次来る！デザイン「サイドカット」スケートボード

GEKKO
両サイドをカットしたデザインのスケートボードが徐々に増えつつある。1990年代に流行したそのデザインの復活を仕掛けたのが「Moonshine Skateboards」（アメリカ）だ。

サイドカット。
サーフショップの老舗Gordon & Smith (G&S)は、1960年代初期からスケートボードの開発を手掛け、様々なシェイプでスケートボードの板（デッキ）を進化させてきた。そのG&Sが、1980年代にシェイプしたのが、デッキの両側面を削るようにカットしたサイドカットのデザイン。オールドスクールのスケートボードの個性化のためのカッティングであったとともに、軽量化やグリップのしやすさといった機能的な効果も狙っていたという。
1990年代になり、現代で主流のポプシクル形状のデッキにもサイドカットが採用されるようになった。特にフリースタイルスケートボードでは、デッキ中央のレール部がやや細くカットされることによって両足でのグリップがよくなるとともに、理論的には半径が小さくなった分、デッキが回転しやすくなるため「オールドキックフリップがやりやすい」と評判になった。しかしながら、フリースタイル用のデッキそのものが下火になるにつれ、サイドカットのデッキも消えていった。

このような流行のサイクルとは無縁に、スケートボードは個性で選ぶものというポリシーを貫いてきたのが、Moonshine Skateboards（アメリカ）。1990年代以降は主流だったストリートタイプのポプシクルをあえて外し、市場から消えつつあったオールドスクールのバーチカル・デッキとコンケープのメロウなフリースタイルスケートボード・デッキをプロデュースし続けてきた。
そのMoonshine Skateboardsが2017年、所属のTony Galeプロの新モデルで、現代スケートボードにサイドカットを復活させたモデルを発表。

Tony Galeモデル（Moonshine Skateboards）

遅れること数年後、北米の、主にフリースタイルスケートボーダーたちもサイドカットに乗り始めた。カナダのオリンピアンAndy Andersonもその一人。2020年代に入ってから、所属のパウエルペラルタからサイドカット、コンケープなしのデッキをプロモデルとして採用している。

Moonshine Skateboardsは昨年、2つ目となるサイドカットのプロモデルをルーマニアの女子チャンピョンCarmen Ionitaのためにプロデュース。Tony Galeプロモデルと同サイズでサイドカットをややマイルドにしたこのモデルは、最初のサイドカットデッキとしてより手に取りやすいかもしれない。

Carmen Ionitaモデル


時代は巡り、スケートボードのデッキのシェイプに個性化の波が押し寄せている。
ポプシクルだけでなく、幅広、スクエアテイル、シングルキック、コンケーブなし等々、自分のスタイルに合わせた好みのデッキを楽しむスケーターが増えている。

そのような流れと実用的なメリットからサイドカットのデッキが注目を浴びるのは、ごく自然なことなのかもしれない。

軽めのサイドカットも


なお、Moonshine Skateboardsのようなコンケープなしのモデルを使用する場合、オーリーを多用するパワフルライダーには着地における典型的なトラックベース際に掛かる衝撃的なGから板を守るため、Andy Andersonが採用しているようにレールガードの装着がおすすめ。

G-rail


スケートショップGEKKOでは、薄さと軽さを重視したレールガード「G-rail」（1100円/税込）を全7色、発売している。

●スケートショップGEKKO
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