たかが色! されど色! クルマのボディカラーが下取り査定に影響する理由

2024.05.23 11:40
この記事をまとめると
■ボディカラーによってクルマの下取り査定額が変わることがある
■ホワイトやブラックといったモノトーン系のボディカラーは人気が高い
■市場の状況次第では変わったボディカラーが人気になることも
好みがわかれるようなボディカラーは査定価格にも影響を及ぼす
  クルマに長く乗っていれば買い換えを何度か経験していることでしょう。その場合に古いほうのクルマはどうしていますか?
  新車に乗り越える場合はディーラーで下取りに出してその売却代金を新車の購入にあてている人が多いのではないでしょうか。それ以外の乗り換えの場合は、中古車販売店や買取専門サービスに買い取ってもらうという方法になるでしょう。
  そして、買取の場合は、やはり「下取りよりも高く買い取ってもらえるかも……」と期待してしまいますよね。しかし、実際に査定してもらったら、期待に反してかなり低い結果だった、なんていうケースもあったりします。
  低い査定結果の要因はグレードだったり装着パーツだったり時期によるものだったりといろいろですが、ボディ色が原因だったということもあるでしょう。
  ここではボディ色がどれくらい査定に影響があるのかについて、ちょっと考えてみようと思います。
■ボディカラーによって査定に差が出るのだろうか?
  結論からいってしまうと、ボディカラーの違いと査定の価格にはそれなりに関係があります。
  そもそもクルマを買うときのことを考えてみましょう。グレードや装備、中古車なら走行距離や状態という要素に並んで、ボディカラーが条件に合わなかったら購入を踏みとどまる場合も大いにあるでしょう。
  中古車の買取査定では、売れやすいクルマ、あるいは高値で買ってもらえる見込みのあるクルマにより高額な査定を出しますが、逆に好みがわかれるようなボディカラーのクルマはすぐに買い手が見つかるとは考えにくく、高い査定額は出せないでしょう。
■人気の高い色と人気の低い色
  自動車ポータルサイトなどが発表したデータによれば、人気のランキングは以下のようになっています。
 1位 ホワイト系 2位 ブラック系 3位 シルバー系 4位 ブルー系
  上位3つは綺麗にモノトーンで占められていて、ようやく4位でブルー系が入っているという様相です。
  これは見事に日本人のつつましやかな気質が表れているといっていいでしょう。ただし、このランキングでは色の系統で括ってしまっていますが、某ショップチャンネルの人気女性MCがいっているように、同じホワイト系のなかでも数え切れないくらいのカラーバリエーションが展開されています。周囲の調和からハミ出さないことを重視しながらも、ちょっとだけでも差はつけたいという意識が、これもまた日本人らしいと感じます。
  ちなみに、少し前の通説では、このランキングは上位3つが3年くらいのスパンで入れ替わる傾向があるといわれていましたが、いまでもそれが続いているようにも感じられます。
  逆に不人気の代表例として挙げられるカラーはレッド系、イエロー系、グリーン系などで、人気カラーの真逆に派手な色で占められています。とくに目に鮮やかな明るめで発色のいいカラーはなぜか敬遠されることが多いようです。
  ただこれも、派手さを抑えて中間色にしたり、淡くしたパステル調にしたり、逆にダーク系で落ち着きを加えたりすると(一般の)印象がよくなりますので、単に色のカテゴリーだけでは決め付けられません。
不人気なボディカラーでも理由によっては「人気色」に変貌する!
■逆に高値が付く例外もある
  けっして多くはありませんが、派手めに感じるボディカラーでも、条件によっては査定額が高くなる場合もあります。その例をいくつか挙げてみましょう。
・車種のイメージと強く結びついているカラーや限定カラー
  これはスポーツ系の車種に多い傾向ですが、「フェラーリなら赤だよね」というように、その車種を思い浮かべたときに多くの人が連想するボディカラーの場合は、ほかの車種の通例が当てはまらないこともあります。
  国産車のなかでは、R32型GT-Rの「ダークグレーメタリック」や、スバル・インプレッサWRXの「クォーツブルー・パール」はその代表例でしょう。
  または、限定カラーもファンにとっては重要な存在なので高値が付くことが多いでしょう。R33型GT-Rの「ミッドナイトパープル」やR34型GT-Rの「ミレニアムジェイド」、FD型RX-7の「サンバーストイエロー」、ランサー・エボリューションTMRの「パッションレッド+WRCストライプ」などはプレミアム価格が付いているほどです。
・たまたまそのボディカラーのオファーがあった
  買取業者のなかには販売チャンネルと直接繋がっているところも多く、タイミングによっては販売チャンネルのほうに「○○色が欲しい」というお客さんのリクエストが入っていることもあります。買取業者にその情報が伝わっていたり、むしろその要望に応じるために動いている場合はすぐ売れる見込みが高いので、通常より高い査定が出ることもあります。
・たまたまそのカラーが話題になった
  人気というのは流行といっしょで水物です。ニュースなどで話題になったアイテムが翌日に完売、なんていうこともザラにあるでしょう。クルマの人気もその例に当てはまる場合があります。
  たとえば人気絶頂の若手俳優がとあるクルマに乗っているというニュースが流れた場合、熱狂的なファンやその人気に乗っかりたいと思った人がそのクルマを探し出す、というケースは過去に何度もありました。
  いまでいうと、大谷翔平選手がポロッと「○○○○○の○○○○○色が好きで何台も乗り次いでいます」なんていったとしたら、すぐ中古車市場に影響が出ることでしょう。
  このように、リセールバリューのことを考えると、結局はモノトーンや無難な印象のカラーを選ぶのが正解でしょう。
  ただその一方で、クルマというのは大枚はたいて購入するものですし、たいていは車検2回分の4年くらいは乗ることになるでしょうから、リセールバリューよりも購入時の満足感や運転したり洗車したりするときの充実感を優先させたほうが結果的に満足できるという考え方もあります。その充実に対してお金を費やしたと考えれば、査定が低くなってしまった分も納得できるかもしれません。

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