25年ぶりのスクエア型新コレクションを発表　パテック フィリップ「CUBITUS」

時計愛好家なら誰もが“1本は手に入れたい”と憧れるのがパテック フィリップ。スイス時計の頂点に君臨する名門メーカーの創業は1839年。以来180年以上にわたり、卓越した職人技が生み出す“世代を超えて受け継ぐ価値のある時計”を世に送り出してきた。

その魅力の核心は、自社工房でゼロから設計・開発・製造されるムーブメント。小さな歯車の1歯1歯まで丁寧に磨き上げられ、“精密機械の宝石”と称される。シンプルな3針モデルから、100年間カレンダー修正不要の「パーペチュアル・カレンダー」、地球の重力による誤差を軽減する「トゥールビヨン」、時刻を美しい音で知らせる「ミニット・リピーター」など、多種多様な機構を誇る。
さらに、複数の複雑機構を搭載したグランド・コンプリケーション（超複雑時計）まで、時代を先駆けるメカニズムを備えたモデルが揃う。加えて、「ひと目でパテック フィリップとわかる」アイコニックなデザインも大きな魅力だ。

そんな同社が2024年秋に発表し、世界を驚かせたのが、25年ぶりの新コレクション「CUBITUS（キュビタス）」だ。辞書を引くと「CUBITUS」はラテン語で「肘」という意味だが、スクエア（四角形）型ケースが最大の特徴であることから、「CUBIC（立方体）」に由来するネーミングと考えられる。
「若い頃から、スクエア型ケースの時計をコレクションに加えたいと考えていました。そのために、美しいスクエア型の時計を創らなければならないと常に思ってきました。しかし、時計の約85％はラウンド（円形）型ケースです。スクエア型で新しい形を見出すことは簡単ではありません。もちろん、パテック フィリップのDNAをすべて備えていなければならない。また、個人的には薄型であることが絶対条件でした」。パテック フィリップ社長のティエリー・スターン氏は、このモデルに自身の熱い想いが込められていると語る。

スクエア型はラウンド型とは異なる美学を持ち、幾何学的に完成されたフォルムのひとつだ。コレクションの第1弾として発表されたのは、シンプルなデイト付き3針タイプ2モデル、そして新開発のビッグデイト、曜日、ムーンフェイズ、スモールセコンド表示を備えたコンプリケーションモデルの計3モデル。どれも、ブルーまたはグリーンのソレイユ仕上げの水平エンボス・パターン文字盤に、ゴールド製バトン型の植字アワーマーカーを配したシンプルなデザインが特徴。そして3モデルとも、サファイヤクリスタル・バックのケース裏から、美しい機械式ムーブメントの姿を堪能できる。
端正な佇まいの中に、スポーツモデルに通じるアクティブなテイストを秘めた“パテック フィリップの新境地”。これは見逃せない1本だ。

PATEK PHILIPPE ／ パテック フィリップ
キュビタス
Ref.5821/1A（3針、デイト表示／SSケース＆ブレスレット） 653万円（税込）
Ref.5821/1AR（3針、デイト表示／SS・ローズゴールドケース＆ブレスレット） 970万円（税込）
Ref.5822P（ビッグデイト、指針式曜日、ムーンフェイズ、スモールセコンド表示／プラチナケース＆コンポジット素材・ファブリック柄ストラップ） 1399万円（税込）SPECケース径：45㎜（10～4時位置）ケース厚：3針モデル 8.3㎜、コンプリケーションモデル 9.6㎜、防水性能：3気圧防水お問い合わせ先パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL : :03-3255-8159
Text : Yasuhito Shibuya