株式会社高島屋
龍村美術織物 創業130周年記念の年に「五代 龍村平藏」を襲名。「五代 龍村平藏 襲名記念展 」(展示・販売)※入場無料 8月28日(水)より巡回スタート/高島屋各店(日本橋、新宿、横浜、大阪、京都)
※各店巡回・会場」の詳細や、五代 龍村平藏のインタビューなどを以下のURLからご覧いただけます
※8月27日(火)17時公開予定
1894年(明治27年)に織物業を創業し、古代織物の研究と復元、それを基盤としながら「美術織物」という新しい分野を確立した龍村美術織物。「織りの技法に創意工夫を加えた創造」と「古の織物を徹底的に研究する復元」の二つの世界に没頭した初代 龍村平藏の作品は、かの有名な文豪 芥川龍之介氏に「おそるべき芸術的完成」と言わしめ、その精神と技は、大正、昭和、平成、令和と時代を超えて受け継がれています。
1927年(昭和2年)に、高島屋は初代 龍村平藏の展覧会を開催以降、90有余年、四代にわたる龍村平藏の織物美をご紹介してまいりました。そしてこのたび、「五代 龍村平藏 襲名記念展」を高島屋各店で開催し、五代平藏が襲名のメッセージを込めた新作錦帯5柄をはじめ、新たな作品の数々を発表いたします。
また、五代平藏の新たな挑戦として、美術織物をアート作品としてとらえ織物表現の可能性に挑んだ「アートパネル」を発表いたします。さらに、高島屋日本橋店会場の限定企画として、日本画界の若手人気作家、福井江太郎氏とコラボレートした作品を制作し、アートと織物のコラボレーションによる織物の新たな魅力を発信いたします。「最高之品質」を継承しながらも、美術織物の革新と創造をめざす「五代 龍村平藏」の新たな世界をぜひご覧ください。
展示・販売作品の一例 【五代 龍村平藏の新作】 ※8月28日より販売
宝来帆船図(ほうらいはんせんず)袋帯
宝来帆船図(ほうらいはんせんず)袋帯
ジャカード織機と、紋綴(※)の両方の良さを兼ね備える「紋綴錦」を、今回は技術継承も兼ねて、初代作の紋綴の意匠に創意を加えて制作しました。配色は龍村らしさは残しつつ、特に波の色と船上の宝を彩る「挿し色のバランス」にこだわって、フォーマルきものに合わせやすい作品に仕上げました。五代平藏の襲名への思いに相応しく、勢いの良い船出を祝する柄です。3,718,000円(税込み)
(※)ジャカード装置で経糸の上げ下げを制御するジャカード織機に対して、人の手で経糸をすくって緯糸を織り込んでいく技法が綴織。この両方の良さを兼ね備えるのが紋綴です。
画像左)瑞雲麗峰錦(ずいうんれいほうにしき)、画像右)彩釉鳳凰錦(さいゆうほうおうにしき)
画像左) 瑞雲麗峰錦(ずいうんれいほうにしき)
歴代平藏の面影は残しつつ、今まであまり取りあげてこなかったモチーフを、五代平藏なりの感覚で仕上げた、高揚感・躍動感・力の漲りを渦巻き湧き立つ瑞雲で表現。浮世絵の雲、風景写真の雲、欄間の彫刻の雲、自身で見た夏空の雲の塊…ここに織り出されている雲はそれら全てが混ざり合った心象風景を表現しています。 2,200,000円(税込み)
画像右) 彩釉鳳凰錦(さいゆうほうおうにしき)
鳳凰が一羽佇んでいる姿が凛としていながら何とも愛らしい、二代宮川香山作の茶道具(水注)をモチーフにしました。織物の制作においては、特に光の当たり具合、釉薬と陶器の質感、鳳凰の眼の表情にこだわり、金銀糸、漆糸、色糸を駆使して完成。龍村錦帯にはモチーフを錦上にまるで実物そのもののように表現する「~が如く」というものがあり、その表現方法を取り入れました。1,760,000円(税込み)
古代神獣文(こだいしんじゅうもん)
古代神獣文(こだいしんじゅうもん)
古代の架空の猛獣「饕餮(とうてつ)」を模した青銅器がモチーフ。この意匠を見た五代平藏は、可愛らしくもあると感じましたが、「魔物・不吉までも食べてしまう魔除け」の願いが込められていることを知り、神々しい金銀で立体的に表現、この帯をお締めいただく方の守り神になってもらおうと考え制作した作品です。1,518,000円(税込み)
聚宝錦(しゅうほうきん)
聚宝錦(しゅうほうきん)
これまで龍村が復元した大名物唐物肩衝茶入 銘「安国寺」の仕覆8点の中から「萌黄地宝尽し織金錦」をモチーフに帯にしました。本歌の意匠そのままではなく、輪郭のみを抽出して表現し、素朴になり過ぎないようグラデーションや色の切り替えを施すことで、宝尽くしの文様がデジタル画面を浮遊するようなシャープで洗練された表情に仕上がりました。 748,000円(税込み)
-【アートパネル / 現代空間に映えるORIMONO】 ※8月28日より販売(一部、巡回しない店舗があります)
【アートパネル / 現代空間に映えるORIMONO】 作品名「Weaving Waves I」
【五代 龍村平藏の新作】
作品名「Weaving Waves I」 価格:3,850,000円 縦85cm×横65cm
