【ダニエル・ロート】2024年度ジュネーブ時計グランプリで「トゥールビヨン」部門の賞を受賞

2024.11.19 16:37
ルイ・ヴィトン ジャパン株式会社
2024年11月13日、ジュネーヴのテアトル・デュ・レマンで開催された第24回ジュネーブ時計グランプリの授賞式において、「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」が「トゥールビヨン」部門の栄誉ある賞を受賞しました。
来歴

ダニエル・ロートの復活のはじまりを示す、「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」。これは、同ブランドの1988年のオリジナル・トゥールビヨンウォッチへの細部までこだわり抜いたオマージュであり、今回、ウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」によって再解釈された画期的なウォッチです。

35年を経た現在も、一目で同ブランドのシグネチャーであると分かるダブルエリプスケースは、円と四角を組み合わせた独創的なデザインでありながらも、機械的な考慮に根差しています。このケースは、ダイアルを中心からずれた位置に収める一方、1分間に1回転するトゥールビヨンを際立たせることで、トゥールビヨンにとって最適なキャンバスの役目を果たしています。

ブランドと同名の才能あるウォッチメーカーによって1988年に設立されたダニエル・ロートは、独立系ウォッチメイキングの先駆者でした。このジャンルが歴史的に重要なものと認識される以前から、独立系ウォッチメイキングはダニエル・ロートによって定義され、伝統的なクラフツマンシップを表現する高度な複雑機構を開発することによって、次世代のウォッチメーカーのための道を照らしました。自身のブランドを立ち上げる前に、ダニエル・ロートはブレゲの復興に尽力。ロートがブレゲで最後に完成させた最も重要なプロジェクトは、同ブランド初のトゥールビヨンウォッチでした。それにより、歴史あるエレガントなシンメトリーを備えた彼自身のブランドの最初のクリエーションは、1988年のダブルフェイスのトゥールビヨン(ref. 2187 / C187)となりました。おそらく当時のハイウォッチメイキングを代表する複雑機構だったこのトゥールビヨンは、とりわけ腕時計において類い稀なメカニズムでした。トゥールビヨンでデビューを果たすことによって、歴史を刻んだダニエル・ロート。しかし、複雑機構以上に重要だったのは、ダニエル・ロート独自の美学でした。ブランドのデザインコードは間違いなく伝統的なハイウォッチメイキングに敬意を表するものであったとはいえ、その外観はダブルエリプスと呼ばれる独創的なケースデザインゆえに、ユニークなものとなりました。
復活

ブランド創設から35年後、またしてもトゥールビヨンで再デビューを果たしたダニエル・ロート。1988年のオリジナル・デザインにオマージュを捧げる「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」には、数十年以上にもわたって変わらぬダニエル・ロートブランドの価値観が結集されています。

1988年当時と同じくブランドのアプローチは、最高のウォッチメーカーや組立てメーカー、専門サプライヤーの技能を生かしながら、アルチザン的なタイムピースを製作するというもの。「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」の有能な職人の少数精鋭チームは、創業以来のブランドのモットーである「芸術品としてのウォッチ」(La Montre Objet d’Art)を堅持しながら、ダニエル・ロートの伝統を継承していきます。

本エディション限定の金属であるイエローゴールドで仕上げられた「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」のケースがダブルエリプスであるのは言うまでもありません。「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」のエレガンスを最大限に引き出すため、前面はシングルフェイスのみとなっており、わずか9.2 mmのケース高を実現。

ダブルエリプスケースはオリジナルのプロポーションを踏襲していますが、微細な改良が施されました。ラグはケースの中央に手作業で丁寧にはんだ付けされていますが、エレガントな下向きのアーチを描くよう形が若干改められて、アイコニックなケースの人間工学設計が改良されています。
ケースと同様、ダイアルもブランドの歴史を讃えながらも、優美な洗練さが加えられています。ソリッドなイエローゴールドのプレートから作られたダイアルには、オリジナルと同じように、クル・ド・パリ ギョーシェ模様があしらわれています。

ダニエル・ロートの先駆的アプローチによって実現した産業である現代の独立系ウォッチメイキングに敬意を表したダイアルは、今日の独立系ウォッチメーカーを代表する1人であるカリ・ヴティライネンの山頂のアトリエで製作。ダイアルはオリジナルと同様のマーキングを踏襲していますが、タイポグラフィーを簡素化して、コンテンポラリーな洗練さを演出しています。

