夏井いつきさん10月のエッセイ 季語“葡萄” 【連載「季語に親しむ」】

2026.10.05 05:00
葡萄食ふ一語一語の如くにて
中村草田男
選・文=夏井いつき(俳人・エッセイスト)デラウェアのような赤紫色の小粒ではなく、シャインマスカットのような眩しい新緑色ではなく、巨峰やピオーネのような紫黒色の大粒な葡萄を思う。一粒一粒を丁寧に外し、皮を剝き、口にふくむ。果肉は甘く香り高く、上質な詩のようでもあり、ほどよい酸味は気の利いた警句のようでもある。「如く」の直喩は素朴な感動を匂わせ、最後の「にて…

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