「とびばこだ!」創業100年の頼鉄工所が、中国銀行を通して地元のこども園へ跳び箱を贈った理由

2026.10.30 13:00
「とびばこだ」
布で覆われた贈呈品を前に、一人の園児がつぶやきました。
そのひと言で、少し緊張していた寄贈式の空気が、ふっとやわらぎます。


2026年9月30日、東岡山IPUこども園に新しい跳び箱が届きました。
贈り主は、創業100周年を迎えた精密シャフトメーカー、有限会社頼鉄工所です。


この寄贈は、中国銀行(ちゅうぎんフィナンシャルグループ)のSDGs私募債「地域応援型」を通じて実現しました。


100年続いた会社が、節目の年になぜ「跳び箱」を選んだのか。


その背景にある想いをご紹介します。
真新しい設備を手放してでも、守ったもの
頼鉄工所は1926年の創業以来、精密シャフトの製造一筋に歩んできた。


合言葉は「削る、磨く。」。
半導体製造装置向けのポンプシャフトをはじめ、さまざまな産業を支える部品をつくり続けている。


シャフトは、機械の動きを支える部品だ。
完成した製品の中では目立たないが、求められる精度を満たさなければ、機械全体が安定して動かない。
同社のシャフトの多くは半導体製造装置に組み込まれ、特殊なマグネットポンプに採用されたものは、東京スカイツリーや新幹線などのインフラを支える機器にも使われている。
左:ソフトクリームサーバー  右:新幹線台車
ただ、100年の歩みは順風満帆ではなかった。
代表取締役社長の頼 伸治氏が入社したのは、バブル崩壊の直後。
多額の設備投資をした直後に、受注が急激に止まった。
事業を続けるため、同社は真新しい大型設備を売却し、当時の会社の状況に合った中古設備へ切り替えるという苦渋の決断をしている。


設備は変わっても、ものづくりの技術とお客さまからの信頼だけは絶やさない。
その思いで目の前の仕事に向き合い、加工し、研削し、測定する工程を一本一本重ねてきた。


同社の社是は「信頼される、ものづくり。」。


100年という数字の内側にあるのは、苦しい時代にも会社を残し、技術を次の世代へ手渡してきた人たちの日々である。
考えたのは、次の100年のこと
今、頼鉄工所では、次の世代へ事業をつなぐ準備が進んでいる。


頼社長が重視しているのは、節目を祝うことだけではない。
将来を見据えて計画を練り、技術と信用を次の担い手へ着実に引き継ぐことだ。


会社を引き継ぐとは、過去をそのまま保存することではなく、これまで培ったものを土台に、次の時代にも必要とされる会社へ更新していくことだと考えている。


その準備を重ねる中で、会社を育ててくれた地域の未来にも目が向いた。地域への感謝を、次の世代につながる形にできないか。


そんな折、中国銀行の担当者が提案したのが、SDGs私募債「地域応援型」だった。


企業が私募債を発行する際、銀行が受け取る発行手数料の一部を使い、発行企業が指定する学校や地域団体へ物品や寄附を届ける仕組みである。
資金調達と同時に、「地域に恩返しをしたい」「次の世代を育てたい」という企業の想いを、目に見える形にできる。
「地域のこどもたちを応援する形にしたい。」


頼社長はそう考え、節目の年に同社として初めての社債発行を決めた。
こどもたちの「できた」を支える跳び箱
寄贈先に選んだのは、地元の東岡山IPUこども園。
会社関係者の家族にも園との縁があり、頼鉄工所にとって身近な存在だった。


同園は、地域で長く親しまれてきた財田幼稚園、財田保育園、乙多見保育園、神下保育園の4園を統合し、2024年に開園した認定こども園である。
社会福祉法人元気の泉が運営し、環太平洋大学と連携しながら、こどもたち一人ひとりの成長と可能性を育む保育に取り組んでいる。


園が望んでいたのは、古くなった跳び箱の新調だった。
こどもたちが安心して身体を動かし、新しいことに挑戦できる環境を整えたい。
その願いが、技術と信用を次の担い手へつなごうとする頼鉄工所の想いと重なった。


工場の中で技術が人から人へ手渡されてきたように、跳び箱もまた、これから何年にもわたって次の園児へ受け継がれていく。
「失敗は?」「成功のもと!」
寄贈式当日。
園の入口やホールには案内が掲示され、会場には穏やかな音楽が流れていた。
忙しい日々の中で、先生たちがこの日を丁寧に準備してくれたことが伝わってくる。
少し早めに到着した頼社長は、どこか緊張した面持ちで開式を待っていた。


やがて園児たちが入場する。
元気いっぱいでありながら、先生の声掛けに合わせてきちんと並ぶ。
ホール正面には、布で覆われた贈呈品。
こどもたちを驚かせようと、先生たちが用意したサプライズだった。