ダイアルの下には、ダニエル・ロートのためだけに開発された自社製のキャリバーDR001を搭載。DR001は、ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニが設立したウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」で完全に製造されます。両者はマスターウォッチメーカーであり、ダニエル・ロートのタイムピースの製造を自ら監修。「ダニエル・ロートに対する私たちのビジョンは、同ブランドの歴史を尊重しながら、エンリコと私自身がキャリアの中で積み重ねてきたコンセプトやサヴォアフェール(匠の技)の一部も活用すること」とミシェル・ナバスは語ります。

「ブランドの由来とその礎となったタイムピースのクラフツマンシップを尊重することは、私たちにとって特に重要。互いに、ダニエルの長年の友人だから」とエンリコ・バルバシーニは付け加えます。「現代の独立系ウォッチメイキングの先駆けとなった業界の重要人物としてダニエルを尊敬する者は多い」。

ブランドの歴史に対するこの敬意は、「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」のために特別に開発された自社製ムーブメントであるDR001に表現されています。このアプローチは、今後すべてのダニエル・ロート ムーブメントにも同様に適用されるでしょう。ダニエル・ロートのケースにシームレスにフィットするよう入念に作られたDR001は、ダブルエリプスの形をした非円形ムーブメントに。円形ムーブメントが業界の常識であることを想えば、並々ならぬ離れ業です。
ブランドのアルチザン的ルーツの尊重は、DR001の装飾にも同じく見てとれます。このムーブメントは、鏡面仕上げを施したネジ頭にいたるまで、すべて手作業で仕上げられています。装飾が施された部品には、トゥールビヨンを駆動する歯車用のブラックの艶出し加工をしたブリッジや鏡面仕上げを施した巻上げ爪も。

細心の注意はムーブメントの外観だけでなく、実用性にも払われています。DR001は手巻きであり、週末にわたって動き続けるのに充分以上の80時間のパワーリザーブを発揮します。

クラシカルな構造と贅沢な装飾にも関わらず、DR001はその偉業を誇示しません。このムーブメントは、各ウォッチの個別番号が刻印されたソリッドバックの裏に隠されており、同様の彫刻を施したソリッドバックを装備するダニエル・ロートの初期のタイムピースへのオマージュです。このことは、品質は見えなくても分かるという、当時も今も変わらぬシンプルな事実を反映しています。
トゥールビヨン

DR001の要をなすのは、トゥールビヨンレギュレーター。オリジナルの独特なスタイルを再現するために考案されたこのトゥールビヨンは、1分間に1回転して、秒針の機能を果たします。その結果、トゥールビヨンケージには、ダイアル上の3段式の秒目盛りと合わせて読み取られる、ヒートブルー加工を施した3本アーム構成の秒針が付いています。これは、オリジナルのダニエル・ロートのすべてのトゥールビヨンウォッチで採用されている一風変わったディテールです。

1988年のオリジナルと同様、トゥールビヨンには、持ち主だけにしか分からないディテールが施されています。秒針の各アームは秒目盛りの各セクションに合わせた、異なる長さになっているため、秒針の一番長いアームが通り抜けられるようにするには、ケースの内壁に小さな溝が欠かせません。
ケースとダイアルに見られる控えめな洗練性の哲学を継承するこのトゥールビヨンには、さりげない改良が施されています。コート・ド・ジュネーヴで装飾されたプレートで両側が縁取られる一方、トゥールビヨンの下方のプレートは細かく艶消し加工されているのです。

スースクリプション

わずか20本限定の「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」は、コンセプトや出来映えだけでなく、入手方法も1988年のオリジナルを踏襲し、スースクリプション方式で販売。すなわち、ダニエル・ロートの顧客は、注文確認時に前受金を添えて予約申込みを行い、2024年初頭の納品時に残額を支払うことに。「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」は、厳選された販売店のみで取扱われました。

1988年の初代ダニエル・ロート トゥールビヨンが以後のバリエーションやさらなる複雑機構を生み出したのと同様、「ダニエル・ロート トゥールビヨン スースクリプション」は、ダニエル・ロート復活のほんの序章に過ぎないのです。
「トゥールビヨン スースクリプション DR0011YG-01」

ムーブメント
・ キャリバーDR001:「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」によって開発・組み立てられた手巻き機械式ムーブメント
・ トゥールビヨン 1分1回転
・ 厚さ:4.6 mm
・ 部品数:206
・ パワーリザーブ:80時間
・ 振動数:21,600振動 / 時 - 3 Hz
・ 石数:19
・ トゥールビヨン:平ヒゲゼンマイ
・ トゥールビヨンのケージ:460 mg

