伝統だけでは生き残れない。高級車ブランドに訪れた大変革の現在地

2017.12.25 10:50
日本カー・オブ・ザ・イヤーを欧州勢のボルボ XC60が受賞したり、東京モーターショーで入場者が数前年割れしたりするなど、国内の自動車市場に少し元気がないニュースは今年もしばしば耳にした。だが、それらが今もトップニュースになることは、我が国においてのクルマの存在感の大きさを物語っている。
ドイツの3大ブランドにとっても、大きな変革だった
ところで、ビジネスマンにとってマイカー、とりわけベンツ、アウディ、BMWという「ジャーマン3」(以下G3)への憧れは大きいのでは? そんなG3にとっても、今年は変革の一年になったようだ。
今年、世界販売台数約208万台で高級車市場の首位を奪還したメルセデス・ベンツだが、「高級感と出荷台数では未来を生き残れない」と今後を展望している。事実、ここ数年の同社は大きな戦略転換を行ってきた。2011年から従来とは一線を画す小型車などを販売し、運転支援システムの開発にも力を入れている。
上の動画は、メルセデス・ベンツが2017年4月の上海モーターショーで発表したSクラスに搭載された新機能「Active Distance Assist DISTRONIC」という運転支援システムだ。
カーナビに設定した目的地に到着するまで、道路状況に応じて自動で加減速するなど、運転の上手な人の操作に近い走りになるようドライバーをサポートする。
また、首位の座を明け渡したBMWも、成熟したブランドを守りながら、電動化などで今後に備えているようだ。
ドイツ勢とは一線を画した戦略を採る、世界の高級車たち
またG3以外の高級車ブランドは、あえてG3を追わない独自路線を採用。ボルボは安全性能と北欧らしい洗練のデザイン、トヨタ自動車のレクサスは、徹底的な作り込みとドラマチックなデザインで世界を驚かせた。
なかでも注目はアメリカのテスラだ。電気自動車に特化し、先端技術で差別化。消費者の期待を凌駕する革新性で、独自の地位を確立する道もあるということだ。
来年はさらなる変革の予感。詳しくは、日経テクノロジーオンラインで
消費者のニーズが劇的に変わり、電動化の波が押し寄せている自動車業界。活路を見いだすべく各社独自の戦略を採用していることがわかる。それが吉と出るかは、来年からのお題といえそうだ。

さて、本記事のオリジナルは日経テクノロジーオンラインで読むことができる。「技術者を応援する情報サイト」をコンセプトに、クルマ・エレクトロニクス・ものづくりなど、数々の最先端技術と業界動向をコラムで紹介。専門知識がなくてもわかりやすくまとまっているので、幅広い知識が求められるビジネスマンなら、チェックしておいて損はないはずだ!