読書、映画、料理、お酒…なでしこジャパン鮫島彩の素顔と波乱万丈のサッカー人生2

2018.11.09 22:30
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。11月9日の放送は、2011年 FIFA女子ワールドカップで世界一に輝き、現在もサッカー女子日本代表で活躍する鮫島彩さんが登場。波乱万丈のサッカー人生と、知られざる素顔に迫った。
■ベテランとしてのプレッシャー
高校卒業後に東京電力に入社、女子サッカー部のマリーゼに所属していたが、福島県が本拠地の同チームは、2011年東日本大震災の影響を受けて休部。その後、アメリカのボストン・ブレーカーズに移籍した鮫島さんは、同年6月に開催されたFIFA女子ワールドカップ優勝に貢献。さらに同年9月にはフランス1部のモンペリエに移籍と、1年の間に震災、移籍、W杯優勝、再び移籍と、目まぐるしい時期を過ごした。
左サイドバックのレギュラーとして出場した2011年のワールドカップでは、澤穂希さんや宮間あやさんといったベテラン選手がいた。「頼れるお姉さん方について行って、自分のプレーをとにかく出せばいいという思いでやっていた」と、鮫島さん。しかし、現在は自身がベテランとなり、若い選手の多いなでしこジャパンを牽引しなければならない。「自分のプレーを出して活躍するということより、どうチームが勝つか、どうしたら勝てるかということだけを考えています。そういう意味で、今の方がプレッシャーは遥かに大きいです」。
立場が変わったからこそ、気付いたこともある。「改めて澤さんや宮間さんがしてくださっていたことは本当にすごいと感じます。私は宮間さんとサイドを組ませてもらっていたのですが、自分がもっとうまかったら宮間さんももっといいプレーができるのに、そんな私を責めず、何も言わずにフォローしてくれて、私ができる部分を認めてくださいました。だから私も、若い選手に対して、そういう行動を心がけています」と、先輩の背中を見て学んだことを、次世代にも伝えようと日々奮闘している。
■必要がないと思った練習はやらない
鮫島さんが渡米したのは、当時、鮫島さんが所属していたマリーゼの本拠地である福島県が東日本大震災で壊滅的な被害を受け、チームが活動休止になったことがきっかけ。サッカーができる環境を求めて、苦渋の決断だった。そこで鮫島さんは、日本では絶対にあり得ない、アメリカ人選手の行動を目の当たりにする。「私がパーティーに行くドレスがないと言ったら、試合前なのに買い物に行こうと誘われ、5、6人の選手とお店を回った。もしその日の試合に負けたら、日本では“試合前に買い物に行くから負けたんじゃないの?”という考え方をするが、彼女たちはたとえ負けても“ただ実力がないだけでしょ?”というスタンスで構えている」。そんな日米の違いから、「過程は大事だけど、結果を出すためにどうするかを考える方が大事」だと気づかされたと話す。
その出来事をきっかけに、鮫島さんは練習への取り組み方を変えるようになった。「年齢的なこともありますが、自分が必要ないと思った練習はやりません。サボっていると思われるかもしれないけれど、試合で結果を出すために自分で判断して行動しています」。この意識改革が功を奏し、以前よりもコンディションは遥かに良くなり、怪我もしなくなったという。
■読書、映画、料理、お酒…鮫島さんの知られざる一面
鮫島さんの趣味は読書。推理小説も好きだが、主人公が異世界に行って戦うようなファンタジーを好む。映画も、しっとりしたラブストーリーよりも、『ダイ・ハード』や『ターミネーター』シリーズの戦闘シーンだけを繰り返し観てリフレッシュするのだとか。他にも、「東京五輪までには自分で着て出かけたい」と着物の着付け教室に通うなど、ピッチでボールを追いかける姿とは異なる一面を持つ。料理も得意とのことで、現在所属しているINAC神戸レオネッサの練習後のランチでは、チームメート・髙瀨愛実さんの分まで作ってきたというお弁当を広げていた。髙瀨さんは、そんな鮫島さんの素顔について「ピッチ以外ではオフですね、お酒の話をしているときが楽しそう」と明かす。