【ルイ・ヴィトン】フォトブック「ファッション・アイ」コレクションに3冊のアルバムが仲間入り

2024.10.24 17:02
ルイ・ヴィトン ジャパン株式会社

今秋、「パリ・フォト2024」の開催に合わせ、ルイ・ヴィトンエディションより「ファッション・アイ」コレクションに3冊のアルバムが仲間入り。メキシコでは、デボラ・ターバヴィルが気品と哀愁に満ちた幽玄なイメージを捉え、アイスランドでは、ジャッキー・ニッカーソンが人の手による大きな脅威が迫る厳しい自然を撮影。そして、アラスデア・マクレランが、反抗的なスコットランドのポートレートを描きます。

旅の真髄(こころ)を表現するのにぴったりな「写真」というメディアは、ルイ・ヴィトンにとっても至極当然の表現
形式です。ルイ・ヴィトンにおいての編集プロセスは、フォトブック自体を独立したメディアとして確立させます。その目的は、フォトブックの視覚的語彙をさまざまな形で絶えず刷新すること。
「ファッション・アイ」は、オーダーメイドのシリーズです。使用される紙や装丁の種類、レイアウト、時には印刷工程までも、伝統ある職人技を駆使して、各編それぞれ異なる仕上げを施しています。なぜなら本は、何よりもまず、著者、デザイナー、印刷業者の作品であるからです。

タイトルごとに大きく異なる視点が提示され、それは目的地によって変化します。そこでは、都会のパノラマ、自然の風景、地元の暮らしの1コマや、より静観的な作品が、カラーとモノクロの両方で描き出されます。「ファッション・アイ」の各タイトルは、厳選された写真を大判で紹介すると共に、フォトグラファーの経歴と、彼らへのインタビューまたは批評的エッセイを収録。シリーズを通して交わされるのは、才能ある若手、経験豊富なフォトグファー、ファッション写真界のレジェンドたちによって繰り広げられるユニークな対話。現代のクリエーションを、あまり知られていない歴史的な遺産と対峙させ、アプローチと美の双方の観点から決定的な意味を持たせた写真集シリーズです。

ルイ・ヴィトンエディションは、2024年11月7日(木)-10日(日)までグラン・パレで開催される「パリ・フォト2024」に出展します。
ファッション・アイメキシコ
葬儀にまつわる伝承が色濃く残る国境の地メキシコは、デボラ・ターバヴィル(1932年-2013年)にとって喜びをもたらす場所でしかありません。リチャード・アヴェドンに師事した彼女は、「この国は常に私にメッセージを送っている」と語り、国を縦横無尽に巡りながら、そこから感じられる「質感」と「感覚」に深く共鳴していました。1986年、彼女はグアナファト州の高台に位置するコロニアル都市サン・ミゲル・デ・アジェンデに建つ18世紀の修道院と恋に落ちました。サンクトペテルブルクからニューヨーク、パリ、あるいはクラクフへと世界を駆け回りながらも、この修道院を拠点として、犬や鳥、奉納物、キャンドル、時代を超越した家具に囲まれて暮らし、創作することを選んだのです。色褪せた魅力が漂うポートレート、ディテール、風景を組み合わせたスーベニアアルバムの中で、『Casa No Name (カーサノーナム)』の謎が明かされます。ハニッツィオ島の漁師、パツクアロ市場の床屋、サン・クリストバル・デ・ラス・カサスのストリートチルドレン、野生のヤギ、守護聖母像など、さまざまな被写体や情景がまるで夢や映画のようにちらちらと過ぎ去っていきます。なぜなら、このアーティストが生み出す酷使
された空間では、色調を抑えられ、傷付けられ、破られ、コピーされ、貼り付けられ、注釈が付け加えられたプリント、そして魔力に満ちた「不完全な過去」の淡い反射がすべて「交錯」するからです。彼女のお気に入りの演出の1つで、ロッセリーニの作品を彷彿させるミネラル・デ・ポソスの廃墟において、ターバヴィルはイタリア版『Vogue』誌のために、プラダのブラックスーツをまとったトランス状態にある先住民女性ソニア・ブラガを撮影。また、
『Night Cry(ナイトクライ)』(2012年)も同地が舞台。宗教的な図像を多用した不気味なビジョンが、ピックアップトラックのハンドルを握る男の苦悩する魂を執拗に襲うアメリカの夜の6分間を描いたショートフィルムです。

仕様
Fedrigoni Stucco Old Mill Gesso 120 g/m2、Fedrigoni Sirio Ultrablack 115 g/m2に印刷。
ISBN:978-2-36983-460-1
118ページ

