JEMAPUR「ミクロとマクロを同時に行き来しながら作っていく」~10 SOUNDS OF LIFE SCIENCE~

2016.05.29 20:00
「10 SOUNDS OF LIFE SCIENCE」は、生命をみつめ、生命に向き合いつづける研究開発型ライフサイエンス企業・協和発酵キリンの取り組みを、10の視点から10のアーティストとともに10の音楽に紡ぐプロジェクト。

電子音楽家「JEMAPUR(ジェマパー)」が挑んだテーマは「生産技術」。協和発酵キリンでは、安全で安心な医薬品を世界の人々にいち早く届けるため、高度に洗練されたバイオ医薬品生産技術と最新鋭の設備を備えた生産現場で、多くのマイスターたちが高品質・高効率な医薬品の生産を行っている。そんな現場を目の当たりにしたJEMAPURは、細胞という「ミクロ」なものを培養して数を増やしていくイメージや、スケールの大きな設備という「マクロ」なものを使って、見ただけでは分からないようないろいろな工程を経て薬を精製していくというプロセスにインスピレーションを得た。目に見えない音を、時間をかけて形をそぎ落とし必要なものを残し、その集合体でダイナミックな音楽を作り上げる。自身の作曲プロセスと同じような工程が工場でも行われていると言う。

「世の中にまだ存在していないことだからこそ、それだけスケールの大きな設備を作ってやる価値がある。具現化していくのは、やったことのないことをやろうとする人たちがいるからこそ。人間が生きる社会や世界っていうのはイメージすることから、さらに新しいものに変わっていける余白しかないんじゃないか」・・・そう語る彼の眼は、音楽の無限の可能性と協和発酵キリンの生産技術から生み出されるものの可能性を信じて疑わない。

JEMAPURが「生産技術」というテーマから紡ぎ出した楽曲のタイトルは「Microprocess」。彼はこの楽曲を工場内でサンプリングした音源から作り出した。一瞬しか存在しない音を引き伸ばし、一つの成分として並び替えて音を作る。そうして普段見えない音を浮かび上がらせる手法で作り上げた楽曲は、音楽の無限の可能性を示している。サイトでは楽曲のストリーミング再生とJEMAPURのインタビュー映像が楽しめる。