アルファの「盾」が……エンブレムの図柄! 賛否両論巻き起こるアルファロメオ・ジュニアの外観をデザインのプロが分析

2024.06.11 17:30
この記事をまとめると
■アルファロメオ第3のSUV「ジュニア」のスタイリングに賛否両論がある
■アルファロメオはジュニアを「セグメントにおける美の基準を再定義している」と表現
■ジュニアのデザインは最近多くのメーカーで見られる「引き算のデザイン」とどこが違うのかが見所だ
新時代のアルファロメオがここから始まる
  2024年4月10日に欧州で発表されて早々、車名の変更でファンを驚かせたアルフォロメオ・ジュニアですが、そのスタイリングについてもさまざまな意見が交わされているようです。では、同社が新時代を謳うそのデザインの魅力はどこにあるのか。あらためてチェックしてみましょう。
●第3のSUVは刺激的でエモーショナルに
  ジュニアはステランティスグループとしてシトロエンC4などとプラットフォームを共有するBセグコンパクトで、アルファロメオとしてはステルヴィオやトナーレに続く第3のSUVとなります。
  ただ、同社ではジュニアを「セグメントにおける美の基準を再定義している」と表現しており、新しいデザイン言語を掲げたのが注目点でしょう。スタイリングを手がけたチェントロスティーレは、それを「冷徹な合理主義から離れ、ひと目で目を奪われるしなやかで刺激的なデザイン」と解説、エモーショナルなアプローチとしています。
  実際、前作のトナーレと比べると、ロアバンパーまで突き抜けた盾型グリルや張りのあるショルダー面など基本的な造形を継承しながら、よりアグレッシブな造形に進化していることがわかります。では、その変化について具体的に見て行きましょう。
●クラスを超えた豊かな面表現
  まず、全体の佇まいですが、厚いボディにスリムでコンパクトなキャビンの組み合わせ、緩やかに降下するルーフラインやブラックアウトしたリヤピラーといった手法は、ライバルとなるレクサスLBXと近い表現であることがわかります。
  一方、違いはおもにサイド面に見られます。ドア面を絞り、リヤフェンダーを思い切り張り出したレクサスLBXは、ある意味トヨタ的なスポーティ表現といえるところ。
  それに比べると、ジュニアはフロントからリヤまで豊かに張り出したショルダー面が特徴で、そこへ巧妙にホイールアーチを溶け込ませています。この滑らかな面はクラスを超えたもので、コンパクトながらプレミアムなイメージ作りに成功しているようです。
エモーショナル路線を強く打ち出すジュニアのスタイリング
●レイヤー状の新しいフロントフェイス表現
  フロントでは、アルファ自身が「マークと盾を新解釈した」と解説するグリルが新鮮です。盾については、まず枠自体を取り払った上で横桟やメッシュバーも止め、グラフィカルなパネルを置いたのが大胆。実際の冷却機能はロアグリルで足りているということでしょうか。
  また、横一文字のLEDヘッドライトはすでにトヨタなどで採用されているものですが、ユニークなのはそれによって増えたボディ色のパネルをレイヤー状とし、顔全体に立体感を持たせた点です。
  結果的にフロントは唯一無二の表情となっていますが、いささか要素が多く、煩雑なのは気になるところ。スタイリングに対するさまざま意見は、おそらくこの「顔付き」に集中しているのではないでしょうか。
●アルファロメオ伝統のリヤスタイル
  リヤについては、アルファの伝統として後端をスパッと切り落とした表現=コーダトロンカが特徴とされます。ただ、じっくり横から見ると、リヤパネル全体が切り落とされたというより、サイドから流れてきたショルダー面が逆U字のテールランプに突き当たることで「切り落とされたように見える」ようです。
  ただ、それを含めたリヤパネルの造形は非常にユニークで、その個性やクセがアルファらしいといえるし、王道表現であるレクサスLBXとの大きな違いともいえるでしょう。
  さて、今回はあらためてジュニアのスタイリングをチェックしてみましたが、新型は近年のエモーショナル路線をさらに強調したように感じられます。同社はこれを「アルファのシンプルさ」としますが、これが最近多くのメーカーで見られる「引き算のデザイン」とどこが違うのか? そこがイチバンの見所かもしれません。

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