デボラ・ターバヴィル
1932年、マサチューセッツ州ストーンハムに生まれたデボラ・ターバヴィルは、演劇とダンスへの情熱を追い求めて、19歳でニューヨークに移住。その後、デザイナークレア・マッカーデルにその才能を見出され、アシスタント兼モデルとして雇われたことから、ファッションの世界に足を踏み入れ、『Harper’sBazaar』、『Ladies’ Home Journal』、『Mademoiselle』などの雑誌の編集に携わるようになりました。1967年には、リチャード・アヴェドンとアートディレクターのマーヴィン・イスラエルによるフォトグラフィーマスタークラスに参加。これが転機となり、写真の道に進むことを決めます。1975年5月、アレクサンダー・リーバーマンからアメリカ版『Vogue 』誌の10 ページを任された彼女は、『Bathhouse(バスハウス)』シリーズで読者に衝撃を与えました。公衆浴場の中で伸びをしたり、寝そべったり、空想にふけったりする5人のモデルをフィーチャーした同シリーズは、熱烈な支持を受ける作品となりました。1977年、ニューヨーク州ロチェスターのジョージ・イーストマン・ハウスにおいて運営されている国際写真映画博物館のためにナンシー・ホール= ダンカンが企画した展覧会『The History of Fashion Photography(ファッション写真の歴史)』において、彼女のぼやけた写真は、ギイ・ブルダンやヘルムート・ニュートンによるはっきりとピントの合った写真と共に紹介されました。同年、彼女はイタリア版『Vogue 』誌のシリーズやヴァレンティノのキャンペーンを撮影し、その後すぐにコム・デ・ギャルソンやエマニュエルウンガロ、
ナイキ、ラルフローレンのキャンペーンイメージも手掛けました。1980年、当時ダブルデイ社の編集者だったジャクリーン・オナシスからヴェルサイユ宮殿のシリーズ撮影の依頼を受けたターバヴィルは、その地で一冬を過ごし、一般には非公開の荒廃感漂う部屋を舞台に、儚げなモデルたちの姿を撮影。その結果生まれたのが、『Unseen Versailles(知られざるヴェルサイユ)』(1981年)であり、この王宮の幽玄な美しさを讃える稀有な作品として数々の賞を受賞しました。1986年、ポンピドゥー・センターで、パリでは初となる自身の個展が開催されました。
彼女の新古典主義的スタイルとテクスチャ効果は、『Newport Remembered』(Harry N. Abrams、1994年)、
『The Voyage of the Virgin Maria Candelaria』(Parco、1996 年) 、『Studio St. Petersburg 』(Bulfinch Press 、1997年)、『Casa No Name』(Rizzoli、2009年)など多くの作品に顕著に見て取れます。2023年、スイス
のローザンヌにあるエリゼ写真美術館は、彼女のフォトコラージュにオマージュを捧げるエキシビションを開催しました。
ファッション・アイアイスランド
氷とサガ(物語)に満ちた国火山島アイスランドは、多くの理由で人々を魅了します。9世紀にヴァイキングによって植民地化され、何世紀にもわたってオーロラによって照らされてきた、この風吹きすさぶ世界の片隅に暮らす人々の数は40万人足らず。住民の半数はエルフの存在を信じています。エルフは、その存在すら仮説の域を出ないものでありながら、同国では、その居場所を守るために道路が迂回して敷かれることさえあります。しかし、ジャッキー・ニッカーソンが2022年の夏と冬にオマージュを捧げたのは、この島のもう1つの魅力。それは、比類のない、計り知れない力を持った大自然です。このイギリス人アーティストは、エルドラウンやスカーガフィヨルズル、ナーマフィヤル、ミールダルスヨークトルなど、荒々しい名の付いた見る者を驚嘆させるこれらの地に足を運び、厳しい自然によって造形された厳格な地形が広がるパノラマを捉えました。彼女のニュートラルな作品群では、縦長に切り取られた風景はほとんどなく、全能的なクレーター、渓谷、滝が幅広く遠くまで広がります。どこまでも続く溶岩原や深く裂けたフィヨルド、密な吹雪、北極圏近くの凍てつく寒さ、響き渡る静寂など、ニッカーソンが捉えたイメージは、これらすべての概念を描き出しながら、決して枯渇させることはありません。カモメの群れ、4人の観光客、2軒の納屋、そして時折現れる車が、明確なスケール感を生み出しています。また別のイメージでは、気候の変化に伴って氷河の融解が加速し、大量の石や砂が堆積することで形成された巨大なモレーンに、人類の存在による影響が顕著に見て取れます。因果応報の現実をよく理解しているジャッキー・ニッカーソンは、ハイブリッドな風景、珍しい輪郭と色彩を持つ変貌した楽園を記録します。苔生した野原のネオングリーン、ラグーンのミルキーブルー、玄武岩の「オルガンパイプ」のアンスラサイトグレーなど、「地質学的に真新しい」この地域の本来のピュアな姿を捉えることは、必然的に不確かな未来への考察へとつながります。