ところが、挨拶が進む中で一人の園児が口にする。
「とびばこだ!」


小さなざわめきが広がり、大人たちの表情もほころんだ。
先生たちの粋な計らいも、こどもたちの好奇心にはかなわなかったらしい。
式典らしい硬さはいつの間にかほどけ、寄贈式はこどもたちが主役の温かな時間へ変わっていった。
頼社長は、こどもたちにも分かる言葉で会社のことを話した。
ソフトクリームをつくる機械の中にも、新幹線の中にも、自分たちがつくった部品が入っていること。こどもたちは真剣な表情で耳を傾けていた。


贈呈のあと、服部 由美子園長がこどもたちに語りかける。
新しい跳び箱も、最初から上手に跳べるわけではない。
何度も挑戦して、できるようになっていく。そして問いかけた。
「失敗は?」
「成功のもと!」
「七転び……」
「八起き!」
ホールいっぱいに、迷いのない声が響いた。


園が日頃から大切にしていることが、こどもたちの言葉からそのまま伝わってくる。
式の後半、こどもたちは早速、新しい跳び箱に挑戦した。
順番に駆け出し、一生懸命に跳ぶ。その姿を、頼社長と先生たちが見守る。
最後に園歌が贈られるころには、頼社長も笑顔でこどもたちを見つめていた。
有限会社頼鉄工所 代表取締役社長 頼 伸治 氏
「弊社創業100周年を記念し、中国銀行様の仲介により東岡山IPUこども園へ子供用跳び箱を寄贈させていただきました。
ものづくり同様、子どもたちにも一歩一歩困難を乗り越え大きく羽ばたいてほしいと願っております。
弊社はこれからも地域に貢献できる企業を目指してまいります。」
東岡山IPUこども園 園長 服部 由美子 氏
「このたびは、頼鉄工所様、中国銀行様より、子ども達のために温かいご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
地域の企業の皆様に子ども達の成長を応援していただけることは、私達にとって大きな励みです。
いただいたご寄付で選ばせていただいた跳び箱を通して、子ども達が『やってみよう!』『できた!』という気持ちを持ち、楽しみながら挑戦していければと思います。
これからも地域の皆様とのつながりを大切にしながら、子ども達の成長を支えていきたいと思います。」
受け継いだ100年を、つないでいく100年へ
新しい跳び箱の前で、こどもたちは何度も走り出し、もう一度挑戦していた。
その姿は、試行錯誤を重ねて技術を磨いてきた頼鉄工所の歩みと、どこか重なって見える。


できなかったことが、少しずつできるようになる。
誰かに見守られながら、次の一歩へ進む。
こどもたちの成長も、企業が長く続くことも、その小さな積み重ねの先にある。


今回の寄贈は、先人から受け取った技術と信用を次へ渡していく、頼鉄工所らしい一歩となった。
ちゅうぎんフィナンシャルグループより
長く続く企業には、その年月の分だけ「地域への感謝」があります。
SDGs私募債「地域応援型」は、その想いを地域に届く形にするための仕組みです。


ちゅうぎんフィナンシャルグループでは、地域のお客さまとともに持続可能な地域社会の実現を目指し、さまざまな共創の取組みを進めています。


SDGs私募債「地域応援型」は、企業の想いを地域の子どもたちや教育、福祉、環境分野への支援につなげる仕組みのひとつです。


発行企業さまが指定する学校や地域団体などへ、私募債発行手数料の一部を活用して必要な物品や寄附をお届けしています。


単なる資金調達にとどまらず、「企業が地域に恩返しをしたい」「次の世代を育てたい」という想いを目に見える形にして地域へ還元する——。
ちゅうぎんフィナンシャルグループは、この取組みを通じて地域と企業の絆を未来へつなぐ伴走者でありたいと考えています。


【担当者コメント】
「有限会社頼鉄工所様が創業100周年を迎えられるにあたり、企業としての歩みを形に残せる取組みとしてSDGs私募債(地域応援型)をご活用いただきました。
寄贈式では、子どもたちや先生方の喜ぶ姿を拝見し、創業100周年という節目を地域とともに祝う素晴らしい機会となったことを大変うれしく思いました。
今後もお取引き先の発展と地域社会への貢献の両立を支援できるよう、地域に根差した提案を続けてまいります。」


ちゅうぎんフィナンシャルグループは、これからもお客さま一社一社の節目や挑戦に寄り添い、企業の想いが地域の未来へつながる取組みを支援してまいります。
▼10/30 PR TIMESリリース
▼頼鉄工所 創業100周年記念映像「百年の歩み」
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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社 ちゅうぎんフィナンシャルグループ
電話番号:086-223-3110

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