くだらないことこそ全力投球!! 真面目にバカをやる姿は、なぜか眩しく目に映る。「○○をやってみた」等のチャレンジ動画に魅入ってしまうのもそのせいだ。2017年も数々の挑戦者たちが現れたが、なかでも存在感を示したのはタカラトミーアーツ社だった。
同社が立ち向かったのは、世界一固いアイス・井村屋のあずきバー。これをかき氷にするマシンを開発し、製品化まで果たしたのである。『風の中の昴〜』的なBGMでお届けしたい、試行錯誤の開発ストーリーを追ってみよう。
ひたすらシュールな偉業(?)をまずはご覧あれ!
まずは、こちらをご覧いただきたい。
釘を打てるほど固いあずきバー。その固さを確かめたら、まずはスティックを抜く作業。レバーで固定して、カムを回す、そしてまたレバーで固定…。なんともシュールな作業が続く。
ようやくスティックが抜け、ひたすらハンドルを回す。削るべし、削るべし、削るべし!! かき氷が完成だ!
試作を繰り返すこと、じつに6回! 開発者の執念は「あずきバー」を粉々にした
このマシン、動作は地味だが完成までの苦労は相当なもの。「あずきバーをなめてかかっていた」とは、開発担当者談。障壁となったのは、「ハンドルを回す時の抵抗力」。あずきバーの固さゆえ、そのまま削ろうとすると抵抗力が大きすぎた。試作品たちが次々と惨敗するなか、画期的な考えが浮かぶ。それが(1)スティックを外す、(2)アイスを削る、という2段階の作業工程。こうして試作6号機にして完成へと漕ぎ着けた。
なぜそこまで追求するのか? 開発者に問いたくなるが、「やる」と決めてスタートした以上、引き返せないのはビジネスシーンでもよくある話。実際の記事では、試行錯誤の過程が克明に描かれ、「押してダメなら引いてみる」などの名言も登場。ちょっとしたスペクタクルの様相を呈している。
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