とことん語る!私たちが好きな都道府県の「実は」のハナシ

2017.04.22 10:00
中部地方に位置する山梨・長野・岐阜の3県の共通点は、海のない内陸県。それぞれ山に囲まれ、お隣同士の県だから考え方も似ているのかと思いきや…、まったく異なる’’県民性”の持ち主たち。今回は、その3県出身で東京在住の3名による座談会を開催して、県民性から食や郷土自慢まで、お酒の席だから話せるリアルな地元トークを繰り広げてもらいました。
参加者のプロフィール
Tさん(写真右)…山梨県中央市出身。都内の編集プロダクションで編集者として活躍中。同郷出身の夫とともに育児と仕事を両立する働くママ。
Sさん(写真左)…長野県安曇野市出身。フリーランスコピーライターのほか、Webメディアの編集長も務めている、多才な30代。
Nさん(写真中央)…岐阜県大垣市出身。各地に保護猫カフェを展開する実業家として、東京や岐阜を拠点に各地を飛び回る日々を過ごす。
一同驚き!山梨県人が飲み会でケンカをしない理由とは?
座談会に参加してくれた3名は、みんなお酒が大好き。まずは自分の故郷の県名が入った一番搾りで乾杯。初対面の挨拶も終わって気分も和んだところで、それぞれの「県民性」の話題からスタート! 県民性の違いが際立ったのは、地元の人同士の飲み会の話でした。
Nさん:東京に出てきてから、「岐阜出身」って聞いたらそれだけで相手のことを信用しますね。そのせいか、飲み会も岐阜出身だけって多いですね。高校を出たあとの進路によって、大阪・名古屋・東京の3つの地域に行き先が分かれて、東京に来る人の数が少ないからなのかも。地元が好きな人が多いんですよ。

Sさん:「長野県人は議論好き」とか「理屈っぽい人が多い」と、よく言われます。僕も東京に出てきてから周囲に「理屈っぽい」って言われたことあります(笑)。中学生のときにディベートの授業があったくらいで。地元の人同士でお酒を飲み始めると、くだらない話題でもガンガン議論してますね。変に深掘りするというか。

Tさん:山梨の人は、飲み会で議論やケンカをあまりしないんですよ。同じメンバーで、定期的に”貯金”のために集まる「無尽」というのがあるんです。地元の居酒屋さんにも「無尽承ります」って張り出してあるくらいで、無尽の集まりが飲み会になってます。飲み会で”貯金”を集金するから、ケンカで仲たがいしたら、その”貯金”の運用に困りますから(笑)。

「同郷同士の飲み会」でも、その様子は各県でかなり違っているみたい。特に無尽の習慣には、みんな興味津々。議論好きな長野のSさんは、しきりにその仕組みを深掘りして質問していました。
お酒が進んでくると、ラベルに記された自分の出身県を見ながら、地元愛を語り始める3人。東京では見られない山の美しさや、水の美しさやおいしさに話が盛り上がります。そうなると、やっぱり地元ならではの味が恋しくなりますよね。
お酒には欠かせない地元の酒肴自慢がスタート!
Tさん:山梨のビールのおともといったら、やっぱり馬刺しです! 東京に出てきて、スーパーに馬刺しが売っていないと知って、カルチャーショックだったんですよ。ニンニクと甘い醤油で食べるのが、日常だったのに…。

Sさん:信州も馬刺しはよく食べますね。身近でした。あとはイナゴの佃煮とか、蜂の子も欠かせませんね。


Tさん:山梨の実家でも、蜂の子は家族みんなで捕まえて佃煮にしてましたよ! 成虫とさなぎと幼虫で味が違って、ビールにも合うから、みんなでビールのおつまみにしてました。
Nさん:岐阜は保守的だからなのか(笑)、虫は食べなかったですけど、実は枝豆が名産なの。昔は、岐阜市の枝豆出荷量が全国の市町村でトップだったこともあって、味が濃くてほかの枝豆とは一味違うんです。どこでも定番のおつまみですが、地元の枝豆を食べると、やっぱりおいしいなって思います。
地元の味を自慢しあっているうちに、互いの県の一番搾りが気になり始めたようです。それぞれの県の一番搾りを飲み比べると、地元の味覚トークも一段と盛り上がります。
ビールが引き立て役になる”地元の味”
Tさん:山梨の一番搾りの味はフルーティーだから、胡椒のきいたソーセージみたいな、洋風のお肉料理に合いますね。酪農も盛んな山梨には牧場で作ったチーズとか、燻製のおつまみもたくさんあるから、それにも合いそう!

Nさん:まず岐阜って書いてあるだけで岐阜の人はよろこびますね、岐阜は地味なので(笑)。岐阜の地元の味は、味噌がベースの甘辛い濃い味なんです。その料理に負けないしっかりした味のビールですよね。

Sさん:信州は漬物に合う味ですね。漬物の塩っ気によく合うサラッとした味になっていて、ビールが進む気がする。野沢菜とか、野沢菜のおやきにも合うかもしれませんね。


慣れ親しんだ地元の味覚を引き立てるビールの味は、3人の体にしみこんだ味覚の記憶も引き出したのかも。このあと地元トークはさらにヒートアップ。宴もたけなわになったところで、最後に、味わったなかでもっとも好きな味の一番搾りを選んでもらいました。果たしてその結果は?
やっぱりみんな、地元が一番?
山梨県出身 Tさん:私、山梨の一番搾りが一番気に入ってるんですけど、どうですか? まろやかで、フルーティー。海外のビールみたいな飲み心地ですね。こんなにビールをじっくり味わって飲んだこと、今までにないかも。アルコール度数も山梨は6%なんですね。

長野県出身 Sさん:正直、信州が一番いいですね(笑)。まずネーミングでグッとひかれます。長野と言われるより、信州のほうがなじみがあって。缶に信州って書いてあるのを見ると「分かってるな」と思わせますね。普通の一番搾りは、いい苦味が前に出るけど、信州はサラッとしているのにコクが強く感じられました。

岐阜県出身 Nさん:私も地元の岐阜の缶が一番しっくりくるかな。うまみもあるし、木の香りが感じられる、山梨とも長野ともまったく違う味ですね。濃くて辛い、赤味噌文化の岐阜の料理に合いそう! 父が生きてたら、絶対よろこんでたと思います。お酒好きだったから。


地域の味覚や、地域に住む方の声をもとに生まれた「47都道府県の一番搾り」は、地元への熱い思いを引き出してくれる味だったようです。座談会に参加した3名も、出身県の一番搾りが気に入ったみたい。地元の家族や友達を思い出したり、地元に帰りたくなったり、そんな気持ちになりたいときに選びたい「地元の味」。あなたの地元の一番搾りも、探してみませんか?