鮫島さんが今ハマっているのは、北海道ワイン。「神戸で北海道物産展がいつやるかをいつもネットで検索してワクワクしています」と笑顔で語った。一方で、このランチの間にも、ついつい競技の話題に。「運動量の多いサイドバックからセンターバックにポジションが変わってから、体重が前ほど落ちなくなったので、食事も頑張って食べる必要がなくなった」と話す鮫島さん。髙瀨さんは「動き足りないからと、90分試合した後に、ピッチサイドでシャトルダッシュとか付き合わされるんです」と苦笑。鮫島さんは「出し切らないと体が気持ち悪いんです。もし急にまたサイドバックに戻れと言われたときに走れなかったら嫌なので」と、プロとしての高い意識を覗かせた。
■落ち込んだときは、自分を認めてあげる
鮫島さんのサッカー人生において転機はたくさんあったが、特に思い悩んだのは6年前のこと。「フランスに渡り1年経ったときに、震災で活動停止になっていたマリーゼのメンバーが移動して新しくできたチーム(現:ベガルタ仙台レディース)が始動すると聞き、フランスに残るか、帰国してまた一緒にサッカーをするか悩みました」。周囲には大反対されたが、苦悩の末、鮫島さんは帰国を決意。「フランスでもやりたいことはあったが、一度その場所に帰らないと自分の中で決着が付かないと思った。結果的に、またみんなで一緒にサッカーができて良かったです。プレイヤーとして成長するということではなく、気持ちの整理を付けるためでした」。鮫島さんは、仙台でも、その後移籍した神戸でも輝かしい実績を積み重ね、今も第一線で活躍し続けている。
サッカーを通していろいろなことを学び、経験を重ねてきた鮫島さんは、気持ちが沈んだり、不安に駆られた時は、まずは“自分を認めること”を大切にしている。「ワールドカップ優勝後にフランスに渡ったので、自分の中でもっとうまくならなきゃという思いが先走っていた。けれどフランスは練習量が少なく、思いだけが空回りして、やればやるほど調子が悪くなり、長い間スランプから抜け出せませんでした」。そんなとき、サポートしてくれていたスタッフに、「まずはその時の、それだけ頑張ろうとしている自分を認めてあげなきゃだめだよ」とアドバイスを受けたことで、鮫島さんは気持ちを立て直した。「その言葉を聞いて、ああそっか。今フランスに1人で来て頑張っているんだ。そう認めはじめたらすごく楽になって。練習でも、“今日はここまでできたからOK”と思えるようになり、楽しみながらサッカーに取り組めるようになりました」と前を向く。来年に迫ったFIFA女子ワールドカップ・フランス大会、日本代表の中心選手である鮫島さんの、ピッチでの活躍に期待したい。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける“美”をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は「印象的なアイメイク」と題し、スポーツ中のナチュラルメイクから、トレンドを取り入れたアイメイクの方法を解説した。
■「印象的なアイメイク」
トレンドは、ナチュラルからボリュームアップの傾向に。「印象的なアイメイク」を教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST向井志臣さん。
アイメイクは、瞳の色に合わせてカラーを選ぶと、自然と目元を大きく見せる効果が生まれる。今の流行りは、艶感のある目元だ。

1.クリームベースをアイホール全体に広げる。
目元に綺麗なグラデーションを出すためには、明るい色から、目の際に乗せて、上に向かってぼかす。ダークカラーも同じで、目の際に乗せて軽くぼかしていく。

【ポイント1】
下まぶた目尻の3分の1にダークカラーを入れると、より印象的な目になる。

2. 立体感を高めるために、まぶたの中央にだけハイライトを入れる。

【ポイント2】
目頭にハイライトを入れると透明感がアップする。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、11月16日の放送では、プロサッカー選手の中澤佑二さんが登場する。