愛知県の地域密着型サロン「Ai-ney」の取り組み

2018.02.07 00:00
J-WAVE(81.3FM)のモーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内の、「iction! QUOTE OF THE DAY」。仕事との向き合い方、家族との関係など、働き方が問われる現代において、新しい働き方を実践する方々のリアルな声をご紹介。毎回、その実体験から<働き方>のヒントとなる‘QUOTE OF THE DAY’を導き出す5分プログラムです。

1月15日から18日の放送では、愛知県の地域密着型サロン「Ai-ney」の取り組みに注目しました。

愛知県内で、21店舗を展開するヘアサロン「Ai-ney」。およそ180名の従業員のうち、7割が“ママ”という、独自の採用スタイルで、「子育てしながら、続けるのは難しい」と言われてきた美容業界に、まさに“新たな風”を起こしています。

お話を伺った、専務・取締役の入山益丈さんによると、結婚や出産をキッカケに、職場を離れる人が少なくないという美容業界。
ですが、そうしたスタッフが働ける職場環境を作る事で、“経験”も“やる気”もあるスタッフに働き続けてもらう事が出来るのでは。と考えたそう。

そのため、雇用形態を個人個人と相談し、勤務も1日数時間、または週に一回の出勤、といった多様な形を可能にしました。

こうした柔軟な“働き方”を採用したことで、社員の勤務時間に差が生まれたり、様々なデメリットも生まれます。ですが、そのデメリットは、スタッフたちの意識の変化によって解消されたそうです。

初日の放送から番組が導き出した「QUOTE OF THE DAY」は・・・
『休む時ほど、職場の力が試される!』
子育てに限らず、どうしても必要になる“休み”。そんな時、安心して「休みます!」と言える職場。これが本当に実力がある職場!仕事だけでなく、“休み”も助け合える意識、みなさんの職場にはありますか?
2日目は、ヘアサロン「Ai-ney」が行った
「指名制の廃止」に注目。

専務・取締役の入山益丈さんに、指名制をやめた理由を伺うと、指名があることで、急に仕事を“休めない”という状況が生まれていたそう。

子育てをしながら、仕事を続けていくなかで、こうした状況は、まさに「大きな壁」。「指名制を廃止」したことで、お客様をスタッフ全員で迎えるという気持ちが育ち、また、お客様も指名制度がないため、スタッフのスケジュールを気にすることなくこれまで以上に、気軽にお店に来ることができるようになったそうです。

さらに、子供の病気でのお休みなど、急な人員不足には、近隣のお店からスタッフを派遣してカバーしたり、営業時間を変更するといった形で対応しているそうです。

そんな2日目のお話から導き出した「QUOTE OF THE DAY」は・・・
『働き方の課題を、ビジネスモデルから考え直す!』
ビジネスとして、利益だけではなく、スタッフ(社員)の働き方までを考え、改善していく。スタッフがどうしても足りないのであれば、思い切って“営業時間を変更する”。大きな決断ではありますが、しっかりと制度として採用することで、より良い“職場環境”が生まれ、スタッフが生き生きと働くことができているようです。
3日目は、ママ・スタッフたちが“働きやすい環境”を作ってきたことで生まれた、スタッフ(社員)たちの意識の変化にフォーカス!

産休・育休、子供の体調不良などでの急な休みによる“負担”。不満の声も上がったそうですが、自分がそうした状況に置かれた時は、逆に助けてもらえる。職場全体で、そうしたスタッフをサポートする意識が育ってきたことで、仕事だけでなく、「子育て」もお互いに支え合える職場に変わっていったそうです。

こうした経験から、「こう働きたい!」そんな“スタッフの声”を積極的に採用。ますます、仕事に対するスタッフたちの意識も変化してきたそうです。

そんな3日目のお話から導き出した「QUOTE OF THE DAY」は・・・
『社員の声に答えれば、社員は仕事で答えてくれる!』
ママ・スタッフたちが働きやすい環境を作れば、職場でお互いをサポートする意識が育ち、働き方の希望に答えれば、より熱心に仕事に取り組んでくれる。社員と会社が、お互いを高め合う“良いサイクル”・・・そのヒントは、スタッフ(社員)の声にあるのかもしれません!
4日目は、美容業界に「新たな風」を生んでいる「Ai-ney」の新たな取り組みにフォーカス。

今年から新たにスタートしたのが、「美容師免許」取得のサポート。免許取得に向け必要な学費を会社が全額負担。さらに、学校に行っている時間にも給料を発生させる。

また、「美容師免許」がなくても出来る業務の専門スタッフを置き、美容師の負担を減らす取り組みも採用しているそうです。

こうした取り組みの先に「Ai-ney」が目指しているのが、「子育てしながら、続けるのは難しい」と言われる美容業界のイメージの塗り替え。生涯楽しく働ける環境を生み出し、美容師を目指す人を増やしていきたいそうです。

そんな最終日のお話から導き出した「QUOTE OF THE DAY」は・・・
『業界の常識を、塗りかえていこう!』
まさに、「美容師」という仕事を、
「続けるのが難しい仕事」から、「生涯続けられる仕事」へと変えていく「Ai-ney」の取り組み。

「働き方改革」が叫ばれるいま、必要なのは、これまでの“業界の常識”にとらわれない「働き方」なのかもしれません。