日本自動化開発の働きがいの理由は?老舗SIerの開発秘話

2026.11.05 16:59
日本自動化開発株式会社は、1971年の創業以来、銀行、保険、クレジットカードなどの金融分野や社会公共分野で、社会インフラを支える大規模システムを手掛けてきました。特定のメーカーに縛られない独立系のシステムインテグレーターとして、設計から運用までを担っています。一方で、止めることが許されないシステムを預かる現場には、社会インフラを支える責任とともに、休日対応が必要となる場面もあります。日本自動化開発の働きがいは、そうした局面を仲間とともに越えた先に生まれるものです。代表取締役社長の松尾充士が、金融系大規模システムの開発現場と、エンジニアを守り育てる取り組みについて語ります。今回はその裏側をご紹介します。
日本自動化開発が背負う社会基盤
私は1985年4月に日本自動化開発へ入社し、今年で41年目を迎えました。関西の銀行様のシステム構築で情報系の開発からスタートし、汎用機のミドルウェア設計から運用構築まで幅広い業務を経験してきました。
その後は本社で事業部門を担当し、SaaSシステムの構築と販売にも挑戦しました。2012年には総務部長を務め、2021年に代表取締役へ就任しています。私のモットーは「いい事を言うより、いい結果を出すこと」です。何を語るかよりも、お客様に喜んでいただける結果にこだわりたいと考えています。
当社が手掛けるのは、人々の生活を支える基盤システムです。これまで直面した最大の壁は、技術的な課題そのものよりも、「絶対に止められないシステム」を予定どおりに稼働させる責任でした。大規模な更改や移行では、開発の過程で想定外の課題が生じます。品質・納期・コストのすべてを高い水準で両立させながら、難しい判断を迫られてきました。
年末年始に挑む本番移行の現場
金融機関のシステムは社会インフラの一部です。そのため本番移行は、通常業務への影響を避けるため、年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇中に実施されます。移行が始まれば、開発メンバーは昼夜を問わず対応し、連休明けの営業開始までに確実に稼働させる責任を負います。
当社も過去に大規模な金融システムの移行案件で、複数日にわたる交代制の24時間体制を組みました。本番環境の監視とデータ確認、障害対応をチームで続けた日々です。
想定外の事象が発生すれば、その場で原因を切り分け、迅速に対処しなければなりません。一つの判断ミスが金融機関の業務停止につながりかねないため、現場は大きな緊張感の中で作業を進めます。
それでも本番稼働を無事に迎え、お客様から感謝の言葉をいただいたときには、大きな達成感がありました。プロジェクトを成功に導いたのは、特別な技術ではありません。
最後までやり遂げる責任感と、チームで協力しながら課題を乗り越える力が身についたと感じています。
日本自動化開発のチーム支援体制
こうした局面を乗り越えられるかどうかは、一人ひとりが孤立していないかにかかっています。客先常駐という働き方は、外から見る以上に難しさがあります。現場ごとに文化も進め方も異なり、複数の企業が集まる現場では会社をまたぐ連携が取りづらくなります。それでもプロジェクト成功に向けて主体的に動けるかどうかが、当社の価値だと考えています。
だからこそ、技術力以上に人と人とのつながりを大切にしてきました。現場リーダーのフォローに加え、定期的な面談や社員同士の情報共有を通じて、「困ったときに声を上げられる関係づくり」を意識しています。納期が迫る中で障害対応が重なったときも、「それは担当外だから」と線を引かず、経験のある社員がサポートに入ってきました。
エンジニアの働きがいは、華やかな成功体験よりも、苦労を仲間と一緒に越えた先にあるのだと思います。ようやくリリースを迎えたときの安堵感は格別です。お客様から「助かりました」「ありがとう」と言っていただけた瞬間に、それまでの苦労が報われるのです。
未経験から一人前へ導く教育体制
支え合う文化は、入社直後の育成から始まります。日本自動化開発では、理系・文系やIT経験の有無を採用の大きな判断基準にはしていません。未経験で入社し、現在は第一線で活躍している社員も数多くいます。私たちが見ているのは「学ぶ意欲」と「成長しようとする姿勢」です。
