「不調を我慢する、なんとなく対処する」のではなく、「自分で正しい選択ができる」。そんな力が、これからの時代にはますます求められている――
第一三共ヘルスケアは、セルフケア(自分自身で健康を守り対処すること)を一過性の知識ではなく、社会に根付く文化として広げることを目指し、さまざまな取り組みを推進している。そのうちの一つに「
」がある。2026年10月には応用編となる第二弾を公開。2025年に公開した第一弾では延べ4.5万人(2026年9月時点)が参加するなど大きな反響を得たが、その裏では新たな課題も見えてきた。
なぜ今、若年層にセルフケアが必要なのか。そして、第一三共ヘルスケアが「検定」という形にこだわる理由とは。企画を担当する第一三共ヘルスケア サステナビリティ推進担当の中村美由希に話を聞いた。
――セルフケアを自分ごと化する「検定」という在り方へのこだわり
第一三共ヘルスケアが2025年10月に第一弾を公開した「
」(以下、セルフケア検定)は、薬の知識・食事・運動・生活習慣・美容の5つのカテゴリーから15問が出題される、クイズ形式のWebコンテンツだ。公開に至った背景には、セルフケアをより身近なものにしたいという思いがある。
中村:
は、生活者の皆さんにご自身のセルフケアについて改めて見直していただきたい、セルフケアに関する新しい気づきを得るためのきっかけを提供したい、という思いで制作しました。SNSやAIなどで健康情報を調べる若い世代が増えている一方で、その真偽を判断する難しさがあると捉えています。セルフケアは決して難しいものではなく、薬の知識ももちろんですが、普段から行っている食事や運動、睡眠などもセルフケアの一部です。そんなセルフケアをもっと身近なものとして認識してもらい、ぜひ自分ごととして一歩を踏み出していただきたいですね。
はZ世代をターゲットに設定し、中高生にも受け入れられやすいように配慮している。この年代を対象にした理由は、若年層ならではのセルフケア事情を考慮してのことだ。
中村:中高生になると、自分で薬を管理したり親御さんがいない場で服用したりする機会が増えますし、SNSなどで誤った情報に触れる可能性も高くなる年齢です。誤った対処法でもただちに健康被害がなければ問題ないと思ってしまったり、有名なインフルエンサーさんの発言を鵜呑みにしてしまったりすることもあるのではないでしょうか。薬を「買ってもらったものを飲む」段階から「自分で選んで飲む」段階に進もうとしている世代に対して、正しい知識を身につけてもらえるように促すことは、非常に重要になると考えています。
一般用医薬品メーカーからの情報発信は、どうしても「注意喚起」や「指導」といったニュアンスで受け止められやすい。「正しい情報を伝えたい」。しかし、「教える」「注意する」というスタンスでは若い世代には届かない。そのジレンマがあった。
中村:楽しく学びながら参加していただきたいという思いから、「検定」の形式にしています。一方的に知識を受け取るのではなく、「これは知らなかった!」といった新しい気づきや発見を体験してほしいですね。第一弾の基礎編では、医療従事者の方がお客様からよく相談される内容や、当社が高校生向けに実施している出張授業学生と関わる中で、「意外と知られていない」内容を盛り込みましたので、多くの方に見落とされがちな点を設問に反映できたのではないかと思っています。
検定後には、17種類のキャラクターによるタイプ診断も表示され、自分の得意・苦手なカテゴリーがわかるようになっている。
中村:楽しみながら参加していただきたかったので、あえて診断コンテンツの要素も取り入れました。「こんなキャラクターになった」とSNSでシェアするなど、セルフケアについて話すきっかけになればうれしいですね。
の第一弾では、開始から現在に至るまで延べ4.5万人(2026年9月時点)が利用するという、当初の想定を大きく超えた成果を得られた。また、回答率や結果の傾向についても、予想外の発見があった。
中村:当初ターゲットとしていた若年層だけでなく、幅広い世代から受験いただいています。流入の多くはInstagramなどのSNS経由ですが、イベントの際に弊社のブースを訪れた方からも多くのアクセスをいただけました。短時間で気軽に遊べるコンテンツとして、「検定」というスタイルを受け入れていただけたと感じています。全体の平均点は15点満点中12.7点(2026年8月時点)と、我々の想定より高くなりましたが、5つのカテゴリーのうち「薬の知識」に関する問題の正答率が一番低い結果となったので、ここは私たちが企業として頑張らなければならないところだと思っています。多くの方にご利用いただけたことは大変励みになりますが、実践に結びついて初めてゴールだと考えていますので、実際に生活習慣を改善されたり、周りの方に知識を伝えたりしていただきたいですね。
今回リリースされる第二弾は、第一弾の基礎編に対する応用編という位置付けだ。基礎編では15問が固定で出題されていたが、応用編では30問の中から毎回15問がランダムで出題される。
中村:第一弾で一定の成果は出ましたが、私たちの目的は受験者数を増やすことではなく、学んだ内容を普段の行動に生かしていただくこと、セルフケア自体の認識が広まり、もっと一般的になることです。その意味では、まだスタートラインに立った段階だと思っています。第一弾は、セルフケアに興味を持ってもらうきっかけづくりになればと考えていましたが、第二弾はセルフケアを日常生活の中で実践していただくところまで含めたかったので、難易度は前回よりも高めです。第一弾は消去法でも正解にたどり着けましたが、第二弾ではしっかりと理解していないと正解できない問題が増えていますね。問題がマニアックになったというよりは、日常生活の中で活用できる知識の範囲内で難しくなっているので、第一弾に取り組まれた方も改めてチャレンジしてほしいです。
――セルフケアを社会の当たり前にしたい。
第一三共ヘルスケアがサステナビリティ活動の一環として推進している「一人ひとりの体と心の健康や暮らしをサポートするためのアクション」には、セルフケアについて学び、周知するための「
はこの活動の中の一つで、高校生を対象とした出張授業や、メタバース空間を用いた教育コンテンツの提供と並ぶコンテンツだ。第一三共ヘルスケアではこうした「薬育(やくいく)」活動の先に、セルフケアという文化の醸成を見据えている。
中村:当社が提供する薬育の最終目標は、セルフケアを当たり前の文化にすることです。セルフケアの意識・行動の変化を、20年前と現在で比較したところ、セルフケアを意識的に実践しようとしている人の割合は、この20年で約3.5倍に増えていました(調査内容は
)。ただし、別の調査においては、「セルフケアを実践できているか」という質問に対して、約半数しか「できている」と答えていません。そして、その最も多い理由は「何をしたらいいかわからない」です。人生100年時代と言われる中で、自分で自分の身体をケアする力はますます重要になっています。
などの活動全体を通じて、多くの方が普段から自分たちの健康に投資する、その手助けをしていきたいです。
私たちは薬を提供するだけでなく、自分自身の健康を守る力を支える存在でありたいと思っています。セルフケアが特別なものではなく、誰もが自然に実践できる社会を目指して、これからも挑戦を続けていきます。
サステナビリティサイト「Wellness for Good」:
<第一三共ヘルスケアについて>
第一三共ヘルスケアは、OTC医薬品領域におけるリーディングカンパニーとしての強みを基盤に、機能性スキンケア・オーラルケア・食品分野へと事業領域を拡大し、生活者の健やかな人生に寄り添うトータルヘルスケア企業として成長を続けています。
私たちの理念を体現するコーポレートスローガン「Fit for Youひとりひとりの健やかな人生のライフパートナー」を掲げ、誰もが安心してセルフケア・セルフメディケーションに取り組める社会の実現に貢献してまいります。