オトナの八重歯はアリ?ナシ?

2017.06.30 20:30
アイドルやアニメのキャラクターの特徴として度々描かれる八重歯。「かわいい」、「小悪魔っぽい」と好意的な声がある一方で、国際的にはその評価が分かれるようです。
○えっ?海外ではナシ
日本では好意的に受け取られることがある八重歯ですが、日米200名の男性に対して行った調査※1によるとその印象に大きな違いがあることが明らかになりました。同じ女性の歯並びだけを加工した写真をそれぞれ用意。日米200名の男性に対して、「歯並びの良い女性」と「八重歯の女性」のどちらが好きか?を調査しました。
すると、日米共に左の「歯並びが良い」画像を選んだ方が9割を越え、更に細かく結果を見てみると、アメリカ人の8割が「絶対に歯並びが良い方」と答えたのに対して、日本人は4割にとどまり、「どちらかと言うと歯並びが良い方」という回答を合わせることで、アメリカと同水準となっています。

 このことからアメリカ人がより歯並びの良い女性を好み、八重歯の女性を敬遠する傾向が見受けられました。

 また、別の調査※2では日本に住む外国人100名にアンケートを行ったところ、76%と多くの外国人が、日本人の歯並びを悪いと感じていました。日本人の歯並びに対するコメントには以下のようなものが寄せられました。

「八重歯を可愛いと思う人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。率直に言って、先進国のなかで日本はおそらく最低の歯並びです」(カナダ人 30代男性)

「日本人の歯並びはあまりよくありません。日本人の通常の健康意識の高さを考えると、歯並びが悪いことに驚きます。また、テレビに出ているタレントでも、ひどい歯並びの人が多く驚きました」(アメリカ人 30代男性)

ここからも外国人が日本人に持つ歯並びの印象が伺えます。「えっ八重歯の方がチャーミングでモテそうなのに…」と思われがちですが、日本のみならず海外ではそうもいかないようです。

※1 歯並びに関する意識調査/アライン・テクノロジー・ジャパン2017.6月(n=200)
※2 日本人の歯並びに関する意識調査/アライン・テクノロジー・ジャパン2012.4月(n=100/n=600)
○なぜ日本人の歯並びは良くないの?
 上記の漫画は歯列矯正に関する情報提供サイトに掲載されている、海外旅行でのひとコマです。欧米諸国では、虫歯や歯周病治療にかかる自己負担金が日本より高水準と言われており、以前から予防医療的な歯列矯正が進んでいると言われています。
 整った歯並びは適切なブラッシングを行う上で効率が良く、口腔衛生上も有利です。成人の歯は親知らずを除くと、28本、上下14本の歯から成ります。あるデータ※3によると歯の健康寿命を表す、80歳時点で残っている歯の本数は、スウェーデンで19本、アメリカで18本、日本はわずか12本という結果が出ています。上下各6本の歯…これは仮に前歯から数えてみると内側からちょうど八重歯までしか残らないということになります。
 健康な歯並びは、楽しく快適な食事のみならず、咀嚼による健康を支える重要な要因と言えます。

※3 出展 SKaPa Arsrappot 2015/NIH Tooth Loss in Seniors/厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査
○“良い歯並び”は“健康”の副産物?
歯列矯正は審美目的で行われることがありますが、本来は歯科治療のひとつ。健康を維持することを目的に行われます。結果として見た目が美しくなり、精神的にも前向きになったり積極的になれる、というケースもあります。
○オトナの歯列矯正
 冒頭のデータをみると、歯並びに対して少し後手になっている…と思われる日本ですが、近年歯列矯正に対して前向きになっているというデータ※4もあります。
歯列矯正の装置を装着することに抵抗がある日本人は、2012年の72%から2016年の56%まで12ポイント減少しています。

※4 歯並びスマイル「成功者に求められる“歯並び”に関する意識調査」

さらに、最近では目立ちにくい歯列矯正の方法として「マウスピース矯正」という治療方法があります。透明に近い医療用のプラスチックでできたマウスピースを用いて、歯並びを少しずつ動かしていきます。
マウスピース矯正は、検査の後、口腔内スキャンを撮って予め1~2年先までの治療計画を立てることから始まります。治療計画は治療者も来院の都度モニターで確認ができる為、今どのステージにいるか、ということが分かりやすく、精神的な負担も軽減されるかもしれません。また、自身でマウスピースを付け替えて治療を行う為、通院する頻度は2~3カ月と長めにとることができ、自身のライフスタイルに合わせた治療が行えます。
マウスピースは1日20時間以上装着することが必要なので、基本的には食事をしている時意外は装着しておく必要があります。但し、結婚式や大切な会食等、長時間マウスピースを外したい…という時は、一次的にマウスピースを外すといった対応も、医師と相談の上でとることができます。装着時間が短くなると、治療期間が延びてしまうことにもつながる為、推奨できませんが、仕事や恋愛、趣味に忙しいオトナの女性にとっては少し気持ちを楽にしてくれますよね。

歯列矯正はどの歯科クリニックでも行えるわけではなく、歯列矯正を行っているクリニックを探す必要があります。マウスピース矯正を行っているクリニックも限られる為、気になる方は情報サイトから検索してみてください。