「ブラックチタン™シリーズ」が 堂々のフルモデルチェンジ

2018.11.27 09:00
※本記事は「価格.com」にて掲載された記事の転載です。
1918年の創業以来、約100年にわたってこだわりの時計を作り続けてきたシチズン。同社は部品からムーブメ ント、完成時計までを自社一貫製造するマニュファクチュールのひとつとして、世界から高い評価を獲得しているが、その歴史の中で、ひとつのマイルストーン となっているのが1987年に発売した「アテッサ」だろう。以後「アテッサ」にはシチズンの最先端技術が注ぎ込まれるとともに、素材として軽くて、肌にや さしく、錆びにくいチタニウムが採用され続けてきた。本特集では、そんな「アテッサ」のハイエンドライン「ブラックチタン™シリーズ」の最新作「エコ・ド ライブGPS衛星電波時計F950(CC4004-58E)」と、ディスク式ワールドタイム機能を搭載した「エコ・ドライブ電波時計ダイレクトフライト (BY0140-57E)」の2モデルに注目。両モデルの魅力を詳しくレポートしていく。

【新作登場】
新ムーブメントを搭載した「ブラックチタン™シリーズ」の新フラッグシップモデル
部品からムーブメント、完成時計までを自社一貫製造する世界でも数少ないマニュファクチュールのひとつとして、光発電式アナログ時 計や、チタニウムウオッチ、光発電式衛星電波時計といった数々の「世界初」を生み出してきた国産時計メーカー、シチズン。創業100周年を迎えた現在で は、日本国内はもとより、世界130か国以上で多くの製品を展開しており、世界中の腕時計ファンを魅了し続けている。そんなシチズンの魅力は多彩なライン アップにもあるが、中でも、本物志向の人からとりわけ高く支持されているのが「アテッサ」だ。

1987年に発売された初代モデル以降、「アテッサ」にはシチズンが誇る最先端技術が取り入れられるとともに、ケースやバンドには 軽くて、肌にやさしく、錆びにくいチタニウムが採用されてきた。近年のモデルには、シチズン独自の表面硬化技術「デュラテクト」を施した「スーパーチタニ ウム™」が採用され、10年、20年と長く安心して愛用できる高い耐久性も手に入れている。

そんな「アテッサ」から、新ムーブメント「F950」を搭載したフラッグシップモデル「エコ・ドライブGPS衛星電波時計 F950」3モデルと、ディスク式ワールドタイム機能搭載の高コスパモデル「エコ・ドライブ電波時計ダイレクトフライト」2モデルが登場。ここでは、フル モデルチェンジによって、「アテッサ」の新たな“顔”となった「エコ・ドライブGPS衛星電波時計F950」のブラックケース×ブラック文字板モデル、 「CC4004-58E」をピックアップ。その機能性とデザインをじっくりとチェックしていきたい。
1987年に発売された「アテッサ」の初代モデル。現在の「アテッサ」に比べると、か なりシンプルな印象だが、加工の難しいチタニウムにデザインを施し、量産化するには、極めて高い技術力が求められたという。この初代モデルを起点とし、 「アテッサ」のDNAは31年経った今でも脈々と受け継がれている
「エコ・ドライブGPS衛星電波時計F950」には、今回ピックアップしたブラック ケース×ブラック文字板の「CC4004-58E」(写真)に加えて、シルバーケース×ブラック文字板の「CC4000-59E」と、シルバーケース×ブ ルー文字板の「CC4000-59L」の計3モデルがラインアップされる

機能性とファッション性をあわせ持つ、魅惑の素材「ブラックチタン™」
まずは、「CC4004-58E」の外装素材からチェックしていこう。軽量の純チタニウムにシチズン独自の表面硬化技術「デュラテ クトDLC」を施した「スーパーチタニウム™」は、その色味から「ブラックチタン™」と呼ばれているが、この素材は、「軽い」「肌にやさしい」「錆びにく い」「キズに強い」という特性を持つうえ、一般的なブラックIP処理に比べて黒さが抑えられ、ダークグレーに近い色合いとなっているのが特徴だ。そのた め、快適な装着感が得られるとともに、外装の美しさを長く保つことができるうえ、オンタイム/オフタイム、どちらのファッションにも合わせやすい。