仕様
Biancoflash Premium 100 g/m2、Shiro Echo Raw Grey 120 g/m2に印刷。
ISBN:978-2-36983-461-8
100ページ

ジャッキー・ニッカーソン
1960年にボストンで生まれ、ロンドンで育ったジャッキー・ニッカーソンは、ニューヨークでアシスタントとしてデビュー。独学でクリエイティブな才能を開花させた彼女は、ミラノで本格的にキャリアをスタートさせるまで、フリーランスとしてAP通信社に勤務していました。1990年代、ジンバブエに移住したことをきっかけに、人間と環境の距離を縮めることをテーマとする2つのシリーズ──即興と個人のアイデンティティに焦点を当てた農夫のポートレートシリーズ『Farm』(2002年)、畑で働く人々が葉や農具の山の下に消えていく労働のメタファー『Terrain』(2013年)を発表。後に『Field Test』(2020年)で再びこの原則の追求を試みたニッカーソンは、プラスチック素材で被写体の顔を覆うことにより、デジタル時代の産業グローバリゼーションが生み出す匿名性と疎外感をより効果的に糾弾しました。また、アイルランドの修道女や修道士たちの厳格な生活を、イタリアの画家フラ・アンジェリコのような控えめな色調で描いた『Faith』(2008年)など、意図的な演出を伴わないプロジェクトも。ニッカーソンは、『Vogue 』や『Vanity Fair 』、『AnOther 』、『Pop』、『Dazed & Confused』などの各誌に定期的に寄稿しており、2014年には、女性フォトグラファーとして初めて、毎年『Time』誌がその年に最も話題になった人を選出する「パーソン・オブ・ザ・イヤー」において、リベリアでエボラウイルスと闘う4人の医療従事者の姿を捉えました。また、カニエ・ウェストやキム・ジョーンズ、ヴァージル・アブローと親交が深い彼女は、これまでに、ディオールやルイ・ヴィトン、エルメス、マルニ、アディダスのキャンペーンを手掛けてきました。ジャッキー・ニッカーソンの作品は、ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーやダブリンのアイルランド近代美術館、ザルツブルク現代美術館、ローマのバチカン美術館などで展示されています。
ファッション・アイスコットランド
「For Dad(父に捧ぐ)」──手書きのこの簡潔な献辞により、閑散としたフェリーの写真が表紙を飾るこの本に、極めてパーソナルな感情が添えられています。スコットランドは、アラスデア・マクレランにとって馴染みのない異国の地ではありません。ゴードン・ハイランダーズ(イギリス陸軍歩兵連隊)の将校として、ゲール文化をこよなく愛した父のおかげで、マクレランはスコットランドの湖と伝説を熟知しています。ベレー帽と制服に身を包み、物思いにふけるその男のポートレートは、その隣に置かれたカークカドブライトにあるマクレラン城を訪れた際の記念写真と同じくらい、見る者の心を動かします。家族を写したアルバムは突然終わりを告げ、そこからは、反抗的な国家の肖像画に置き換わります。彼が描くのは、「極端な気候」で有名なこの国が「より写真映え」する真冬に似せたスケッチ。唯一の例外は、「ハイランドゲームズ」です。キルトをまとった氏族たちがバグパイプの音に合わせてぶつかり合う、古くから伝わる伝統的な競技で、2014年夏には『Man About Town』誌にも取上げられました。ハイランドだけでなく、ケアンゴームズやスカイ島、マル島、アイオナ島、エディンバラ、インヴァネスも登場します。砦や灯台まで、マクレランが見落とすものは1つもありません。雪に覆われたグレンコーの峰々が霧に飲み込まれる場面から、グラスゴーやアバディーン近郊の野性味溢れる荒野まで、彼の描写は、時間によって変化するその場所のさまざまな様相を捉え、あるときはモノクロ、またあるときはタータンチェックのレッドやグリーンの色合いでフィルターが掛けられています。どこもかしこも、飾り気のない美しさを湛えた孤独な顔が、古代の石や低木の絨毯と空間を共有しています。グランジマウスの煙突が煙を吐き出すと、それは灰色の曇り空に溶け込み、まるで無表情のゴシック人形の顔のような情景を描きます。別の場所では、同じ赤い光がケルトの十字架やスターリングの屋根を撫で、苦悩に満ちたこれらの地域に安らぎを与えています。

仕様
Arena Rough Natural 100g/m2、PET Gloss Clear 150g/m2に印刷。
ISBN:978-2-36983-413-7
100ページ

