東京・金沢・京都・新潟を拠点に活動する越境型クリエイティブ集団「Konel(コネル)」(本社:東京都中央区)は、ブランディングやプロダクトデザインに携わる3つのプロジェクトにおいて、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。
・コプレック 「工場を、誇ろう。」プロジェクト
・やわらかいロボット「Morph」(モーフ)
・捨てない社会をかなえる「PASSTO」(パスト)
■2024年度グッドデザイン賞 受賞発表ページ
受賞作品について
コプレック 「工場を、誇ろう。」プロジェクト
コプレックは、企業理念、またプロジェクトのスローガンとして「工場を、誇ろう。」を掲げ、活動を進めてきました。本プロジェクトは、ものづくり日本が持つ輝かしい側面の一方にある、コストダウンのために快適とはほど遠い労働環境や、それを受け入れてきてしまった従来の慣習を見直し、製造業の現場を変えていきたいという想いから2022年に本格始動しました。一企業のブランディングの枠を超え、地方の小規模製造企業から日本の製造業界全体に一石を投じるプロジェクトとして捉え、現在も進行しています。1951年創業の地方の板金工場である当社が自ら変化をしていくことで、全国の工場で働く人々の地位とプライドを高め、製造業の新たなスタンダードを作っていくことを目指しています。
<主な受賞歴>
日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞2024 大賞
コプレック代表取締役社長 小林 永典
日本の戦後の成長を牽引し、世界に誇れてきたもの、それは「日本品質」という言葉で象徴されるよう、ものづくりへの信頼が大きかったと思います。そしてそれを担ってきたのは、多くの工場で働く人々でした。しかし彼ら彼女らは「コストダウン」という価値観も強く持っていたために、快適でかっこよく働くことなど、自らの大切なことも多く削ってきました。このプロジェクトは、そんな当たり前に受け入れてしまっていた状況に一石を投じ、工場をもっと魅力的にすることを目的としています。共感してくださる方を巻き込んで、この渦がより大きくなることを期待しています。
Konel プロデューサー 加藤なつみ
「工場を、誇ろう。」
このビジョンには、自社だけでなく、産業全体を変革していきたいというコプレックの決意と想いが込められています。工場の職場環境につきまとうマイナスイメージを一新し、工場本来の魅力を際立たせたこのデザインシステムは、コプレックにとどまらず、他の企業にも広く取り入れられるように設計しました。本プロジェクトは、まだ始まったばかりです。ビジョンに共感してくださる方々とともに、ものづくりに携わるすべての人々の誇りを高め、その精神を次世代へ受け継いでいきます。
コプレック 「工場を、誇ろう。」プロジェクトの背景について
下記プラットフォームにて配信中です。
【Apple Podcast】
Morphとは
「Morph」には、自然界や動物のモーションをセンシングしたデータがインストールされています。映像から動きの特徴点を抽出し、ゴム人工筋肉を制御する形式にデータを変換する仕組みは、独自開発したシステムです。ブリヂストンが研究を重ねてきたゴム人工筋肉は、チューブとスリーブの2層構造となっており、生物の胎動や呼吸、潮の満ち引きのような自然界のデータをもとに有機的に動作します。生のデータとゴム人工筋肉によって表現される動きは、生物とも、機械とも異なる「Morph」ならではの息遣いを生み出します。コミュニケーションをとることもなく、また人に合わせて制御されることもない、ただ生物的に動作する仕組みだからこそ、気を使うことも、期待や目的を持つこともなく共存できるのが「Morph」の特徴です。
ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ 創業メンバー / 主幹 山口真広
ブリヂストンが長年研究してきたゴム人工筋肉。ブリヂストン初の社内ベンチャーであるソフトロボティクス ベンチャーズを創業し、ゴム人工筋肉ロボットハンド「TETOTE」(てとて)は、既に産業用途として事業を展開している。ゴム人工筋肉を人々が握る度、嬉しそうな気持ち悪そうな、そんなリアクションに遭遇する中で、ゴム人工筋肉の心を動かす可能性を探求したくなった。Konelの仲間達がゴム人工筋肉を握ってから約1年後、ゴム人工筋肉は「Morph」となり、「無目的室Morph inn 表参道店」を開業するに至る。「Morph」と過ごす無目的な時間が、効率的で生産的に生きがちな現代社会の新しい日常になることを願っている。