一般的なブラックIP処理が施された“黒い腕時計”をスーツに合わせると、時計だけが不自然に目立ちすぎたり、過度にスポーティー な印象になってしまったりしがちだが、ダークスーツに「CC4004-58E」をコーディネートした下の写真を見てもらえれば、そうした懸念がまったくの 杞憂であることがわかるだろう。“黒過ぎない黒”の色合いに加え、シチズンならではの卓越した加工技術により、ツヤやかな鏡面加工や、落ち着きのあるマッ ト加工が施され、上質感は十分。カジュアルな印象になるどころか、パーティーシーンでも身に着けたくなるほどのドレッシーさや、エレガントさを演出してく れるのだ。
純チタニウムにシチズン独自の表面硬化技術「デュラテクトDLC」を施した「スーパー チタニウム™」、すなわち「ブラックチタン™」をケースやバンドに用いることにより、「軽い」「肌にやさしい」「錆びにくい」「キズに強い」という、腕時 計にとって理想的な特性を手に入れている
「CC4004-58E」の外装に施された「デュラテクトDLC」は、一般的なDLC(ダイアモンド ライクカーボン)加工とは異なり、純チタニウムにDLC硬質膜を密着させるための中間層にもメタルアレルゲン物質を使用していない。これによって耐メタル アレルギーを実現しているため、肌が弱い人でも安心して装着できるのだ 。さらに、その下層には、純チタニウム自体を硬化させる「デュラテクトMRK」が施されており、擦り傷だけでなく、打痕にも強いのが特徴となる
ダークグレーに近い「CC4004-58E」の色合いは、ビジネスシーンで着用するダークスーツや革小物などに も違和感なくフィットする。襟と袖口が白いクレリックシャツで時計の“黒”を引き立て、さらに、「CC4004-58E」の秒針と同色のオレンジのタイを 合わせれば、シックになり過ぎない、ワンランク上のコーディネートができ上がる
ツイードのダブルのジャケットに、鮮やかなイエローのニットを合わせてカジュアルダウン。そこに「CC4004-58E」を合わせてみたが、ここでも腕時計が袖口に品よく収まってくれた。“黒過ぎない黒”の守備範囲の広さがよくわかる、カジュアルコーディネートの好例だ

時刻合わせの運針速度が従来の2倍に
続いて、「CC4004-58E」の機能面におけるトピックとして、新ムーブメント「F950」が採用されたことも忘れずにチェッ クしておきたい。GPS衛星電波時計である「CC4004-58E」は、上空約2万kmの宇宙空間を周回するGPS衛星から発せられる、位置・時刻情報を 乗せた電波を受信し、時刻・カレンダーを自動修正することができ、時刻合わせの際の時分針の回転速度を従来ムーブメント「F900」の 約2 倍に高速化。正回転、逆回転ともに、1時間分(分針一周360°分)の針を動かすのに要する時間はわずか1秒足らずというから驚いてしまう。時刻電波の受 信から時刻修正完了までをスピーディーに行うことで、わずかのストレスも感じさせないのだ。

また、定期的な電池交換が不要なシチズン独自の光発電技術「エコ・ドライブ」をはじめ、全世界をカバーする39のタイムゾーンに対 応し、時刻情報だけなら最短3秒で受信できる衛星電波受信機能「サテライト ウエーブ」や、サブダイヤルにローカルタイムを同時表示できるデュアルタイム機能「ダブルダイレクトフライト」、それら2つの時刻表示を1ステップで入れ 替えられる「ダイレクトチェンジ」など、シチズンが誇る先進機能を余すことなく搭載。フラッグシップモデルの名にふさわしい、ほかに類を見ないほどの機能 性を実現している。

[動画]時刻合わせが従来比約2倍に高速化
りゅうずを一段引き、ホームタイムを「東京」から「ホノルル」に変更したその瞬間、時分針が高速回転を はじめ、約4秒で時刻合わせが完了。ホームタイムを「東京」に戻すと、正回転と同じスピードで時分針が逆回転した。少しの時間もむだにできないビジネスマ ンが身に着けるにふさわしい、圧倒的なスピードである
全世界をカバーする39のタイムゾーンに対応した「サテライト ウエーブ」は、時刻表示だけなら最短3秒、位置情報まで取得しても最短30秒と、時刻受信や時刻修正のスピードも極めて速い

【デザイン】
チタニウムへのこだわりを表現した
力強さとエレガントさをあわせ持つデザイン
ここでは、「CC4004-58E」のデザインをチェックしていこう。チタニウムの生成過程で作られる「スポンジチタン」を表現し たというブラック文字板は、モノトーン基調の色使いやバーインデックスによって、クロノグラフながらスッキリとした表情にまとめられている。また、デザイ ン上のアクセントになっているオレンジの秒針は、加工時の熱間鍛造(ねっかんたんぞう)工程で発光するチタニウムをイメージしたもの。31年間にわたり連 綿と受け継がれてきた「チタニウムへのこだわり」を、さりげなくデザインに落とし込むとともに、細ぶちのベゼルを合わせることで文字板がより広く、スマー トに見えるのも印象的だ。

