「うっせーな」とか言わないで! 対策は十分してるけど「トラック」が「騒音」から逃れられないワケ

2024.07.05 20:00
この記事をまとめると
■トラックの騒音は悪条件が重なるとかなりうるさい
■発生源は複数存在する
■音を抑えるための工夫もされている
走行中の車内の音は約60dB
  トラックの騒音は決して小さくはなく、悪い条件が重なると「公害」といえるレベルに達する。音の大きさはdB(デシベル)という単位で表されるが、寝息が聞こえるような静寂な状態が約20dBで、走行中の自動車内では約60dB(一般道路の場合、高速道路では70dB程度)だといわれている。トラックが一般道を走行するときに発する音は、道端で計測するとおおよそ77~84dBに達し、かなり大きな声を出さないと会話が成立しないぐらいの騒音だ。
  音はトラックのいろいろな場所から発せられていて、それらが合わさったり共鳴したりして大きな音になっている。その発生源はいくつかあるが、まず問題とされるのはエンジンから発せられる音だ。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、ともに内燃機関であるために圧縮・爆発などの過程において、どうしても振動や燃焼音が発生する。とくにディーゼルエンジンはその構造上、燃焼圧が高いので振動とともに耳障りな「ガラガラ」音が発生してしまうのだ。ちなみに、現在注目されているEVトラックは、電気モーターを使用しているのでたいへん静寂性が高い。
  トラックのマフラーから聞こえるのは排気音だ。エンジンから排出された高温・高圧の排気ガスは、大気に触れたときに急激に膨張する。このとき、空気を震わせて大きな音を発生させるのだが、これを低減するためにマフラー(消音器)を使用する。
  排気音には規制があり、これに適合したマフラーをつけなければならない。なかには市販品のマフラーに交換しているトラックもあるが、規制値をクリアしているなどの適合品であれば問題はない。注意が必要なのは、経年劣化や接触などにより損傷している場合だ。マフラー自体は適合品でも、損傷があると規制値を上まわる騒音が出ることが多い。
トラックのタイヤはノイズが発生しやすい
  タイヤからも騒音となるノイズが出ており、それが「ロードノイズ」「パターンノイズ」といわれるものだ。前者は路面とタイヤが接触するときに発生するもので、比較的低い音であるために耳障りに思う人が多い。道路状況によって音の強弱や質が変化することも多いので、タイヤだけで対策するのは難しいという一面をもっている。
  後者は、トレッドパターンを構成するタイヤの溝に含まれる空気が走行中に圧縮され、タイヤが地面から離れた瞬間に膨張することで発生するノイズだ。比較的高い音で、走行速度によって変化するという特徴をもつ。乗用車であれば、コンフォート系のタイヤを使用するなどという対応もできるが、トラックは貨物という特性から凹凸の際立つパターンが多く、ブロックの形を変えるなどして共鳴を防ぐなどの手段を講じても、比較的ノイズが発生しやすい。
  このほかにも、走行時の風切り音がある。乗用車は風洞実験などを通じて空力抵抗の少ないデザインを採用しているが、トラックは積載効率が重要視されるために、電車でいう切妻型(食パン型)のデザインになっているものがほとんどだ。後部も、箱バンなどは空気が渦を巻きやすく、条件次第では風切り音が発生する。箱バンや大型・中型トラックなどでは、導風板を取り付けて騒音の軽減を図っている。
  このように、トラックはその特性から乗用車よりはどうしても騒音が発生しやすい状況にあるのだ。また、走行時以外でも荷物の積み下ろしの際に騒音が発生することもある。これらの騒音に関して、国は「騒音規制法」で「自動車騒音に係る許容限度」を定めている。トラックメーカーや運送事業者などトラックに携わる人たちは、この基準に合わせて環境に優しいトラック輸送のために、日々努力を重ねているのだ。

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