Konel プロダクトデザイナー 都淳朗
ゴム人工筋肉から織りなされる柔らかいロボット。もしそんなものが10年後の日常に普及しているとしたら。まるでそれは家具なのか、未知の生物のようなものなのかもしれません。そんなビジョンから、違和感がありつつどこか既視感もある、愛着の持てるデザインにしようと考えました。情報過多で忙しない現代社会において、無目的に自己を開放してニュートラルになれる機会が増えれば、生活は豊かになり、身の回りの人たちや物をもっと大切にできるようになると信じています。今回の受賞が、その一助になってくれたらとても喜ばしく思います。
捨てない社会をかなえる「PASSTO」(パスト)
「PASSTO」は、使わなくなった不要品を「回収」し、最適な使い道の「選別」、再活躍させる「リユース・リサイクル」の循環をつくる仕組みです。 PASS TOを短縮した造語で、「次の人に渡す、未来に渡す」を意味しています。
暮らしに一番身近な資源循環の入口となることで、生活者の皆様がより気軽に資源循環に参加できる場と、“捨てる”以外の選択肢を提供し、サーキュラーエコノミーの実現を目指します。
PASSTO official website :
株式会社ECOMMIT 取締役 Chief Branding Office 山川咲
捨てない社会をかなえるために、身近な場所から気軽に参加できる資源循環のインフラとして「PASSTO」を立ち上げました。PASSTOの立ち上げからKonelのみなさんとは、このアクションをどうすれば当たり前にすることができるのか、何度も何度も議論を重ねてきました。Konelと出会えたことで、仕事を超えて、そこに集った人や情熱の総和でしか生まれないものにPASSTOが進化できたと思います。共に開発したPASSTOは、今では郵便ポストのように親しみやすい存在となり、スタートから一年半でマンションや商業施設へ導入が進み、生活のなかに浸透しはじめています。「服を捨てていた時代もあったの?」というような未来を、ここからつくります。
Konel アートディレクター / デザイナー 江森 洋平
「捨てない社会をかなえる」。この大きな目標は、ECOMMITが掲げると本当に叶うと予感させられます。実際に、PASSTOができる場所は増え続けており、近い将来、郵便ポストのようにみなさんの街に当たり前のようにあるんだと思います。だから、PASSTOがインフラになった世界を想像して、昔からそこにあったような、みんなのすぐ隣にあるデザインを心がけてきました。尖らず、丸すぎず。ちょっとそこまで行くついでに着なくなった服も持って出かける、そんな世界が当たり前になるように少しでもお力になれたなら本当に嬉しく思います。
グッドデザイン賞について
「グッドデザイン賞」は、1957年に旧通商産業省によって設立された「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)を継承する、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。単にものの美しさを競うのではなく、産業の発展とくらしの質を高めるデザインを、身の回りのさまざまな分野から見いだし、広く伝えることを目的としています。世界でも有数の規模と実績を誇るデザイン賞として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加するとともに、よいデザインを社会に広める運動としても多くの人びとから支持されています。
Konelについて
東京・金沢・京都・新潟を拠点に活動するコレクティブ。可能性の創造をコンセプトに、様々なテーマとメディアを横断する制作を展開。活動は一貫してスペキュラティブなアプローチをとり、未来にありえる体験を創作している。これまでの主な活動に、パナソニックの研究開発組織Aug Labと共作した、新しい自然を具現する《ゆらぎかべ - TOU》(KYOTO STEAM 2020 国際アートコンペティション スタートアップ展 )や、フードテック・プロジェクトOPEN MEALSのプロジェクトメンバーとして参加した《サイバー和菓子》(Media Ambition Tokyo 2020)。価値とそれを取り巻くシステムを表現した脳波買取センター《BWTC》(2022)。共感を創作する次世代の儀式《3753》(2022)などがある。
公式サイト:
(@hellokonel)
X(旧Twitter):
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