フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 企画写真展 動画の原点『アニマル・ロコモーション』「連続写真に取り憑かれた男 エドワード・マイブリッジ」

2025.07.24 10:00
富士フイルム
エドワード・マイブリッジ《ギャロップ;サラブレッドの鹿毛(かげ)の牝馬, アニー・G》                 1884-1885年 撮影 〈アニマル・ロコモーション〉より


2025年10月1日(水)- 12月26日(金)会期中無休
会場 :フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 入館無料 

■ 写真展概要
 フジフイルム スクエア 写真歴史博物館は、富士フイルム株式会社が所蔵する写真コレクションの中から、19世紀に活躍した英国出身の写真家エドワード・マイブリッジが1887年に刊行した写真集『アニマル・ロコモーション(原題:Animal Locomotion)』による写真展を開催いたします。

 エドワード・マイブリッジ(1830-1904)は、今から約150年前、世界で初めて、走る馬の連続写真の撮影を成功させた人物です。映画や動画、アニメーションの先駆者として、視覚芸術の歴史において最も偉大な写真家の一人とされています。1872年、マイブリッジは、実業家で元カリフォルニア州知事のリーランド・スタンフォードから依頼されたことをきっかけに走る馬の撮影実験を始め、1877年、走っている馬が胴体の下に四肢すべてを折りたたみ宙に浮いている一瞬を撮影することに成功。1878年には、疾走する馬の12コマの連続写真の撮影も成功させ、欧米各国で大反響を呼びました。また、1879年には一連の写真を連続的に投映する「ズープラクシスコープ」という装置を発明し、これがトーマス・エジソンに影響を与え、1889年の映写機械「キネトスコープ」の発明につながったとも言われています。

 マイブリッジの『アニマル・ロコモーション(動物の運動)』(1887年)は、動物や人間の動きを詳細に記録した連続写真781組が収められた全11巻におよぶポートフォリオ形式の写真集です。馬のさまざまな歩き方や、犬やラクダといった動物の動き、オウムなどの鳥類の飛翔、さらには人間の運動や日常的な動作まで、マイブリッジは取り憑かれたように連続写真の撮影に心血を注ぎ、写真でありとあらゆる運動の解析を行いました。写真によって動きを止め、その瞬間をつないで生み出されたマイブリッジの連続写真は、時代を超え、動画の原点として、現在も世界中のアニメーターの教科書となっています。

 本展では、富士フイルム株式会社が所蔵する『アニマル・ロコモーション』の連続写真107組の中から、フォトグラヴィア*で制作された21組の作品を厳選して展示いたします。また、同じく当社所蔵の写真に関する貴重書群の中から、マイブリッジ撮影の写真が掲載された『The Horse in Motion(動く馬)』(1882年)や、同時代に活躍し、写真銃**を発明したフランスの生理学者エティエンヌ=ジュール・マレー(1830-1904)の『Le Vol Des Oiseaux(鳥類の飛行)』(1890年)など、本作に関連する希少本もあわせて展示いたします。

 写真によって視覚芸術に革命をもたらしたエドワード・マイブリッジ。動画の原点となった歴史的作品群をどうぞお楽しみください。

*フォトグラヴィア
イギリスの写真発明者の一人であるW. H. フォックス・タルボットが1850年代に原理を考案し、1870年代に実用化された写真印刷技法の一種。写真製版により写真画像を銅板に焼き付け、表面を写真の濃淡に応じた深さに腐食させ、この凹版に印刷インクを塗り込み、紙に圧力をかけて転写する。手作業で一枚一枚、丹念に仕上げられ、版画(エッチング)に近い。日本では「写真版画」とも呼ばれる。画像の階調に独特の深みと奥行きを得られることが特徴で、高品質なフォトグラヴィアはオリジナルの写真に準ずるものとして扱われている。

**写真銃
1882年にマレーが発明した、ライフル銃の形状を模した連続撮影のできる写真機。映画撮影機の原型の一つとされる。動く被写体に狙いを定めて連続的にシャッターを切り、回転する一枚の円形の感光板に12枚の画像を撮影することができた。

■ 開催概要
写真展名:フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 企画写真展
     動画の原点『アニマル・ロコモーション』
     「連続写真に取り憑かれた男 エドワード・マイブリッジ」
開催期間:2025年10月1日(水)- 12月26日(金)会期中無休
     (開館時間:10:00~19:00・最終日16:00まで・入館は終了10分前まで)
     ※ 写真展はやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。ウェブサイト・電話  
      でご確認ください。
会  場:フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
     〒 107-0052 東京都港区赤坂9-7-3(東京ミッドタウン ミッドタウン・ウェスト1F)
     TEL 03-6271-3350(受付時間:平日10:00~18:00)
     URL
     ※ 写真展情報は、開催日の前月から 富士フイルムウェブサイトにて、ご案内しています。
     ※ 祝花はお断りいたします。
入 館 料:無料 ※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入館無料  
         にしております。
作品点数:21組
主  催:富士フイルム株式会社
監  修:高橋則英(日本大学上席研究員、日本写真芸術学会会長)
     鳥海早喜(日本大学芸術学部准教授)
後  援:港区教育委員会
企  画:フォトクラシック

■ 出展者のプロフィール
エドワード・マイブリッジ(1830-1904)
1830年、イギリスのキングストン・アポン・テムズにエドワード・ジェームズ・マガリッジ(Edward James Muggeridge)として生まれる。1851年、単身渡米。ニューヨーク、のちにサンフランシスコを拠点とし、出版関係の仕事を通じて写真に興味を持つようになる。生涯で少なくとも3度の改名を行い、最終的に1881年からエドワード・マイブリッジ(Eadweard Muybridge)と名乗るようになった。1867年頃から写真家の仕事を始め、ヨセミテ渓谷を撮影した写真が評判を呼ぶ。1872年、走る馬を撮影する実験に取り組み始めるが、1874年、妻の愛人を射殺した罪で勾留され、プロジェクトが中断。無罪判決の後、1877年に実験を再開し、同年に走る馬の瞬間撮影に成功。1878年には、走る馬の連続写真の撮影にも成功した。その後、ありとあらゆる運動を連続写真で解析し、1887年、その成果の集大成として写真集『Animal Locomotion』が刊行された。1894年に生まれ故郷に戻り、1904年、74歳で死去。自身が手がけた写真の仕事に関する多くの資料や作品が、出生地にあるキングストン博物館に遺贈された。晩年に刊行された『Animals in Motion(動く動物)』(1899年)と『The Human Figure in Motion(動く人間の姿)』(1901年)は、現在まで100年超にわたって版が重ねられている。

■ 出展作品の一部(予定)
[ 写真使用についてのお願い ]
1.本写真展の告知以外にはご使用にならないでください。 また、使用終了後は、写真データを破棄ください。
2.トリミングはお控えください。 3.クレジット表記がある場合は明記ください。 4.写真の上に文字は載せないでください。

■ フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 について ~ 190年を越える写真の変遷を中心とした展示 ~
貴重なアンティークカメラや富士フイルムの歴代カメラの展示に加え、歴史的に価値のある写真を展示する企画展も定期的に開催しております。写真の文化、カメラの歴史的進化をご覧いただける希少価値の高い博物館です。190年を越える写真文化の変遷をぜひお楽しみください。
写真歴史博物館は、2025年、公益社団法人企業メセナ協議会より、「芸術・文化振興による社会創造活動」として「THIS IS MECENAT 2025」の認定を受けております。

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