「ワダ、ワダ」プレス席で隣に座っていた中国人記者が、日本代表のセッター・関菜々巳の手からボールが離れる前に、そう呟いた。「ここはワダだろ」と言わんばかりに。中国・天津で開催中のアジア選手権、準々決勝・台湾戦。日本のオポジット・和田由紀子は、立ち上がりからスパイク、サーブで次々に得点を重ね、日本を勢いに乗せた。身長175cmとオポジットとしては小柄で、しかも細身の和田が、滞空時間の長いジャンプから、相手レシーブを吹き飛ばす弾丸スパイクを繰り出すたび、隣の中国人記者はのけぞったり、唸ったり。和田の虜になっていく様子が手に取るようにわかった。(photograph by Volleyball World)