株式会社かたちとことばデザイン舎
一級建築士が既存ビルを再生。地域に開かれた「シェアキッチン」を併設し交流の場に
株式会社かたちとことばデザイン舎(所在地:徳島県名東郡佐那河内村、代表:高橋広樹)は、2026年10月8日(木)、徳島市大道に「TO。hotel(トマルホテル)」をグランドオープンいたします。徳島市・眉山の麓にある3階建ての既存ビルを一級建築士が再生し、男女別専用フロアのキャビンと個室、地域の本・アートや食に触れられる共用ラウンジを設けました。シェアキッチンは地域の飲食店やシェフも利用でき、宿泊客には旅の朝をやさしく満たす特製モーニングを提供します。旅人と地域の人が心地よく混じり合う空間を創り、ここで過ごす時間を通じて「徳島のまちの日常にトマル」体験を提案します。
※当社調べ(WEB調査)。2026年10月時点、徳島県内の宿泊施設における「男女それぞれの専用フロアにキャビン型客室を設けた宿泊施設」として
「TO。hotel(トマルホテル)」開業の背景
「TO。hotel(トマルホテル)」は、設計から運営まで、地元・徳島で活動する一級建築士事務所である株式会社かたちとことばデザイン舎が担っています。代表の高橋は大学で都市計画やまちづくりを学び、10年前に県外から徳島に移住してきました。教育にも強い関心を持ち、学生スタジオの運営や徳島大学非常勤講師として教えることを通して、まちづくりと建築設計・デザインをつなぐ活動に取り組んでまいりました。
自身がさまざまな地を旅し、その土地の人たちから多くのことを学んできた経験から、教育の本質は「まちで学ぶ」ことだと考え、人々が混じり合い交流できる「ホテル」を作りたいと思うようになりました。同時に建築士として「使われていない建物を街の資産としてどうにかしたい」という課題意識もあり、2023年に地域の空きビルを購入しました。
施工前のビルの様子
購入時すでに築60年以上で、解体途中で諦めてしまった廃ビル状態でした。全面改修にはかなりの時間と資金を要することは明らかでしたが、眉山の麓にある寺社や住宅街とディープな飲み屋が集まる歓楽街のちょうど間にあり「日常と非日常が混じり合う交差点」として最適な立地と、縦にも奥にも細長くコンパクトな構造、そして眉山が見渡せる小さな屋上に魅力を感じました。作り上げていくプロセスを教え子である学生たちの実践の場としても活用しながら、今夏ようやく準備が整いお披露目することができました。約2ヶ月のプレオープン期間を経てこのたびグランドオープンいたします。
四国全土でも、カプセル・キャビン型宿泊施設というとまだ男性向けの施設が多く、女性が安心して泊まれるところは限られています。徳島県内で男女別専用フロアを備えたキャビンホテルとしては初めてで、若い世代や女性でも気軽に泊まりやすい宿として、幅広い層にとって新しい選択肢になればと考えています。建築家やアーティストのタマゴはもちろん、地域の文化・食・人との交流などそれぞれの目的をもった人が訪れ、ただ観光名所を巡って寝るだけではない、ここでの滞在から何かが生まれる新しい空間体験を届けてまいります。
■一級建築士が手がけた「素に戻れる」空間設計
客室スペースは、光の入り方や素材の質感を徹底的に追求し、無駄な装飾やノイズを削ぎ落とした「素の空間」として設計しました。身体感覚にもっともフィットする「巣箱」であり、何もない白いキャンバスという意味での「素箱」でもあるのがトマルホテルが提案するキャビンです。従来カプセルより1.5倍ほど広く、何もない空間で素の自分に意識を向け、クリアになった思考で旅の記録をしたり、物思いにふけったり、読書やデザインワークに没頭したりすることができます。情報や刺激があふれる現代の日常から離れ、自分自身を静かに「整える」滞在を、空間プロデュースを通じてお届けします。
【ツインルーム -futari-】
各階1部屋ずつツインルームがございます。ベッド2台にミニキッチンを備え、コーヒーを淹れたりちょっとした軽食を味わったりもできる個室です。大切な方とのふたり旅や、あるいは贅沢なひとり旅に。
料金:一泊 14,000円~ / 室 (定員:1~2名様)
【スタンダードキャビン -subako-】
上下二段組のスタンダードキャビンが男性フロアに9室、女性フロアに11室ございます。木枠のあたたかみを感じるキャビンには充電用コンセントも備え、プライベートなこもり空間としてお過ごしいただけます。
料金:一泊 5,500円~ / 人 (定員:各1名様)
【スーペリアキャビン -hikari-】
同じキャビンエリア内に、男性フロアに2室、女性フロアに1室の少し贅沢なスーペリアキャビンがございます。二段組キャビンから切り離された天井の高い空間で、小窓からやわらかい光が差し込みます。より一層プライベート感のある箱の中で心地よいひとときをお過ごしいただけます。
料金:一泊 6,000円~ / 人 (定員:各1名様)
スーペリアキャビン -hikari-
1階は宿泊客と地域の人が交わるシェアラウンジになっています。入口付近には、徳島を拠点に活動するクリエイターやアーティストの作品や写真、デザイン関連の本などを展示する「まちのシェアギャラリー」機能を備えています。本や展示写真はラウンジ内だけでなく、部屋に持ち込んで楽しむことも可能です。手前にシェアキッチンとカウンター席があり、奥に行くほどスペースが広がりテーブル席がある構造になっているため、交流したい人も自分の作業に向き合いたい人も共存しやすい空間設計になっています。
