地方を旅行先から「もうひとつの日常」へと変える、ホテルブランド「NAE」を立ち上げ

2026.09.02 18:00
株式会社つぎと
土地に根づく暮らしや営みと、訪れる人を“綯い合わせる”。古民家宿を入口に、地域との新しい関係を育てるホテルブランドへ
株式会社つぎとは、2026年9月8日(火)に新たなホテルブランド「NAE(なえ)」を立ち上げます。
弊社はこれまで、各地に残る古民家を活用しながら、その土地の風土やそこに残る多様な暮らしを未来へつなぐ事業に取り組んできました。
地域には、その土地だからこそ生まれ、長い時間をかけて受け継がれてきた暮らしがあります。古民家、手仕事、食文化、祭、山や川との関わり。それらは一見すると観光資源として分かりやすいものばかりではありません。しかし、土地に滞在し、人と出会い、その日常に少し触れることで、初めて見えてくる豊かさがあります。
「NAE」が目指すのは、そうした地域の暮らしや営みと、訪れる人との間に新しい関係をつくること。
ホテルを単に泊まるための場所ではなく、古民家や地域の暮らしに触れる入口として捉え、旅先だった地域が、何度も訪れたくなる「もうひとつの日常」へと変わっていくきっかけをつくります。
ホテルブランド「NAE」
土地に根づく関係と、ゲストを“綯い合わせる”宿
NAEのブランドコンセプトは、「土地に根づく関係とゲストを綯い合わせる宿」です。
私たちがホテルをつくる地域には、建物だけではなく、そこに暮らす人、手仕事、自然などさまざまな要素が折り重なっています。
それらをホテルの中だけで体験するのではなく、ゲストが実際に町へ出て、人に出会い、地域の日常に触れることで、その土地との関係を少しずつ育てていく。
NAEはホテルと地域を切り離すのではなく、地域そのものを滞在体験の一部として捉えるブランドです。
地域の暮らしを「観光する」のではなく、その時間の中に少し身を置いてみる。
そこで生まれた小さな関係が、旅の後にも残り、「またあの人に会いたい」「またあのお店に行きたい」「今度は違う季節に訪れてみたい」と思う理由になっていく。
NAEは、そんな地域とのつながりをつくっていきます。
「NAE」という名称に込めた想い
「NAE」は、「綯え(なえ)」という言葉から名付けました。
「綯う」とは、藁や糸など複数のものをより合わせ、一本の縄やひもにしていくこと。
土地と人。古くからの暮らしと、現代の生活。地域で暮らす人と、そこを訪れる人。
異なるものがそれぞれの個性を残したまま出会い、ゆるやかにより合わさることで、新しい関係が生まれていく。
その姿を「綯う」という言葉に重ねています。
NAEが一方的に地域の魅力を“提供する”のではなく、地域とゲストの間に立ち、双方の関係を少しずつ綯い合わせていく存在でありたい。
その想いをブランド名に込めました。
ロゴマークに込めた想い
NAEのロゴデザインが目指したのは、「ずっとそこにあったようで、新しさを感じる存在」です。
多地域へ展開していくホテルブランドだからこそ、まるで以前からそこにあったかのように、その土地の風景や暮らしの中へ自然に馴染んでいくことを大切にしました。
一方で、過去の意匠をそのまま再現するのではありません。
古くから続く町の佇まいや古民家の記憶に寄り添いながら、現代を暮らす人にとって心地よい新しさを備える。
土地に根を張りながら、新しい関係がそこから伸びていくようなブランドのあり方を、ロゴにも表現しています。
ブランド立ち上げの背景
つぎとのMission
つぎとは、「文化多様性のある世界を未来に継承する」ことをMissionに掲げています。
私たちが守りたいと考えているのは、歴史的な建物の形だけではありません。
その土地の気候や地形に合わせてつくられた家。
地域で育まれてきた食文化。
土地の素材を使う手仕事。
祭りや行事。
人と人との関係。
山、川、森とともにある暮らし。
地域には、それぞれ異なる環境の中で長い時間をかけて育まれてきた、固有の暮らしや営みがあります。
一方で、人口減少や生活様式の変化、経済合理性や効率性の追求によって、こうした地域ごとの違いは少しずつ失われつつあります。
NAEのMission
NAEが掲げるMissionは、「均質・合理化されていない、日本の暮らしや営みの豊かさを守る」こと。
