールも粗削りの状態の二人に注目が集まることが重圧になっていた部分はあった」と、当時の苦悩を打ち明けた。「話題性だけで取り上げられるのではなく、プレーで認めてもらうことが一番なので、実力も追いつきたい一心で一生懸命やるしかなかった」と振り返る。
もし今、当時の自分にアドバイスをするとしたら、「“そんなに力まなくていいよ”と言ってあげたい」と栗原さん。負けん気が強く、自分を強く見せたいがあまり、背負わなくても良いプレッシャーを背負って苦しんでいた時期でもあったという。
■現役続行を決意した大先輩の言葉
栗原さんは全日本のエースとして2004年のアテネ、2008年の北京と2大会連続五輪に出場。2010年の世界選手権では銅メダルを獲得。その後、大きな怪我に見舞われながらも選手生活を続けてきたが、2018年2月に日立リヴァーレを退団した後は、所属先がないまま4カ月を過ごした。「ほぼ8割は引退しようと思っていました。バレーボールでは、いい思いも悔しい思いも辛い思いもたくさん経験させてもらったので、もうコートの中に置いてきたものは何もないという達成感がどこかであった」と、当時の心境について語った。
しかし、そんな栗原さんを現役続行に導いたのは、栗原さんが19歳の時に、当時33歳で全日本のキャプテンを務めていた大先輩、JTマーヴェラスの吉原知子監督の言葉だった。「“めぐ(栗原さん)にしかできないことがまだあると思う”とおっしゃっていただき、私は当時の監督のようなベテラン選手にはきっとなれないとは思うと正直にお話したところ、“私の背中を追うのではなく、自分なりのベテラン選手としての姿を見せれば、チームに与える影響は大きいと思う”と言って頂き、その言葉に心を動かされました」。そして栗原さんは、「今の年齢でしか見えない景色や、監督が見ていた景色の中で私がまだ見ていないものがたくさんあるのかなと感じたので、もう一度信じてついて行ってみよう」と決意。2018年6月から、JTマーヴェラスに入団した。
■ベテランに求められる難しい役割
栗原さんはチーム最年長。単純にそのままの自分を出していれば良いわけではなく、ベテランだからこそ、時に“我慢”も求められる。栗原さんは「バランスを自分で見つけて役割を果たしていくのは難しい。ここ数年は葛藤しながらやっている」と話す。「自分もそうだったが、勢いやその時の思い切りの良さ、爆発力は若い選手には敵わない部分なので、多少の羨ましさを感じながらも、自分の役割が変わってきていることを意識している」という。
試合でも、以前は不動のエースとしてスタメン出場をしていた栗原さんだが、現在は途中出場で流れを引き込む役割を担っている。「リザーブでコートに立った時に、すぐに結果を出さなければならないので、今までにない役割で難しさを感じるが、これも今しかできない役割。非常に準備が大事なので、その時がいつ来てもいいように、準備だけは怠らないようにやっています」と、常にコートに立つ姿を思い描きながら、チャンスが来た時に自分の力を発揮できるように努めている。
■自己評価が低すぎる時は「自分にしかできないこと」を見つける
「高校時代は、練習よりも食べるのが苦痛だというくらい食が細かった」と語る栗原さんだが、現在は、美味しいものを食べることが楽しみの一つ。また、オフの日は家でDVDを見たり、特に用事がなくても外出してカフェでボーッと過ごしたりと、その時々の気分で自分の好きな時間をマイペースで過ごしている。
高校時代からスポットライトを浴び続けてきた栗原さんが、バレーボールを通して気づき、学んだこと。それは「自分を信じてあげることの大事さ」だ。「一時期は自己評価をすごく下げてしまっていて、人と比べたり、私はすぐに怪我をするとか、自分のダメな部分に目を向けたりしていた時期があった」とのこと。しかし、経験を積み重ね、様々な苦難を乗り越える中で、あることに気付き、意識を変えてきた。「自分にしかできないことを見つけていくことが強みになるし、“自分が思い描いたことを実現するために今、何をすれば良いのか”という風に考えられるようになってから、すごく楽になりました」と、晴れやかな笑顔を見せた。
そんな栗原さんが大切にしている言葉は、“ブレない自分”を意味する「凛と」だ。「周りの環境や自分の考えに左右されがちだけど、自分はこうありたい、こういう選手でいたい、その先はどういう風に生きていきたい、など自分の中でちゃんとした軸があれば、真っ直ぐ筋の通った選手になれると思います。バレーボール選手として、ひとりでも多くの方の記憶に残る選手でいたい」と、熱い思いを吐露。「いずれは忘れ去られてしまうかもしれないが、自分を一番表現できるのはやっぱりコートの中。そこでしか表現できないことがあると信じて今までやってきた。だから、限られた時間の中で、今しかできない自分のプレーや闘っている姿を通して、何かを感じてもらえたら幸せです」と語った。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける“美”をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は「くずれにくいメイク法」と題し、運動中でも乱れにくいメイクの方法を解説した。
■「くずれにくいメイク法」
スポーツをしても安心の「くずれにくいメイク法」を教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST向井志臣さん。

今回使用するのは、下地、パウダリーファンデーション、アイブロウ、ルージュの4つ。

皮脂崩れ防止下地を全体にしっかり塗る事で、崩れを防ぎながら紫外線もカット。これ一つで、スポーツ時のベースメークの持ちが大きくアップする。

【ポイント1】
塗り忘れが意外と多いのが、顎の下部分。この部分までしっかり下地を塗っていく。
下地の後は、パウダリーファンデーションを薄く付けるのがオススメ。

【ポイント2】
崩れやすい目の下部分もしっかりとパウダリーファンデーション塗ることで、保ちがぐっとアップ。眉も汗やこすれに強いウォータープルーフタイプのアイブロウを使うと安心。

【ポイント3】
全体に描いた後、スクリューブラシで輪郭を軽くなじませると、ナチュラルな仕上がりに。
スポーツの時に艶々リップはNG。セミマットな質感がオススメ。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、1月18日の放送は、サッカー日本女子代表、なでしこジャパンの熊谷紗希さんが登場する。