プロ仕様のキッチンを入れているため、地域の飲食店の人やシェフが料理をふるまうこともでき、今後は食をきっかけにした交流イベントや料理教室も開催していきたいと考えています。
「その土地にあるべき形をつくる」──街の風景に寄与する空間設計へのこだわり
1階の設計は、特にまちとの繋がりを意識しました。トマルホテルのビルは交差点付近にあり、大きく取った窓が交差点に対して斜めにひらくようになっています。交差点を行き交う人々はラウンジを覗くことができ、逆にラウンジ内からは交差点の様子を広く見ることができます。都市計画やまちづくりに向き合ってきた当社では、ただ自分たちが作りたいものを設計するのではなく、土地や街が本来もつポテンシャルをどう引き出すかを意識した設計を心がけています。このホテルが街の風景にどう寄与するか考えたときにベストな形だったのが、1階を斜めに区切る大胆な設計でした。
2Fの個室も、階段を避けて最大限スペースを取ろうとすると角張った部屋になるところ、ギリギリの寸法でアール(曲線)をつけてやわらかさのある構造に仕上げました。狭い空間を逆手に取り、すれ違うときに譲り合いやコミュニケーションが生まれるように通路幅や洗面・シャワースペースの配置を工夫しました。ツインルームの床材には素足でも心地よい徳島杉を使い、1本だけ地域の伝統工芸である藍染の杉板をアクセントとして忍ばせるなど、地域らしさを感じられる遊び心も取り入れています。元々あるものを活かし、この土地のよさや地域の魅力と向き合いながら、私たちらしい空間づくりを心がけました。
地の食材を取り入れた「特製モーニング」でローカル体験
トマルホテルが特に力を入れるサービスが「朝ごはん」です。朝食はオプションではなく宿泊費に含まれており、地元徳島の食材を取り入れた身体にやさしい特製モーニングをすべての宿泊客にご提供いたします。食材は主に徳島市近隣から調達し、阿波番茶仕込みの鶏ハムやすだち、佐那河内や神山産の地野菜、徳島市内のパン屋さんのベーグルなどを使い、旬に合わせた手作り朝ごはんを地域のおすそわけ感覚でお出しします。
建築士であるオーナー自身、朝は誰かに作ってもらったごはんを食べ、ゆっくり思考したり1日の過ごし方を考えたりする時間を大切にしています。しかし農林水産省の食育情報(*1)によると、若い世代の朝食欠食割合は約25%~30%台で推移し、全世代の中で20代~30代の欠食率が最も高いとされています。夜遅い食事や深夜のスマホ利用、睡眠不足などが原因とされていますが、特に都市部の若い人ほど朝食を食べなくなっているのではと懸念しています。観光であれビジネスであれ、せっかく徳島の地を訪れてくれたからには地域のやわらかさを感じられる朝ごはんを出したいと、このサービスを導入しました。高級ホテルのような豪華な食ではなく、街の人のお腹を満たすための“モーニング”として、地域の人に個人的に作ってもらうような感覚でご提供いたします。メニューは季節によって変わり、ときには地域のシェフがスペシャルモーニングを作ってくれたり、地域の人がふらっと泊まりに来たりすることも。何度来ても楽しめる地域の味覚をお楽しみください。
(*1)農林水産省「 若い世代における食生活の現状」より
「TO。hotel(トマルホテル)」の名称とロゴについて
「TO。(トマル)」という名前には、たくさんの意味を込めました。日本語の「泊まる」「止まる」「留まる」。そして英語で「~しすぎる」の意味をもつ「too」ともかけています。忙しい日常の中でふと足を止めて立ち止まり、少しの間ここに留まり、自分を見つめ直す時間であってほしい。そしてちょっとやりすぎなくらい、ここで混ざり合う人たちに向き合いたい。アルファベットのOは上から、日本語の句点の「。(マル)」は下から書くように、「里に入りては里に従う」の精神で、地域の当たり前に寄り添って、暮らすように泊まってほしいという願いを込めています。3階建てのビルをモチーフにした3つの丸に収め、直線と曲線を使った建築士らしいロゴを作りました。
徳島に移住して10年になりますが、「徳島には観光地がない」「何もないイメージ」という声を聞くことがあります。たしかに派手なスポットは多くありませんが、過度に観光地化されていない徳島だからこそ、この街には都市部では味わえない静寂と、手つかずの豊かな自然、そして温かい地の食文化が残っています。「TO。hotel」は、都市の忙しさから離れ、自分の時間を豊かに取り戻せるような「余白」のある空間を目指して作りました。徳島の“日常”のよさを、ぜひ空間を通じて感じに来てください。
施設概要
名称:TO。hotel(トマルホテル)
所在地:徳島県徳島市大道3−46
アクセス:JR徳島駅より徒歩約20分/バス・タクシーで約5分
客室タイプ:
・プライベートツイン(個室):2室
・キャビン(女性:12キャビン/男性:11キャビン)
会社概要
社名:株式会社かたちとことばデザイン舎
代表者名:高橋広樹
所在地:徳島県名東郡佐那河内村上字井開60
資本金:100万円
設立:2019年1月7日