端正な表情に仕上がった文字板もさることながら、面構成を多用したソリッドなケースやバンドも注目すべきポイント。各面のエッジに よって描き出される稜線が、武骨とも言えるほどの力強い雰囲気を作り出しており、「アテッサ」特有の流麗さに、さらなる深みをもたらしている。かといって ハードな印象になり過ぎていないのは、デュアル球面サファイアガラスの風防やラウンド形状のプッシュボタンといった、エレガントなエッセンスが取り入れら れているためだろう。デザイン的な辛さと甘さが絶妙なバランスでミックスされた、実に完成度の高いデザインである。
凸凹とした「スポンジチタン」の質感を表現したという、「CC4004-58E」のブ ラック文字板。シルバー×ホワイトの時分針や、シルバーのバーインデックス、文字板外周のホワイトの都市表記など、全体をモノトーンでまとめることによ り、オレンジの秒針が効果的な差し色となっているのがわかる。シチズンのデザインセンスが光る、巧みな色使いだ
「ブラックチタン™シリーズ」従来モデルからの大きな変更点のひとつが、文字板全体にスマートな印象を与える細ぶちベゼル
ラグだけでも5つの面が組み合わされているうえ、各面にヘアライン仕上げを施すことで、エッジが際立ち、塊感や力強さが強調されている。スマートな文字板デザインとは趣の異なる、筋肉質な造形だ
デュアル球面サファイアガラスの風防とラウンド形状のプッシュボタンが、力強いケースやベルトのデザインにエレガントさを加えている。直線と曲線、武骨さと優雅さ。異なる味付けが絶妙なバランスでミックスされた奥深いデザインは、いつまでも眺めていたくなる
バンドにも複数の面構成が採用されている。外列と中列とでヘアライン仕上げの目付け方向を変えるなど、単調な印象にならないよう、デザインにアクセントが付けられているのだ
裏ぶたにも「デュラクトDLC」が施され、落ち着いた色合いに。表から見ても、裏から見ても、「ブラックチタン™シリーズ」らしさを感じさせてくれる

【注目モデル】
ディスク式ワールドタイム機能搭載の高コスパモデル
「エコ・ドライブGPS衛星電波時計F950」とともに登場した、「エコ・ドライブ電波時計ダイレクトフライト」。シルバーケース×ブラック文字板の「BY0140-57E」(写真)と、シルバーケース×ブルー文字板の「BY0140-57L」の2モデルが用意されている

「CC4004-58E」とあわせてチェックしておきたいのが、「エコ・ドライブ電波時計ダイレクトフライト (BY0140-57E)」だ。搭載するムーブメントは「H610」で、りゅうずを一段引き、文字板の4時位置にあるディスクの都市名を変更するだけで、 素早く各都市の時刻とカレンダーへ切り替わるディスク式ワールドタイム機能を搭載。デザインについては、「スポンジチタン」を表現したブラック文字板のほ か、細ぶちベゼルや、面構成を用いたシャープなケースなど、フラッグシップモデル「CC4004-58E」との共通項が多く、それでいて、 「CC4004-58E」の約半額となる10万円という価格設定(希望小売価格)なのが魅力的だ。フラッグシップに迫る機能性、デザインをよりリーズナブ ルに楽しみたいなら、本モデルを選ぶのがよいだろう。
ディスク式ワールドタイム機能や、シチズン独自の光発電技術「エコ・ドライブ」、そして1/5秒クロノグラフ(60分計)にアラームと、比較的手に取りやすい価格ながら十分な機能性を備える
サブダイヤルの配置や意匠、細ぶちベゼルや面構成を用いたケースなど、「CC4004-58E」と共通のデザインが数多く採用されており、「アテッサ」の新作としての統一感が感じられる。なお、「BY0140-57E」の秒針はオレンジではなく、ホワイトとなる
ケース径は42mmとほどよい存在感があるが、ケース厚は12.4mmと薄い。「スーパーチタニウム™」を採用するため、重さはわずか94g。身に着けていることを忘れるほどの、軽やかな装着感が得られた
「CC4004-58E」と同様、バンドにも面構成が多用されており、腕元をシャープな雰囲気に演出してくれる
【まとめ】
選んで間違いのない、「アテッサ」の新たな名作
シチズン100年の歴史と、「アテッサ」31年の歴史を体現するモデルに仕上がっていた、「CC4004-58E」と 「BY0140-57E」。搭載された数々の先進機能は歴史の集積そのものであるし、「ブラックチタン™」に施された精緻なデザインにも、加工が難しいチ タニウムに挑み続けてきた、シチズンと「アテッサ」の足跡を垣間見ることができた。歴史、機能、デザイン。それらすべてで高い満足感が得られる最新2モデ ルは、長く愛用できる腕時計を探している人が選んで間違いのない、シチズンの、そして「アテッサ」の新たな名作と言えるのではないだろうか。

エコ・ドライブGPS衛星電波時計F950
CC4004-58E
¥230,000+税
CC4000-59E
¥200,000+税
CC4000-59L
¥200,000+税
エコ・ドライブ電波時計ダイレクトフライト
BY0140-57E
¥100,000+税
BY0140-57L
¥100,000+税