ローマのハイジュエラー、ブルガリ。その色彩を操る唯一無二の手腕に光を当てる「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」展は、在日イタリア大使館の後援のもとに開催され、日本におけるブルガリの展覧会としては10年ぶり、過去最大のスケールとなります。
《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》
ゴールド、アメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド
(1969年頃、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
「美しい(カロス)」「形態(エイドス)」を意味するギリシャ語にちなんだ展覧会タイトル「カレイドス」は、美と創造性が調和した、ダイナミックで変化し続ける色彩世界の旅を象徴しています。ブルガリ・ヘリテージ・コレクションと貴重な個人コレクションから選び抜かれた色彩のマスターピースというべき約350点のジュエリーは、メゾンの始まりから現在までを跡付けつつ、イタリアと日本の深いつながりを浮き彫りにし、アートとデザインに対する両国共通の情熱や豊かな文化遺産を称えます。また、3名の現代の女性アーティスト、森万里子、ララ・ファヴァレット、中山晃子が、それぞれ色彩についての考察に基づく作品を展示します。
《ペンダントイヤリング》
ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド
(1968年、リン・レブソン旧蔵、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
ハイジュエリー、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションのクリエーション、現代アート、ブルガリ・ヒストリカル・アーカイブからの貴重な資料、そして没入型のインスタレーションが取り混ぜられた「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」は、さまざまな創造性と心を揺さぶる体験からなる万華鏡のような展覧会です。映像、インタラクティブな空間、芸術的な対話がブルガリの色彩の世界に命を吹き込む多面的な旅を通して、宝石と貴金属を自在に操るメゾンの卓越した技量を堪能できます。
色彩の革命
ブルガリは、真に色彩豊かなジュエリーの傑作を創出したことによって、色彩を独自の芸術形式へと変容させた唯一のハイジュエラーといえます。メゾンの歴史は、色鮮やかな宝石の大胆な使用と深く結びついており、それは今日でもブルガリのハイジュエリーの最も重要なインスピレーションの源となっています。創業者ソティリオ・ブルガリが手がけた初期の銀細工は色彩への強い関心を示唆していましたが、真の革命は20世紀に起こりました。1900年代初頭には、伝統的なハイジュエリーは色味を限定した因習的な配色で、プラチナを用いた単色のデザインが好まれており、第二次世界大戦後に、イタリアが色彩の変革の中心地となりました。
《ブレスレット》
ゴールド、プラチナ、シトリン、ダイヤモンド
(1940年頃、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
1950年代、ブルガリは、イエローゴールドにセットされたサファイア、ルビー、エメラルドとダイヤモンドとの大胆なコンビネーションを開拓しました。また、かつては半貴石とみなされていたアメシスト、シトリン、ターコイズなども取り入れ、それらの鮮やかな色調と美の可能性を評価し、ブルガリのシグネチャーであるカボションカットを通じてそれらの色彩の強さを表現したのです。色彩に対するこの大胆不敵なアプローチはブルガリ・スタイルの特徴となり、メゾンの「色石の魔術師」としての名声を確固たるものにしました。
《バングル》
ゴールド、プラチナ、ルビー、サファイア、ダイヤモンド
(1954年、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
本展覧会では、ブルガリの色彩の革命を3章に分けてたどります。第1章では、1940年頃に制作された重要なシトリンのブレスレット、サファイア、ルビー、ダイヤモンドを大胆にあしらったバングル、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンドを組み合わせたネックレスとイヤリングのセットなどを見どころとしながら、色彩の効果に対する科学的なアプローチを紹介します。
《「ビブ」ネックレス》
ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド
(1968年、リン・レブソン旧蔵、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
第2章では、色彩の文化的・象徴的側面に焦点を当て、エナメル加工を施した3点の「セルペンティ」のネックレス、希少なジェイドのジュエリー、そしてダイヤモンドと7つの貴重なエメラルドをあしらったネックレスの傑作「セブン・ワンダーズ」などを展示します。
《「セルペンティ」ネックレス》
ゴールド、ホワイトエナメル、ルビー
(1970年頃、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