教育カリキュラムは毎年見直しながら継続的に改善しています。技術的な知識だけでなく、ビジネスマナーやコミュニケーション力、チームで仕事を進める姿勢まで重視しています。大切にしているのは、研修を実施して終わりにしないことです。研修後には受講者アンケートを行い、現場で本当に役立つ内容になっているかを毎年検証しています。
新入社員にはトレーナーが付き、業務配属から3か月後と1年後にトレーニーとトレーナーの面談を実施します。
ここでは技術面の成長だけでなく、「職場で誰にも相談できずに困っていることはないか」「本当はどのようなことに挑戦してみたいか」といった本音に耳を傾けるためです。エンジニアの成長は人それぞれだからこそ、対話を重ねた丁寧な支援を大切にしています。
残業時間と有給取得を守る調整
育てた社員が力を発揮し続けるためには、働く環境そのものを守る必要があります。お客様先のプロジェクトですから、納期が厳しくなることも、開発終盤で仕様変更が起きることもあります。ただ、私がいつも現場の責任者に伝えているのは、「社員に我慢させることで問題を解決させない」ということです。
過度な負担を現場の頑張りだけで乗り切ろうとすれば、社員は疲弊し、品質にも影響が及びます。私はそれを健全なやり方だとは考えていません。負荷が高まってきたときには現場任せにせず、上長が入ってお客様とお話をします。「このまま進めると品質リスクが高まる」「体制やスケジュールを見直したい」と率直にお伝えし、時には厳しい議論になることもあります。
私たちが本音でぶつかっていけるのは、長年積み重ねてきた信頼関係があるからです。お客様を大切にすることと社員を守ることは、両立できると考えています。当社が公表している平均残業時間17.3時間、有給休暇の平均取得日数12.4日という数字も、地道な調整を重ねた結果です。
2021年に刷新した人事評価制度
働く環境だけでなく、一人ひとりの努力をどのように評価するかも大きなテーマでした。以前は評価の基準が組織ごとに運用されており、社員から見て全社共通の物差しが見えにくい状態にありました。そこで2021年度に、外部コンサルティング会社の支援を受けた人事評価制度を導入し、定量と定性の二軸による基準を全社へ公開しています。
正直に申し上げると、評価制度だけで公平に測ることは難しいとも感じています。お客様先で働く社員が多く、日々どれだけ力を尽くしているかを会社が100%把握することはできません。だからこそ、「頑張ったかどうか」だけではなく、「自ら設定した目標に対してどのような行動をしたか」を重視しています。
今、AIの進化によってシステム開発のあり方も劇的に変わりつつあります。それでも大切にしているのは、時代が変わっても「社員一人ひとりがエンジニアとして力強く活躍し続けられる力」を育むことです。半年に一度の面談で本人のキャリアの希望とすり合わせながら、成長につながる機会を提供しています。
今後の日本自動化開発
日本自動化開発の平均勤続年数は15.4年です。長く働き続けてくれる社員の存在こそ、当社の財産だと考えています。
AIやクラウドなど新しい技術が次々に登場しますが、私は技術そのものが目的だとは思っていません。大切なのは、その技術を活用してお客様の課題を解決し、成果に結びつけることです。挑戦を続けながら、お客様から「困ったらまず相談したい」と思っていただける存在であり続けます。
そのために必要なのは、案件ではなく人材です。エンジニアを大きく成長させる要素は「経験」だと思います。さまざまな業務やポジションに挑み、悔しい経験も成功体験も重ねることが、一人ひとりを強くします。
分からないことがあれば自分で調べ、周囲に相談しながら一歩ずつ前に進める人が大きく伸びています。システム開発は、思うように進まない場面も少なくありません。
それでも仲間と課題を解決し、お客様から「助かったよ」と言っていただけた瞬間の達成感は格別です。私たちの考え方や仕事に共感していただける皆さんと、一緒に働ける日を楽しみにしています。

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