【前編】世界各国の参加者と学んだ、チューリッヒ大学サマースクール参加レポート

2026.10.21 10:00
チューリッヒ大学ブロックチェーンセンターのサマースクールへ参加
株式会社テクノクレアは、チューリッヒ大学ブロックチェーンセンターが主催するサマースクール「Deep Dive into Blockchain 2026」へスポンサーとして協賛しました。また、当社から社員1名が参加し、世界各国の参加者とともにブロックチェーンについて学びました。
本記事では前編として、サマースクールの概要や現地での学びや参加者との交流についてレポートします。


当社は、DX・AIコンサルティングを起点とし、Webアプリケーション開発、スマートフォンアプリケーション開発、AI・ブロックチェーン・デジタルツインなどを手がけています。今回の参加は、社員がブロックチェーンの理論と実践を学ぶとともに、現地の教育・研究現場に触れる機会となりました。
「Deep Dive into Blockchain 2026」とは
「Deep Dive into Blockchain 2026」は、チューリッヒ大学ブロックチェーンセンターが主催するサマースクールです。3週間にわたる集中プログラムで、当社社員も世界各国の参加者とともに学びました。


ブロックチェーンとは、取引などの情報を複数のコンピューターで共有・管理する技術です。記録を後から改ざんすることが難しいという特徴があり、暗号資産だけでなく、金融や契約管理など幅広い分野での活用が進められています。


講義では、Bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)といった代表的なブロックチェーンの仕組みをはじめ、取引処理を効率化する技術や、デジタル通貨、参加者同士で組織を運営する仕組みなど、幅広いテーマを学びました。


理論を学ぶだけでなく、実際に手を動かして確かめられるのも、このプログラムの特徴です。ブロックチェーンのネットワークを支えるコンピューターの設定や、実際のシステムを使った操作演習などにも取り組み、講義で学んだ知識を実践を通じて深めました。
「公平」は一つではない──DAOの仕組みを学ぶ体験型実習
参加した社員の印象に強く残ったのが、DAO(分散型自律組織)の仕組みを体験する実習です。DAOとは、特定の管理者だけで物事を決めるのではなく、参加者同士があらかじめ定められたルールに基づいて意思決定を行う組織や仕組みのことです。


今回の実習では、100人以上の参加者が、デジタル上で価値を表す「演習用トークン」を出し合い、それをどのように分配するか、投票で決めるゲームを体験しました。全員で均等に分けるのか、多く出した人が多く受け取るのか。自ら投票に参加するなかで得た気づきを、社員は次のように振り返っています。


<参加社員のコメント>
何を「公平」と考えるかは人によって違うのだと気づかされました。ただ話を聞くだけでなく、自分で手を動かして参加できたことで、記憶に強く残る学びになりました。
多国籍チームで考えた、ステーブルコインによる給与支払い
プログラム終盤のグループプロジェクトでは、各国の参加者とともに、雇用主があらかじめ賃金を預けておき、勤怠が確認されると働いた分が自動で支払われる仕組みを開発しました。


設計を進めるなかで浮かび上がったのが、「そもそも給与をステーブルコイン(デジタル通貨の一種)で支払うことは、法律上認められるのか」という論点でした。


各国の参加者が自国の規制に関する情報を持ち寄るなかで、議論の焦点となったのは、給与支払いをめぐる制度や条件の違いです。チームでは、こうした制度上の論点も議論しながら、給与支払いの仕組みを開発しました。


同じ仕組みを作ろうとしても、国によって法律や制度は異なります。技術的に実現できる仕組みであっても、実際に社会で活用するには、各国の法律や制度を踏まえた設計が欠かせないことを実感しました。
現地の学び方から受けた刺激
現地での学び方も、参加した社員にとって大きな刺激となりました。特に印象に残ったのは、「まず動かしてみる」という姿勢です。普段の実務で仕様やテスト設計を丁寧に固める進め方とは異なり、まず試し、動かしながら理解を深める場面に触れました。


学生が教授に率直に質問し、時には反論しながら対等に議論する様子や、プログラムのコードや技術的な知識を積極的に共有し合う姿勢も印象的でした。年齢や立場に関係なく意見を交わせるフラットな環境での経験について、社員はこう語っています。


<参加社員のコメント>
日本の丁寧さ・正確さという強みを大事にしながらも、この試行の速さ・オープンさには学ぶところが多いと感じました。
言葉や文化の壁を越えた交流
専門用語が飛び交う英語の講義についていくのは、簡単ではありませんでした。そこで、事前に配布された事前学習用の資料リストを読み、要点をつかんでから臨むことで、内容についていきやすくなりました。


また、言葉の壁を越える助けになったのが、講義外での交流です。ウェルカムイベントやBBQ、街を巡る市内観光などに参加し、専門用語に頼らず打ち解けたことが、講義中の会話のしやすさにもつながりました。
まとめ──技術だけでなく、視野を広げる学びに
今回のサマースクールは、ブロックチェーンの技術的な知識に加え、制度や価値観の違いに目を向ける機会となりました。DAOの投票体験、多国籍チームでの開発、立場を越えた議論。参加した社員にとって、技術面だけでなく、視野の面でも大きな刺激となった経験です。


現地で得た学びを、今後どのように社内や事業へ還元していくのか。後編の記事では、その展望をご紹介します。

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