差がつく男のギア選び。キャンプは「機能」と「見た目」で決まる

2018.12.01 10:00
近年、オートキャンプが活況を呈しています。キャンプ場に行って、ご飯を作って、テントで寝る。これだけでも十分楽しいのですが、テントやタープ、ランタン、テーブルなど、各種ギアにとことんこだわってサイトコーディネートを楽しむ、おしゃれキャンパーも急増中。なかでも、インスタグラムを中心に爆発的な人気を呼んでいる「ヘキサテーブル」を作った大熊規文さんのギア選びはとにかくカッコいいと評判です。テントやタープだけでなく、腕時計やフライパン、テーブルもアウトドアギアのひとつ。大熊さんが語る、機能よし・見た目よしの“映えるギア”の選び方を聞きました。
<軽量・分割できる合理性>焚き火スタイルに革命を起こした「ヘキサテーブル」
最初に紹介するのは、大熊さんが手がけるガレージブランド「The Arth(ざぁ~っす)」の通称ヘキサテーブル。独特の六角形状と、天板に施されたデザインがとにかく映える大人気のギアです。

「一般的な焚き火用のテーブルは鉄製のものが多いんですけど、重いし、持ち運びが面倒。ないなら自分で作っちゃえと、できあがったのがこれなんです」
大熊さんの本業は木工屋。その技術と経験を活かし、とにかく使いやすくて合理的な設計にこだわったとのこと。

「天板はパズルのピースのように組み合わせる構造で、足の数は三脚の安定性に習って3枚。簡単に組み立て・分解ができるうえ、木製なので持ち運びも楽ちんです」

木材や塗装の質感は高級家具さながら。おしゃれキャンパーたちの憧れのテーブルとして、いまでも購入するには数ヶ月待ちという状況が続いています。
<抜群の信頼性>悪天候でも安心できる「ヒルバーグ」のテント
所有するテントは両手では足りないという大熊さんですが、中でもお気に入りというのがスウェーデン生まれのテントメーカー「ヒルバーグ」のもの。

「頻繁にキャンプしていると、大雨や突風といった悪天候にも遭遇します。そんなときでも、ヒルバーグなら安心。とにかくタフに作られているので、夜もぐっすり寝られます」
中でもこの「アトラス」はヒルバーグの中でも大型の幕。可動型の研究ステーションを必要とする極地科学者のために設計されたモデルですが、大熊さんはこれを冬場の「語らいの場」として愛用しています。

「ストーブを持ち込んで、大人6名ぐらいでわいわいするのに最高ですね。一度、本国のスタッフから、『アトラスがこんな使われ方をするなんて想像してなかった』と言われました(笑)」
<機能とデザインの両立>焚き火もできる難燃素材のタープ「幕男」
昨今インスタをざわつかせているのが、The Arthが韓国のアウトドアメーカー・アーバンフォレストに別注したタープ「幕男(まくお)」。全7色という豊富なカラーバリエーションで、コーディネートのしやすさも支持される理由のひとつ。

「生地は4層レイヤーになっていて、表面と裏面には火の粉が飛んでも大丈夫な難燃素材。内側には撥水性に優れた生地に加え、遮光性の高い生地も重ねているので、夏の炎天下でも、涼しく過ごせるようになっています」
また、ストレッチ性の高い生地を使っているため、シワにならず、誰でも簡単にきれいに張ることができるのも特徴です。

「真横から見たときの稜線がとにかくキレイ。2018年末には3色追加されるので、自分のテントに合わせてコーディネートを楽しんでほしいですね」
<正確でタフな実用性>キャンプ時の腕時計はブレスレットの「セイコー プロスペックス」
キャンプギア同様、腕時計にもこだわりを持つ大熊さんが愛用するのはセイコー プロスペックス。1968年に発売された世界初の10振動ハイビート300m防水を搭載したモデルのケース形状を継承し、インデックスや針のデザインを現代的にアレンジしたモデルです。

「街頭と違って時計が見当たらない野外では、腕時計は正確な時間が分かって、狂わないのが一番。このモデルは機械式時計なので、電池切れの不安がないし、200m空気潜水用防水で雨でも平気。キャンプ中でも気にせずガシガシ使えるタフさも、ちょうどいいんですよ」
りゅうずが4時位置に配置されており、手首の動きを妨げない、実用的な設計になっているのも、作業が多いキャンプシーンにはうれしいポイントです。

「あと、キャンプではラバーやシリコンストラップの時計をしている人が多いので、ブレスレットは逆に目立つんです。袖口からちらっと見えると、『おっ』ってなりますよね」
<所有感を高める伝統>ランタンは無骨で男らしい「ヴェイパラックス」
最近では明るくてバッテリー寿命が長いLEDランタンも数多く出ていますが、単に明るければいいというものではありません。大熊さんが愛用するのは灯油ランタンの「ヴェイパラックス M320」。

「ランタンは英国軍でも採用されていたM320を使っています。とても作りがしっかりしていてタフ。構造がシンプルなので、メンテナンスしやすいというのもポイントですね」
灯油を入れて、ポンピングしてと、着火までの手間は多少かかるものの、この作業自体も楽しいとか。イギリス製のモデルは希少性も高いため、それだけで所有満足度があがるというわけです。
<愛着が持てる実直さ>キャンプ料理に欠かせない「ターク」のフライパン
キャンプのまったりした時間を楽しむため、なるべく手間のかかる料理はしないという大熊さん。愛用するドイツ製「ターク」のフライパンは、熟練の職人が鉄の塊を何度も叩いて成形したつなぎ目のない一体型。適切なメンテナンスをすれば半永久的に使えるとか。

「おそらく、持っているギアの中で一番愛用しています。料理は焚き火の火を使うのですが、これは持ち手が長いので、手元が熱くならないのも嬉しいところ。使い込むほどに鉄肌の艶が増してくるので、どんどん愛おしくなりますね」
実際、このフライパンを使ってステーキを焼いたり、枝豆を炒めたりと大活躍。鉄製なので重量はありますが、だからこそ男性が使うとワイルドでカッコいいですよね。

以上、大熊さんが愛用するギアの数々は、機能的かつ見た目も美しいというのが共通点。使うほどに満足度が高まり、愛着を持てる。しかもキャンプシーンで「映える」ことで気分が盛り上がる…ぜひ、ギア選びの参考にしたいですよね。
セイコー プロスペックス
1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン SBDC065
¥120,000+税

1968年に発売されたダイバーズウオッチをベースに、現代的なデザインにアレンジ。視認性が高く、美しいブルーグラデーションのダイヤルや4時位置にセットされたりゅうずなど、機能的なディテールはそのままに、身に着けやすいサイズに仕上げている。 ブルーのシリコンストラップも付属。

ケースサイズ:径44×厚さ13.1mm
駆動方法:自動巻(手巻つき)
防水性能:200m空気潜水用防水
ケース・ブレスレット:ステンレス(ダイヤシールド)
[STAFF]model:Norifumi Okuma(@rinomaco)/photo:Nozomi Fujimura/text:Tadayuki Matsui