世界が注目するフィンランド式の子育てと社会制度

2018.01.23 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で仕事との向き合い方、家族との関係など、働き方が問われる現代において、新しい働き方を実践する方々のリアルな声を紹介している「iction! QUOTE OF THE DAY」。
毎回、その実体験から<働き方>のヒントとなる‘QUOTE OF THE DAY’を導き出す5分プログラムです。

1月1日月曜~4日・木曜の4日間は、女性の80%以上がフルタイムで働き、育児休業は男女問わず取得するのが当たり前、小学校から大学までの教育費は無料、そして待機児童はゼロ、と、世界でも「子育てがしやすい国」として注目をあつめる「フィンランド」の子育てと社会制度に注目しました。
今回お話をご紹介してくださったのは、日本に住んで30年以上、ここ日本で、そのフィンランド式の子育てを実践された坂根シルックさんです。

初日は、フィンランドの子育てを支える制度の1つ「ネウボラ」についてご紹介頂きました。ネウボラは妊娠、出産、子育てまでを支えるサポート制度で、特徴的なのは、ひとりの保健士が一貫して、ひとつの家庭のサポートを行うそうです。また、お母さんだけではなく、その家族も支援の対象で、子育てを行う家庭を「世帯」でまるごとサポートしていくそうです。こうした制度のお話からご紹介した初日のQUOTE OF THE DAYは、『国を創るのはヒト、未来を創るのもヒト』でした。シルックさんによると、フィンランドでは、かつて乳児の死亡率が高い時期もあったそうですが、国民ひとりひとりが「資源」であることを考え、子育てに対する制度が整っていったそうです。働き方が問われている今だからこそ、それぞれの会社や、そこで働く仲間が“相手を思うココロ”が大切なのかもしれません。
2日目は、フィンランドの「育児休業」についてご紹介しました。フィンランドでは男性の育休の取得率が高く、男性の8割が育児休業を取得しているそうです。また、こうした休業の後も職場で元の立場にもどることができる制度が整っているそうです。そんな2日目のお話から導き出したQUOTE OF THE DAYは『子育ては手伝うではなく“参加”する 』でした。日本では男性の子育てが、まだまだ“手伝う”というイメージが強いですよね・・・。フィンランドのように、まとまった育休制度の下であれば、
男性にとっても子育ては手伝うものではなく、自らが積極的に参加するという意識が、より育ちやすくなるのかもしれませんね。
3日目は、日本では社会問題となっている「待機児童」と、その後の教育制度について、フィンランドの制度をご紹介しました。人は資源である、という考え方が根付くフィンランドでは、待機児童はゼロ、また、大学までの教育費用が無償となっています。多くの女性が出産後、職場に戻るため、すべての子どもたちが保育園に通えるようにすることが自治体の義務となっているそうです。ただ、そうした制度の中でも、選択肢は用意されており、職場に戻るのではなく子育てを続ける母親や父親もいて、そうした家庭には保育園に通わない分の手当が支給されているそうです。こうしたお話から番組が導き出したQUOTE OF THE DAYは「選択肢のある人生をデザインしよう。」でした。
子育てしながら「働かなければいけない」や「働いてはいけない」など、子育ては「こうあるべき」と決めつけないことが大事なのかもしれません。大切なのは・・・「自分がどう生きたいか」。
最終日は、そのフィンランドの「働き方」と「日常」についてご紹介しました。
フィンランドでは「お休み」に対する明確な考え方があり、例えば、体調不良によるお休みに際には、有休を使う人はほとんどいないそうです。有休は有休として、しっかり自分の時間として「休む」ためで、こうしたメリハリが1つの特徴なんだそうです。
また、日々のお仕事においても、日本では当たり前のようにある「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」という考え方はなく、それぞれが自分自身の課題を自立して考え、仕事を進める傾向があるそうです。そんな最終日のお話から導きだしたQUOTE OF THE DAYは「自立した働き方で生産性をアップしよう」でした。ホウレンソウも大切ですが、そのホウレンソウのために「時間」を浪費することもあります。働き方改革は「定時に帰る」など「時間」を短縮することが重要なのではなく、その「時間」の中で、いかに“生産性”を高められるか?!が、本来、重要なのかもしれません。
働き方改革とともに“自分改革”も、2018年は目指してみてはいかがでしょうか?