J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で仕事との向き合い方、家族との関係など、働き方が問われる現代において、新しい働き方を実践する方々のリアルな声を紹介している「iction! QUOTE OF THE DAY」。
毎回、その実体験から<働き方>のヒントとなる‘QUOTE OF THE DAY’を導き出す5分プログラムです。
2月19日〜12月22日の放送では、日本生命保険相互会社が取り組む、全従業員の活躍を目指す「ダイバーシティ推進」をご紹介しました。1日目にお話をうかがったのは、人材開発部・ダイバーシティ推進部長の浜口知実さんです。
日本生命は、女性がおよそ9割を占めるという従業員構成。もともと活躍している女性がたくさんいる中で、さらにキャリアアップへ導いていこうというときに、育児と仕事の両立がたいへんでやめてしまう。それをなんとかしよう!と、女性が長く働き、活躍することをサポートしていこうと、10年前に「輝き推進室」を設置しました。当時、現場の女性たちの声がきっかけで生まれた組織だそうです。
その「女性活躍推進」に男性をどう巻き込んでいくか?という課題に取り組んだのが、2013年に始まった「男性育休100%取得推進」。4年連続で100%取得を実現し今年度も100%目前です。育休を取得した男性の体験談では「子供は寝てばかりと思っていたのが、実際に育休を取ってみるとまったく違って、育児が切れ目なく動いているということに気づいた」など、たいへんさを実感する人が増えているようです。それによって職場でのコミュニケーションが活性化。個人的な事情で早く帰ったり休んだりすることにも寛容になってきているということです。
そんな初日のお話から導き出した「QUOTE OF THE DAY」は『育休は人のためならず!』
「情けは人のためならず」(情けはいずれ巡り巡って自分に恩恵が返ってくる)ということわざがありますが、育休も、それを取った人にとって役に立っているだけでなく、働きやすい職場環境につながっているんですね。
2日目は、実際に「育休」を取得した体験者、岸浩太郎さんにうかがいました。「育休取得者」へのアンケートでは、もともと取りたいと思っていた人は3割程度。しかし、取った後には、「また機会があったら取りたい」という人が8割になったそうです。
長男の生まれた4年前と次男の生まれた今年度に育休を取ったという岸さん、「ほんとにバタバタして時間がなかった。思い通りにならずイライラして、という繰り返しでした」と語ります。しかし、「妻とコミュニケーションを取ることによって、日々の育児・家事の中に参加する意識や時間が増え、家庭の中が上手くまわるようになった」とのこと。
岸さんはまた、「育児・家事は仕事のレベルアップにもつながる。時間のマネジメントや子供の面倒を見ることはそっくりそのまま仕事にも置き換えられる」と語ります。
そんな2日目のお話から導き出した「QUOTE OF THE DAY」は『子育てはすべてに通ず』。
朝のお着替えや歯磨き、朝食、送り迎え、買い物・・・といったことを経験する中に、仕事の面でも役に立つことがたくさん隠れているようです。それをどうとらえるか?は、自分の意識次第かもしれません。
3日目に注目したのは、「ニッセイ版イクボス」。人材開発部・ダイバーシティ推進部長の浜口知実さんにうかがいました。「男性育休100%取得推進」の中で見えてきたのは<男性育休だけでなく、部下のキャリアとワーク・ライフ・バランスを応援して組織の成果を出す「イクボス」としてのマネジメントが必要>ということだったそうです。そこで生まれたのが「ニッセイ版イクボス」という考え方。
<育次><育地><育児><育自>という「4つのイクジ」をする人のことで、「育児をする人を応援するボス」というだけでなく「組織の生産性を高めること」を目指すのが「ニッセイ版イクボス」(課長層)ということです。さらに、部長・役員クラスの「大ボス」の理解や支援も大切。社長も「ワークスタイル変革宣言」を出して積極的に取り組んでいるとか。
「イクボス」の行動(上司としてのマネジメントのあり方など)に関してはセミナーなどでインプットを行っているそうです。
そんな3日目のお話から導き出した「QUOTE OF THE DAY」は『急がば、まわれ』。
「イクボス」が主導して、部下に働きかける仕掛けを提供。「イクボス」が気付きや学びを得るインプットを提供。さらに上の「大ボス」も率先行動。
一見、遠回りをしているようでも、こういう環境づくりが組織を強くし、結果的に生産性を高めるというわけです。
最終日は、「部下のキャリアとワーク・ライフ・バランス」を応援して組織の成果を出すという「ニッセイ版イクボス」の生の声。岸さんの上司、久我展功さんにうかがいました。16年前、いちばん上のお子さんが生まれたときには言い出すのが恥ずかしいような雰囲気があって育休は取れなかったという久我さん、3人目のときに取ってみて「これだけ大変だったんだ」と思うのと同時に、「ハードルが高かったのに、いざ取ってみると、たいしたことはない。普通の出来事なんだ」と感じたそう。
育児や介護でそれぞれがいろいろな事情で会社を休まなければならないとき、「お互い様意識」で周りの人がサポートしていくという意識づけとしても育休制度は大切。その意味で、まわりの人にとっても良い影響がある、と語ります。
自分が上司となったいま、「イクボス」として、まずは「おめでとう!」とお祝いしたうえで、育休は当然取るものとして、「いつとるの?」とこちらから聞く。相手が言うまでもないようにと心掛けているとのことです。
そんな最終日のQUOTE OF THE DAYは『まずは、やってみよう』。
久我さん曰く、「育休取得」は凄いことではなく当然のこと。「いざ取ってみると、たいしたことはない」という言葉も印象的でした。
まずは実践して、経験してみると、意識も変わる。それによって他の人のこともわかってくる。そこから芽生える「お互いさま意識」「おかげさま意識」が、職場に良い影響を及ぼす、というわけです。