夏井いつきさん9月のエッセイ 季語“稲妻” 【連載「季語に親しむ」】

2026.09.03 06:00
稲妻のゆたかなる夜も寝べきころ
中村汀女
選・文=夏井いつき(俳人・エッセイスト)「稲妻」の「妻」の一字を不思議に思われたことはないだろうか。歳時記の解説には「稲妻は稲の夫(つま)の意」とあり、稲が雷光と交わることで稔(みのる)という言い伝えから生まれた名だという。一日を終え、「寝(ぬ)べき」時間となっているが、夜空では雷光が鮮烈に走り、地上では稲が交尾を待つかのように深々と風にうねっている。…

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