そのために私たちは、古民家を文化財として保存するだけではなく、再び人が使い、泊まり、町を歩き、地域の人と関わるための場所として活用していきます。
古民家は、単なる「日本の伝統建築」ではありません。
そこで営まれてきた暮らしや、土地の素材、仕事、人との関係が表れた、地域の暮らしを伝える装置でもあると私たちは考えています。
ホテルという比較的気軽な入口から、その奥にある地域の暮らしへ。
古民家の空間に泊まり、土地の食を味わい、地域の人と言葉を交わし、手仕事に触れ、町を歩く。
そうした体験によって、観光地として眺めているだけでは分からなかった、その地域ならではの豊かさに気づいてもらう。
そして、一度きりの旅行で終わるのではなく、再び訪れたり、地域のことを気にかけたり、いつか暮らしの拠点の一つとして選んだりする人が増えていく。
その先に、地域の文化や営みを受け継ぐ人が増えていく未来を描いています。
NAEは、つぎとがこれまで各地域で続けてきた古民家活用と地域事業を、ホテルという形でより多くの人へ届けるためのブランドです。
旅行先から、「もうひとつの日常」へ
一般的な旅では、その地域との関係は「訪れる」と「帰る」で完結します。
私たちがNAEを通じてつくりたいのは、その間にある、もっと自由な地域との関わり方です。
移住する必要はない。
毎週訪れる必要もない。
地域の活動に必ず参加しなければならないわけでもない。
けれど、行きたいときには行くことができる。
離れている時間にも、ときどきその町を思い出す。
知っている人やお気に入りの店がある。
地域の出来事を目にすると、少し気になる。
ゲストそれぞれが心地よい形で楽しむことが、地域との大切な関わり方だと私たちは考えています。
日常を捨てて地方へ行くのではなく、いまある日常のとなりに、もうひとつの日常を持つ。
NAEでの滞在をきっかけに、これまで単なる「旅行先」だった地域が、その人の暮らしの中にゆるやかに存在するようになる。
それが、私たちの目指すホテルの姿です。
岐阜県美濃市での取り組み
NAEは、2026年9月8日に「NIPPONIA 美濃商家町」からリブランドする「NAE 美濃」を第一号施設としてスタートします。今後はNAE 美濃を皮切りに、つぎとが運営に関わる各地域の宿泊施設へ順次ブランドを展開していく予定です。
NAE 美濃では、美濃の町に受け継がれてきた暮らしや文化を単に紹介するだけではなく、宿での滞在そのものを通じて感じられるような取り組みを進めています。
その一つが、美濃を代表する伝統文化である美濃和紙です。ユネスコ無形文化遺産に登録された本美濃紙をはじめ、1300年以上の歴史を持つ美濃和紙の産地にあるこの施設では、壁紙として美濃和紙を取り入れるほか、地域の手すき和紙職人と連携した美濃和紙のアートワークを制作。また、施設内には美濃和紙の専門店「Washi-nary」があり、客室の外でも地域の暮らしを体験することができます。
建物の意匠として地域文化を取り入れるだけではなく、その背景にある人や仕事、町との接点までを滞在体験につなげる。NAE 美濃では、こうした取り組みを通じて、ホテルを入口に地域の暮らしへ触れる体験をつくっていきます。
NAEを通じて目指すこと
つぎとはこれまで、古民家の建築設計や、地域資源を活かした不動産開発を中心に事業を行ってきました。
一方で、建物や事業を立ち上げるだけではなく、地域に継続的に関わり、その土地の暮らしや営みを未来へつないでいくためには、自ら運営にも関わる必要があると考えるようになりました。
その考えから生まれたのが、ホテルブランド「NAE」です。
NAEでは、古民家を宿泊施設として活用するだけでなく、ホテルを入口に地域の人や文化、暮らしとゲストとの関係を育て、その土地に関わり続ける人を増やしていくことを目指します。
今後もつぎとは、建築設計やディベロップメント、ホテル運営に加え、Mission・Visionの実現につながる新たなプロダクトを開発していきます。
それぞれの事業を通じて、地域の魅力を知る人、関わる人、そしていつかその営みを支える「担い手」を増やしていくこと。
それが、NAEを含むつぎとの事業全体で目指している未来です。

代表取締役 内田 一平

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