ケース
・ 18K イエローゴールド 3N
・ サイズ:38.6 x 35.5 mm
・ 厚さ:9.2 mm
・ フラットな反射防止加工サファイアクリスタル
・ 防水:30 m
・ ラグ幅:20 mm

ダイアル
・ クル・ド・パリ ギョーシェ加工が施された18K イエローゴールド 3N
・ DANIEL ROTHとウォッチ個別番号の彫刻
・ トゥールビヨンのサイドプレートにコート・ド・ジュネーヴ装飾
・ トゥールビヨンの下のプレート:艶消し

ストラップ
・ ブラウンのカーフレザー

バックル
・ 18K イエローゴールド 3N タングタイプ・バックル

ウォッチ重量
・ 約77.5 g

ダニエル・ロートについて

ダニエル・ロートの名前は、ジョージ・ダニエルズやF.P.ジュルヌ、フィリップ・デュフォーといった20世紀の偉大な独立系時計メーカーと頻繁に並び称されます。実際、彼は伝統的なウォッチメイキングにおけるこうした偉大な人物たちの同時代に生き、時にはその協力者を務めています。ロートはフランスの時計職人の家庭に生まれ、早くから、オーデマ ピゲなどで修業を積みました。すぐにブレゲに採用されて、1976年に同ブランドの再開発を率い、ル・ブラッシュにブレゲ初の工房を開設してスイスのこのブランドを再確立。その後12年間にわたってブレゲの将来を決定付けた彼の影響力は、計り知れないものでした。1988年、ロートは、大手ブランドの安定した仕事を離れて自らの名を冠したブランドを立ち上げた最初の時計師の1人となりました。間もなく最高水準の基準を定めたこの名時計師は、ブランドを特徴付けるデザインとなるユニークなダブルエリプスケースに収められた、トゥールビヨン腕時計の製作に取組みはじめました。1988年、ロンドンのアスプレイから、特殊な秒表示を備えた25個の手巻きダブルフェイス・トゥールビヨンの製作を依頼されたことで、自身のブランドとビジョンの立ち上げ資金がもたらされました。

1989年、この特徴的なトゥールビヨンは、2187 / C187として生産されることとなりました。その後間もなく、ロートは伝説的なレマニア 2310をベースにした2レジスター・クロノグラフであるC147や、ビーナス179キャリバーを用いた一連のラトラパンテを装備したスペシャルピースを発表。忘れてはならないのは、当時、小さなブランドはもとより、主要なスイス・メーカーのカタログにも手巻きのクロノグラフは見かけませんでした。ロートはその後さらに、いずれも今やロートのアイコンとなった長円形のケースに収められた、C107 ウルトラシン自動巻きやC127 レトログラード、C117 パーペチュアルカレンダーを製作。C117 パーペチュアルカレンダーの瞬間ジャンプ機構は、フィリップ・デュフォーらとの直接のコラボレーションによる成果でした。

詳細は、ダニエル・ロート 公式サイト danielroth.comをご覧ください。

「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」について

2014年の設立以来、「ラ・ファブリク・デュ・タン」はルイ・ヴィトンのための複雑機構を独占的に製造しています。その結果、2014年に初めて「ジュネーブ・シール」を取得したトゥールビヨンや38のタイムゾーンを同時に表示できる「エスカル ワールドタイム」、400個のコンポーネントからなる「タンブール ミニッツリピーター」、1ブロックのサファイアクリスタルから作られたケースを装備した「タンブール ムーン フライングトゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイアクリスタル」の発表へと繋がりました。ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニの監修の下、「ラ・ファブリク・デュ・タン」のクリエーションは、ルイ・ヴィトンと協業することで、GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)において2つの賞を受賞。過去には、一流ウォッチメーカーの数々の受賞にも貢献してきました。

ルイ・ヴィトンについて

1854年の創業以来、ルイ・ヴィトンは、革新とスタイルを組み合わせた独自のデザインを常に最高級な品質で提供し続けています。現在もトラベルラゲージ、バッグ、アクセサリーなどの製品を通じて、クリエイティブでありながらエレガントで実用的である、創業者ルイ・ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」の精神を忠実に受け継いでいます。ルイ・ヴィトンというストーリーを作り上げたのは「大胆さ」でした。伝統を重んじ、歴史の中で建築家やアーティスト、デザイナーに門戸を開き、プレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチ & ファインジュエリー、フレグランスなどの分野を開拓してきたのです。これらの丁寧に製作された製品は、ルイ・ヴィトンがクラフツマンシップにいかにこだわりを持ってきたかという証となっています。

詳細は、ルイ・ヴィトン 公式サイト
をご覧ください。

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