アラスデア・マクレラン
1974年、ヨークシャーのドンカスターで生まれたアラスデア・マクレランは、ノッティンガム・トレント大学で写真を学んだ後、ロンドンに移住し、『i-D』誌で働きはじめました。その後、『Vogue』、『Arena Homm+』、『W』などの表紙や特集ページを飾り、バーバリーやカルバン・クライン、グッチなどのキャンペーン、セイント・エティエンヌやペット・ショップ・ボーイズ、ザ・エックス・エックスなどのミュージックビデオを手掛けました。自然光のもとで撮影された彼の高度に構築された無機質な写真には、彼自身の青春時代の実験的な試みが映し出されています。気短な肉体、敵対的な風景、色褪せたインテリアなど、重要なのは被写体のみ。それがイギリスにおける男らしさの研究(Ultimate Clothing Company、2013年)、イギリス軍の儀式部隊の記録(Ceremony、2016年)、スケートボーダー、ブロンディ・マッコイの型破りな人生の記録(Blondey 15-21、2019年)、あるいは大ヒット曲のレンズを通して自身の歴史を見直すこと(Home and Away、1987-2022年、Volume 1 - Biscuit Billy's、2023年、Volume 2 - Seventh Heaven、2023年)であろうとも、マクレランは常に誠実で官能的なスタイルで、人々の目と心に触れます。
「ファッション・アイ」
仕様
-「メキシコ」、「スコットランド」はシルヴィー・ルカリエー、「アイスランド」はパトリック・レミーが編集を担当
-フォトグラファーの経歴ならびにインタビュー、エッセイ、
 写真キャプションはフランス語、英語の2ヶ国語表記
-各タイトルにつき50-150枚の写真掲載
-サイズ:23.5 × 30.5 cm (9.3 × 12.0 in.)
-エンボス加工の布製カバーを用いたハードカバー
-テキストには1932年にパウル・レナーがデザインし、
 ライノタイプ社(ドイツ)がデジタル化して販売しているフォント、Futura Tを使用
-イタリアで印刷
-2024年11月よりルイ・ヴィトンストアおよび公式サイトlouisvuitton.comにて、
 2024年11月8日(金)より一部書店にて販売
価格: 6,820円(税込み)
Copyright (C) Louis Vuitton Malletier

詳細は、louisvuitton.com をご覧ください。

あわせて読みたい

ジャクリーン・ケネディのウエディング・ドレスが初めてオークションに出品へ
25ansウエディング
Y's、「Y's MAX VADUKUL TOKYO」フォトインスタレーションを東京で開催
PR TIMES
ロキソニンにまつわる素朴な疑問を薬の作り手が解決! 小さな錠剤に込められた想いとは
antenna
BMWモデルの新ブランド・キャンペーン! ラグジュアリー・セグメントが特別なドライビング・プレジャーを披露
CARSMEET WEB
今週末に見たいアートイベントTOP5: 毛利悠子の国内初大規模展、日本国憲法をアートで考察
ARTnews JAPAN
脈拍の波形をもとに美しいデザインのカードに刻印する「TOKIMEKI CARD」をリリース
PR TIMES Topics
【ルイ・ヴィトン】「ルイ・ヴィトン シティ・ガイド」に新しくトロントが登場
PR TIMES
【大人のグラフィックTシャツ】「トム・ヨーク×アンダーカバー」で初のソロツアーを祝う!
UOMO
あなたの動画を自然に翻訳!「AI動画翻訳くん」とは?
antenna
活動家としても注目されるアーティスト、ナン・ゴールディンによるグッチの最新キャンペーンが公開
ARTnews JAPAN
ジェニファー・ローレンスが第二子妊娠を発表!まもなく4人家族に
Harper's BAZAAR(ハーパーズ バザー)
寒い季節にぴったりな大人味のチーズタルト「PABLOmini ティラミス」
PR TIMES Topics
ウェイド・ガイトン個展「THIRTEEN PAINTINGS」(エスパス ルイ・ヴィトン東京)開幕レポート。注目の日本初個展
美術手帖
「アレック・ソス 部屋についての部屋」展が東京都写真美術館で開催。「部屋」をテーマにしたアレック・ソスの大規模個展
美術手帖
「ポトン!」と落とす楽しさが味わえる新感覚の知育玩具発売
PR TIMES Topics
『アレック・ソス 部屋についての部屋』」東京都写真美術館【青野尚子のアート散歩】
クロワッサンオンライン
“普段使い”したくなる傑作アウター集!ヴィトンのウインドブレーカーに、ポロ ラルフの紺ブレetc.
OCEANS
“部屋”をテーマに作品を編み直す大規模個展「アレック・ソス 部屋についての部屋」が2025年1月19日まで恵比寿『東京都写真美術館』で開催中
さんたつ by 散歩の達人
アイスランド大使も来園!大人も子どもも楽しめるアイスランドやサンタクロースの謎に迫る二日間「アイスランド・クリスマス・ウィークエンド」&「第1回世界サンタクロース・シンポジウム-アイスランド編-」
PR TIMES