最後の第3章では、とくにシルバーやゴールドのような金属における色を知覚する際に光が果たす役割を明らかにします。この章では、希少なファンシーカラーダイヤモンドのジュエリーやパールをあしらった作品も紹介します。そして最後に、まるで色彩の花火のような傑作である、ゴールドにアメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンドをあしらった1969年制作のソートワールを見ることができます。
《「セルペンティ」イブニングバッグ》
ゴールド、シルクコード、ダイヤモンド
(1978年頃、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
色彩のアート
色彩は長きにわたり、芸術における最も強力なインスピレーションのひとつであり、画家、彫刻家、ジュエラーや職人たちは感情を伝えたり世界を表現したりするために、色彩を用いてきました。本展覧会では、ジュエリーに影響を与えるだけでなく、さまざまな分野のアーティストとも関わってきたブルガリの大胆で色彩豊かなデザインを通して、ハイジュエリーとファインアートに共有される色彩への情熱に光を当てます。本展には3名の現代の女性アーティスト、森万里子、ララ・ファヴァレット、中山晃子が招待され、独自の作品が制作されます。森万里子とララ・ファヴァレットは色彩をテーマとして瞑想的に変化する作品を創り出し、新鮮な視点を与えてくれる一方で、最後に展示される中山晃子の作品は色鮮やかな万華鏡のようなタッチで、色彩の旅を締めくくります。
《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》
ゴールド、アメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド
(1969年頃、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
芸術の道、イタリアと日本の出会い
本展覧会の会場デザインは、ブルガリと、日本の建築家ユニット「SANAA」の建築家である妹島和世、イタリアのデザインユニット「フォルマファンタズマ」が協働して手がけます。古代ローマの皇帝カラカラが造営した浴場のモザイク画のパターンに着想を得たデザインコンセプトは、曲線的なフォルム、洗練された半透明の素材、色彩の効果を通してブルガリの文化的ヘリテージを反映し、訪れる人々を色彩の世界を巡る感覚の旅へと導きます。また、フォルマファンタズマは、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションの数々のマスターピースのために、特別な独立型の展示ケースをデザインします。ローマをルーツとするメゾンのアイデンティティとエレガントな日本の美意識をシームレスに融合させた、ブルガリのクリエイティビティの真髄に迫る芸術の道がここに開かれます。
本展覧会では、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションから出品される2点の特別な作品の展示により幕を開けます。ひとつは、イエローゴールドにラピスラズリ、オニキス、ダイヤモンドをあしらった、古代ローマ神殿のファサードの形をした《「テンプル」ペーパーウェイト》、もうひとつは、イエローゴールドにマザーオブパール、多色のエナメル、ダイヤモンドをあしらった円形の《「富士山」ブローチ》です。調和を奏でるこれら2点の作品は、両国に共通する職人技の探求、ディテールへのこだわり、そして美に対する永遠の愛を象徴しています。
《「テンプル」ペーパーウェイト》
ゴールド、ラピスラズリ、オニキス、ダイヤモンド
(1977年頃、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
《「富士山」ブローチ》
ゴールド、マザーオブパール、ポリクロームエナメル、ダイヤモンド
(1972年頃、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション)
Courtesy of BVLGARI
開催概要
展覧会名:「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」
会期:2025年9月17日(水) ~ 2025年12月15日(月)
休館日:毎週火曜日 *ただし9月23日(火・祝)は開館、9月24日(水)は休館
開館時間:10:00~18:00 毎週金・土曜日は20:00まで *入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
主催:国立新美術館、ブルガリ
後援:在日イタリア大使館
観覧料:一般2,300円 大学生1,000円 高校生500円(すべて税込)
*中学生以下は入場無料
*障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料
*チケット情報は後日ホームページ等でお知らせします。
アクセス:・東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
・東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
・都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
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お問い合わせ:
050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会ホームページ: https://www.bulgari.com/ja-jp/stories/kaleidos-exhibition
美術館ホームページ: https://www.nact.jp