フェンディ、「バゲット」の「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトがオーストラリアへ

フェンディ ジャパン
カラフルなテキスタイルアーティスト、ナタリー・ミラーとの出会い

イタリア・ローマ（Rome）を代表するラグジュアリーブランド フェンディ（FENDI） は、2024年、世界的に有名なオーストラリアのテキスタイルアーティスト、ナタリー・ミラー（Natalie Miller）とのコラボレーションによる最新の「ハンド ・イン・ハンド（hand in hand）」プロジェクトを発表いたします。サザンハイランズ（Southern Highlands）、イーストカンガルーン（East Kangaloon）にある彼女のスタジオで、ミラーは手染めのオーストラリアメリノウールを用いて鮮やかなタペストリーを織り上げます。なだらかな起伏のある田園地帯に位置するミラーのスタジオはインスピレーションの宝庫であり、彼女のアート作品はオーストラリアの風景や音に影響を受けています。彼女の魅力的なタペストリーは、ひとめで彼女の作品だとわかるもので、世界中の家によろこびと色彩をもたらすべく、デザインされています。

2020年にイタリア各地で、その後アメリカ、日本、中国、マダガスカル、スコットランドと世界に拡大した「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトは、アーティスティック ディレクター シルヴィア・フェンディ（Silvia Venturini Fendi）が1997年にデザインした「バゲット（Baguette）」を、変化し続けるキャンバスとして地元の工芸を用いて再解釈し、芸術的価値を持つ真の装飾品を制作するよう、さまざまなアトリエやワークショップに依頼するものです。「ハンド・イン・ハンド」という名前は、ユニークなコラボレーションに命を吹き込む各地の職人の手と、フェンディの職人の手の出会いを表しています。

ミラーは工芸に対する揺るぎない愛と、構想から共同作業に至るまで、「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトと共鳴する哲学を持っています。彼女の類まれなタペストリーは、いかなるツールも使わない、100年の手工芸の伝統を称えます。このアートフォームを習得するためにミラーは2年間を費やし、オーストラリア最古のデザイン機関であるスタートギャラリー＆スタジオ（Sturt Gallery & Studios）でタペストリーの研究に没頭しました。そしてそこでフェンディの新しい「ハンド・イン・ハンド」による「バゲット」を生み出す優れた技法、リーヤノットを学びました。

典型的なオーストラリアのデザインを示すミラーの「バゲット」の再解釈は、タスマニア（Tasmania）産のやわらかく豊かな質感で有名なメリノウールを用いた、サザンハイランズの自然美へのオマージュです。地元で採れたウールは、ニューサウスウェールズ（New South Wales）に位置し、同種の工場としてはオーストラリアで唯一のナンドル・ウーレン・ミル（Nundle Woollen Mill）で加工されます。オーストラリアのこのランドマークは、1900年代初期の機械と歴史ある技術を駆使し、現代的な糸を生産する昔ながらの伝統を守ることに尽力しています。

スケールの大きさと鮮やかな色使いで知られるミラーの典型的なアート作品とは反対に、ミラーによる「バゲット」の再解釈では、デザインに対するより繊細なアプローチが採用されています。穏やかでニュートラルなカラーパレットはサザンハイランズのパッチワークのような畑と金色に染まる夕日を反映するように、慎重に選ばれています。ミラーのビジョンを実現するために、ウールは地元の花や葉、オーストラリア東海岸に自生するスクリブリーガムの樹皮を用い、直火の上で手作業にて染色されます。手染めのプロセスの後、ウールは数日かけて乾燥させ、その後、手巻きできれいなボール状に丸められます。そしてタビー織りから連続するリーヤノット、タッセルまで、伝統的な技法を用いた織機で仕上げられます。

この古代の職人技のプロセスが、「バゲット」のデザインのあらゆる側面に見受けられます。バッグのボディとショルダーストラップは、伝統と手工芸に対する頌歌であり、ミラーの印象的な技法の組み合わせを称えます。内側のライニングはパーソナライズされたホワイトキャンバス製で、「FF」ロゴモチーフがあしらわれています。ハンドルとポケットはバターのようなベージュのレザー製で、おそろいの彩色されたレザーバックルが付いています。その一方で、シルバーパラジウムのアクセントがアイコニックなシルエットにモダンな雰囲気をもたらしています。

今回の「ハンド・イン・ハンド」の新たな「バゲット」は、サザンハイランズのカラフルな風景とヘリテージを称えながら、メゾンのスピリットを体現します。ストーリーは織り糸を通じて語られ、イタリアからオーストラリアへ、地元のクラフツマンシップのふたつの物語に命が吹き込まれます。

「ハンド・イン・ハンド」はフェンディにとって、伝統的な生産方法を現代に継承している職人に向けた賛辞を表す、重要なステップです。古代のハンドメイドの技法をかつてないほど広く、世界的な規模で維持しようとしている職人たちの、才能と情熱をフェンディは信じています。

ナタリー・ミラーについて
ナタリー・ミラーはオーストラリアのサザンハイランズ、イーストカンガルーンを拠点に活動する世界的に知られたテキスタイルアーティストであり建築家です。ミラーの母親はドレスメーカー、父親は工具製作者であり建築者でした。彼女の家系が持つ才能を手工芸に生かし、ミラーは手染めのオーストラリアウールを用いて巨大でカラフルなタペストリーを制作します。壮大なサザンハイランズの丘陵を背景に建つ彼女のスタジオは、写真のように美しい野原から色彩豊かな空まで、無限のインスピレーションの源です。彼女のオーストラリアのヘリテージを守るためミラーは可能な限り自然のリソースと地元で生産された手染めのメリノウールを利用して、作品を生み出します。これまでの人生経験を生かし、ミラーは小さなブティックのテキスタイルやデザイン、オーストラリアやアジア、パリ、アメリカで行われるクリエイティブなリトリートにおいて、彼女が持つ知識を惜しみなく提供します。それらのリトリートにおいて、彼女は参加者に織物やマクラメについて教え、新しいクリエイティビティに対して心を開かせます。ミラーにとってよろこびは旅路にあり、そして彼女は工芸に対する愛を他者と共有するというミッションを果たしています。
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@natalie_miller_design