代々の平藏は古代裂の復元から新たな表現方法のヒントを得てきましたが、五代平藏が「帯」以外の新たな分野に挑戦するのが「アートパネル」です。
自身が好きな夏丸帯のひとつである「絽金藻魚かご紗(ろきんもうおかごしゃ)」(川面を透け感のある捩り織り「紗」で、そこに泳ぐ小魚を「絽金」で表現した涼やかな織物)の織り技法を再解釈し、現代に通じるアートとして考え制作しました。水面の表情をテーマに、「絽」「紗」とならぶ「羅」を用いて、経糸は職人による絶妙なグラデーションで、パネル台には新進気鋭の表具師が金銀箔で羅織りにアクセントを加えることで、自身がいつか訪れてみたいと思っているリゾート地、イングランドのワイト島の穏やかな海岸線を表現した作品です。
-【五代 龍村平藏 × 日本画家 福井江太郎 コラボレーション作品】 ※日本橋高島屋限定企画 10月1日(火)より販売五代 龍村平藏と、気鋭の日本画家 福井江太郎氏による、織物とアートのコラボレーション作品が登場。年齢も近く、共に、正統をバックボーンに持ちながら伝統の枠にとどまらず、それぞれ織物と日本画の未来を切り拓く二人。日本橋高島屋限定の、夢のコラボレーション作品です。アート作品の持つ魅力を織物の技によってさらに輝かせ、アートとして鑑賞しても、身に着けても楽しい、帯の新たな価値を発信いたします。また、日本橋高島屋で11月20日(水)から25日(月)に「五代 龍村平藏襲名記念展」を開催し、帯・雑貨の展示・販売のほか、トークショーも行います。
-【イベント】 五代 龍村平藏と日本画家 福井江太郎氏によるトークショー日時:11月23日(土) 午後3時 / 会場:日本橋高島屋8階催会場 ※入場無料
誕 1,628,000円/元原画名:福井江太郎作「玭」SEI
躍 1,683,000円/元原画名:福井江太郎作「花・燦」
福井江太郎(ふくい こうたろう)/プロフィール
1969 年 生まれ。
1995年 多摩美術大学大学院美術研究科修了
1996年 初の個展を銀座で開催(以降、毎年開催)
2004年 平成15年度文化庁買上優秀美術作品に選出される
2006年、13年紺綬褒章受章
2018年 高島屋のお中元・お歳暮のビジュアルイメージを担当
撮影・橋本憲一
-【五代 龍村平藏 / 龍村育(たつむら・いく)】株式会社龍村美術織物 代表取締役社長。1973年生まれ。1997年日本大学文理学部心理学科卒業。2007年龍村美術織物入社。2012年取締役、2016年常務取締役を経て、2019年代表取締役社長に就任。「この度、五代 龍村平藏を襲名するにあたり、襲名記念コレクションに相応しい柄とはどんなものかを考えた時、ものづくりに対する、代々の平藏の考えを踏襲しつつも、それだけにとどまらない、力渦巻き躍動感あふれる思いを世に発散・解放したい心境を「和の躍動 和の解放」というメッセージのもと表現したいと思いました。錦上での、いわゆる喜びの所信表明です。」
五代 龍村平藏 / 龍村育(たつむら・いく)
-【龍村錦帯とは】 「龍村錦帯」は、1927年(昭和2年)に「第一回錦帯作品展」を開催して以来90有余年、龍村平藏と高島屋が、膨大な資料の中から蘊蓄を傾けて制作してきた高島屋オリジナルの帯であり、美術織物の最高峰を志すブランドとして現在に受け継がれています。
-【龍村と高島屋のゆかり】龍村と高島屋は、1897年頃(明治30年頃)、創業間もない龍村を高島屋が支援し、初代平藏の叔父が経営していた「丸亀屋」を丸ごと譲り受ける形で高島屋が大阪へ進出するなど、深い関わりと長い歴史があります。この大阪出店は高島屋が飛躍する一つの契機となり、平藏にとっても織物業の拡大を果たす好機となりました。 1927年(昭和2年)、高島屋で「第一回錦帯作品展」を開催。戦後は1955年(昭和30年)に高島屋創業125周年記念催として復活「龍村平藏作錦繍美術展」を開催。さらに1956年(昭和31年)の大阪店新館完成時には龍村コーナーを開設するなど、龍村と高島屋はますますその結び付きを強くして行き、「龍村平藏作錦帯」はオリジナルブランド「龍村錦帯」として今日に至っています。【「五代 龍村平藏 襲名記念展」 高島屋各店の巡回予定】◆日本橋店:(1)8月28日(水)~9月3日(火)7階呉服サロン、(2)11月20日(水)~25日(月)8階催会場 ※(2)では、トークショーを行います◆新宿店:(1)9月18日(水)~24日(火)(2)12月11日(水)~17日(火)各回、11階呉服サロン ※(1)と(2)では展開商品が一部異なります◆大阪店:10月16日(水)~22日(火)6階呉服売場◆京都店:10月21日(月)~29日(火)5階きものサロン◆横浜店:10月30日(水)~11月5日(火)7階特選呉服サロン※各店巡回・会場の詳細や、五代 龍村平藏のインタビューなどを以下のURLからご覧いただけます ※8月27日(火)17時公開予定
【お問い合わせ】
高島屋各店(日本橋・新宿・横浜・大阪・京都)