『世界から猫が消えたなら』『四月になれば彼女は』の川村元気3年ぶりの長篇小説が発売決定! あの瞳に射抜かれて、私は1億円盗んだ――『私の馬』9月19日(木)発売

2024.08.19 11:00
株式会社新潮社
言葉があふれる世界で、言葉のない愛に生きる。感動の疾走エンタテインメント!
国際的に活躍する映画プロデューサー・映画監督であり、『世界から猫が消えたなら』『億男』『四月になれば彼女は』『百花』などのベストセラー作家でもある川村元気さんが3年ぶりに書き上げた長篇小説『私の馬』を、9月19日(木)に新潮社より刊行いたします。
さまざまなジャンルの作家、著名人から推薦コメントが届いたほか、全国の書店員からも熱烈な応援コメントも寄せられるなど、発売前から大きな注目を集めています!

実際に起きたとある横領事件に着想を得た本作は、造船工場で事務員として働く瀬戸口優子が運命的な出会いを果たした一頭の馬と通じ合い、のめり込み、転落していく様を描いたサスペンスフルな悲喜劇。ひとめ惚れした愛馬のため、1億円という巨額の横領に手を染めていく彼女の行き着く先は? 日常やスマホの中に言葉があふれているのに、人間同士がわかりあえず、傷つけ合う。そんな現代社会で、言葉のない愛にのめりこんでいく生きざまを、150ページに詰め込んだ感動の疾走エンタテインメントです。

発売に先駆けて、本書の書影が公開されました。装画を担当したのは、ピカソ生誕地美術館や京都市京セラ美術館での個展が大きな話題となり世界から注目を集める画家の井田幸昌さんです。

また、あわせて本書のトレーラー動画も公開されました。以下のURLから閲覧可能です。
<著者コメント>
「わかりあう」ために発明された言葉をあふれさせながら、私たちは有史以来もっとも「わかりあえない」時代を生きている。スマートフォンで交わされる言葉は無限に増えていくのに、コミュニケーションの実感は薄れている。SNSにあふれる言葉に疲れ果て、メッセージを送った数分後には、それがどんなものだったかを思い出すことができない。
他方で近年、人間と濃厚なコミュニケーションを獲得しているものたちがいる。猫や犬などの動物たちだ。そこに言葉はないけれど、人間は動物と「わかりあっている」と思う。誰よりも「心が通っている」と感じる(私も例外ではない)。
本作は、五年前に起きた、とある女性の数億円にも及ぶ横領事件から着想を得た物語だ。彼女は、ギャンブルもやらず、男にのめり込むこともせず、粗末なアパートにひとりで住みながら、横領した金を乗馬用の“馬”に注ぎ込んだ。
なぜ彼女はそれほどまでに馬にのめり込んだのか。どんなコミュニケーションがそこにあったのか。彼女が“彼”に見ていたものは何なのか。馬との「言葉のない世界」にのめり込んでいく女性を、「言葉を信じて」描いていった。これから私たちが、言葉やお金の手綱をどのように引いて生きていけばいいのか。思わずスマホを放り出したくなるような、かなしくもおかしい物語が、一気に走りだした。

<推薦コメント>
桜木紫乃さん(作家)
こころが通じているという錯覚。そして、生きることの愛(かな)しみ。

岸田奈美さん(エッセイスト)
ウワァ~~~ッ! わたしたちの本性を、あばいて、走り去っていく、恐ろしすぎる喜劇!

カツセマサヒコさん(作家)
ふたりの前では、言葉はオワコン。心通じ合う瞬間に、憧れました。

ふかわりょうさん(タレント)
メリーゴーランドで無理やり口角をあげる。回っているのは世の中の方だとわかっているのに。

中森明夫さん(作家)
馬と女性との感動的なラブストーリーだ。新たな令和文学の誕生! 必読!!

三宅香帆さん(書評家)
SNSの濁流に疲れたら、この小説を読んでほしい。言葉の力を取り戻すために。

<内容紹介>
造船所で事務員として働く瀬戸口優子は、通勤途中の国道で、馬運車から逃げ出した元競走馬と運命的な出会いを果たす。「彼」の名はストラーダ。街のはずれにある乗馬クラブで「彼」に跨った優子は、誰よりも「彼」と心を通わせる感覚を味わい、その馬にのめり込んでいく。ストラーダの栄光の復活のため、優子は組合の金に手をつけ始める。帳簿を改ざんして「一時的に借りるだけ」だったはずの横領額は、気づけば億を超えていた……。
情熱も金も、持てるすべてを「彼」に注ぎ込んだ優子が行き着く先とは? 言葉が氾濫する現代の本質を問い、通じ合えない人間たちの悲喜劇を描く、著者最高の文芸作品。

<著者紹介>
川村元気(かわむら・げんき)
1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『君の名は。』『怪物』などの映画を製作。2011年に「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年、小説『世界から猫が消えたなら』を発表し、同作は32カ国で翻訳出版された。他著に小説『億男』『四月になれば彼女は』『神曲』、対話集『仕事。』『理系。』、翻訳を手がけた『ぼく モグラ キツネ 馬』等。22年、自身の小説を原作として、脚本・監督を務めた映画『百花』が公開。同作で第70回サン・セバスティアン国際映画祭「最優秀監督賞」を受賞。
(C)Yamano Kazuma


<書籍データ>
【タイトル】私の馬
【著者名】川村元気
【発売日】2024年9月19日(木)
【造本】四六変小ハードカバー
【定価】1,870円(税込)
【ISBN】978-4-10-354282-7
【URL】

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