製造業特化型AI のエムニ、作業動画から熟練者の”見極め力”をAIが言語化し、技能伝承につなげる実証実験を「雪国まいたけ極」のユキグニファクトリーと開始

2026.11.06 14:00
株式会社エムニ
~正解の定義もアノテーションも不要。デモでは熟練者のカットのコツを言葉に置き換えることを確認~
製造業特化型AIを提供する株式会社エムニ(以下「エムニ」)は、ユキグニファクトリー株式会社(以下「ユキグニファクトリー」)と共同で、マイタケのパック詰め工程を対象に、”匠の技”の伝承に向けた「動画分析 AI」の実証実験を 2026 年 9 月より開始しました。「動画分析AI」は、作業の正解を定義したり、人の手で作業の区切りを記録(アノテーション)したりすることなく、作業動画から工程ごとの作業時間を割り出し、熟練者の動きの要点を言語化することができます。

マイタケのパック詰めでは、形が一つひとつ異なる株を見極めてカットし、見栄えよくパックに詰める技術が欠かせません。本実証実験では、言語化が難しい熟練者のカットの技をAI が具体的な言葉に置き換え、形式知化したうえで教育に活用できるか検証します。製造業を対象に暗黙知の形式知化を推進してきたエムニの AI 技術と、ユキグニファクトリーの現場で継承されてきた匠の技を融合し、技能伝承の仕組みづくりを目指します(図1)。
図1 作業動画を撮影するだけで匠の技を AI が抽出し解析
図2 熟練者の手技を解析し形式知化。教育への活用を見込む。



■ パック詰めは味わい・食感・見栄えを収める技
ユキグニファクトリーは、1983 年に株式会社雪国(2025 年 4 月に現社名へ変更)として創業して以来、40 年以上にわたってマイタケを生産してきました。天然のマイタケと同じように 900g を超える大きな株を独自の技術で育て、「雪国まいたけ極」ブランドで販売しています。

マイタケは、一つの株のなかでも部位によって味わいや食感が異なります。ユキグニファクトリーでは、大きな株をパック詰めの工程でカットし、50g から 500g までの複数の商品に仕立てており、店頭に並ぶマイタケの品質を左右する重要な工程となっています。その品質を支えているのが、熟練者の技です。部位ごとの味わいや食感を 1 パックにバランスよく収め、見栄えよく仕上げるために、独自のカット技法を用いています。株の形や茎の付き方は一つひとつ異なるため、どこに刃を入れるかの見極めにはノウハウの技が求められます。


■ パック詰め技術の伝承が課題
この見極め力を多くの作業者へ伝えるには、作業を分析し、熟練者の動きの要点を具体的に示すことが不可欠です。熟練者の手さばきのノウハウは言葉になりにくく、その要点をどこまで伝えられるかは指導者の経験に左右されます。また、熟練者が長い時間をかけて作業者を指導する必要があります。

作業者の習熟度を測るために、一連の作業を複数の工程に分解し、各工程の作業時間を計測する方法があります。しかし、作業動画を工程に分解し、秒数を計測するために人手がかかるという問題がありました。

こうした指導品質のばらつき改善と指導負担・計測負担軽減に向けて、本実証実験がスタートしました。


■ 本実証実験の目的と検証内容
本実証実験では、エムニが製造現場向けに開発してきた動画分析 AI をマイタケのパック詰め工程に適用し、匠の技を形式知化し、技能伝承に活かせるかを確かめます。

具体的には、以下の 2 つの検証を並行して進めます。

1. 作業者ごとの苦手な工程や習熟度を自動で可視化
エムニの「動画分析AI」は人の手で作業区切りを記録することなく、AIが作業工程を分解して各工程の時間を計測します。マイタケのパック詰め作業動画において、人の手による計測と同等の精度を確認できれば、作業時間計測を自動化できます。

これにより、より多くの作業者に対して継続的な測定が可能になり、習熟度合いの推移や指導の効果が数値で確かめられるようになります。また、熟練者との差が大きいボトルネックの工程を特定し、そこに絞って指導することが可能になります。

2. 熟練者の”見極め力”をAIで形式知化
事前検証では、作業動画から熟練者のカットの仕方や特有の手の動かし方など、人の目では気づきにくいポイントをAIが抽出し言語化できることを確認しています。本検証では、複数の熟練者の動画分析でも安定した出力が得られるかという観点と、実際の指導の場面における教育資料としての有用性を検証します。暗黙知の言語化により教育資料や手順書が充実するため、指導者による教え方のばらつき抑制や、熟練者の指導負担の軽減といった効果が期待されています。また、多様なバックグラウンドを持つ作業者にも熟練者のノウハウをわかりやすく伝えられるようになることが見込まれます。


■ 今後の展望
本取り組みを通じ、匠の技を形式知として組織に蓄積し、新しく加わった作業者がそのノウハウをもとに技術を素早く身につけられる環境の実現を目指します。そのために、実証実験の成果を、作業者一人ひとりに合わせたフィードバックを届ける教育システムなどに応用していきます。

また、こうして蓄積した匠の技は、人への教育にとどまらず、ロボットと連携したフィジカル AI が熟練者の動作を学ぶための基盤としても活用していく予定です。

本実証実験を通じて、エムニは、ユキグニファクトリーのマイタケの品質を支える技術の継承に寄与します。また、本技術はパック詰めにとどまらず、溶接や組付け、目視検査など、人の見極めが品質を左右する工程に幅広く応用できます。生成 AI をはじめとする最先端の AI 技術を駆使し、ものづくりの現場に眠る暗黙知の形式知化と技能伝承への活用を進めることで、製造業の皆様の課題解決と業界全体のさらなる発展に貢献していきます。


■ 技能伝承・暗黙知のデータ化に関するご相談
熟練者の技能伝承にお悩みの製造業の皆様へ。

お手持ちの作業動画をもとに、AI が熟練の技を抽出するデモをご覧いただけます。
■ ユキグニファクトリー株式会社について
会社名:ユキグニファクトリー株式会社
代表取締役社長:湯澤尚史
本社:〒949-6695 新潟県南魚沼市余川89番地
設立:1983年7月
事業内容:茸事業、その他食品事業
会社 HP:
■ 株式会社エムニについて
会社名:株式会社エムニ
代表取締役CEO:下野祐太
本社/東京オフィス:〒101-0031 東京都千代田区東神田1丁目11-5 石田ビル東神田3階
京都オフィス:〒606-8307 京都市左京区吉田上阿達町17番地 地域経済牽引拠点1階
福岡オフィス:〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神4丁目5-10 チサンマンション第2天神209
事業内容:製造業特化型オーダーメイドAIの開発
MISSION:日本を盛り上げる
VISION:製造業におけるAI活用のハブになる
VALUE:バージョンアップ/圧倒的プロフェッショナル/相手を慮る/変革の当事者であれ
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