渋谷慶一郎「音楽自体がバイオテクノロジー的」~10 SOUNDS OF LIFE SCIENCE~

2016.06.07 21:00
「10 SOUNDS OF LIFE SCIENCE」は、生命をみつめ、生命に向き合いつづける研究開発型ライフサイエンス企業・協和発酵キリンの取り組みを、10の視点から10のアーティストとともに10の音楽に紡ぐプロジェクト。

音楽家・渋谷慶一郎が挑んだテーマは「バイオテクノロジー」。生物の持つ能力や性質を上手に利用し、人々の生活の向上に貢献する技術の総称だ。協和発酵キリンは、最先端のバイオテクノロジーを駆使して、革新的なバイオ医薬品を創出している。それは、生命を見つめ、生命と向き合う技術、すなわち「LIFE SCIENCE」である。

彼によると、音楽自体がバイオテクノロジー的で、音楽とバイオテクノロジーは似ているところがあるという。技術の進化によって、扱える音の種類が増え、レコーディングしたものを編集でできることの可能性も天井知らずに広がっている。その無限の可能性の中から何を取捨選択していくか。わずかな音の違いに気付く人はほとんどいないかもしれないが、そのわずかな違いにより与えるインパクトや影響や感動が変わるというのが分かる瞬間がある。音楽でも人の感情に作用しているのはミクロなことで、そのわずかな違いに気付けるのは渋谷慶一郎の才能だろう。音楽もバイオテクノロジーもうまく活用してこそ、きちんと人に作用するのだ。

渋谷慶一郎が「バイオテクノロジー」というテーマから紡ぎ出した楽曲のタイトルは「Heavenly Puss Ver.01」。「音楽を作るのが好き。呼吸するようなものだし、一番幸せな時間」と話す彼が、パリという街でインスピレーションを受けながら制作した。ミクロな細胞が重なり合うように、複雑な音の組み合わせが無限に広がるイメージを連想させる。サイトでは楽曲のストリーミング再生とパリのアトリエで収録されたインタビュー映像が楽しめる。