人間のスケールを脱し、世界を見る目を更新する演劇 チェルフィッチュ×金氏徹平『消しゴム山』3年ぶりの東京公演、6月に開催。

2024.05.15 10:00
株式会社precog
演劇カンパニー・チェルフィッチュが美術家・金氏徹平とタッグを組んだ意欲作にして問題作。クラウドファンディングによって、作品をさまざまな人に広げていく取り組みも実施。

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の驚異的な速度で作り変えられていく光景を目撃したことから構想された「人間的尺度」を疑う作品は、彫刻の領域を拡張し続ける美術家・金氏徹平をコラボレーターに迎え『消しゴム山』として実現しました。2019年の京都初演から5年、「人間的尺度」を疑うというコンセプトは新型コロナウイルスという人間の手には負えない脅威を目の当たりにした今、よりリアリティをもって身に迫るものになりました。

3年ぶりとなる東京公演ではクラウドファンディングを活用しながら、鑑賞サポートの拡充や関連イベントの実施によってさまざまな人が劇場に足を運び、より多くの人と本作のコンセプトを共有する場を目指します。

2024年6月7日(金) ~9日(日)世田谷パブリックシアターにて開催。
【『消しゴム山』3年ぶりの東京公演、開催決定】
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市。津波被害を防ぐ高台の造成工事は驚異的な速度で風景を人工的に作り変えつつありました。岡田利規がその光景を目撃したことから構想された「人間的尺度」を疑う作品は、彫刻の領域を拡張し続ける美術家・金氏徹平をコラボレーターに迎え『消しゴム山』として実現。
2019年10月に京都で世界初演を迎えた『消しゴム山』は、コロナ禍による影響を受けながら、ニューヨーク(2020)、東京、ウィーン、パリ(2021)と上演を行ってきました。それから3年、世田谷パブリックシアターでの上演が決定。世界的なパンデミック、自然災害、戦争・・・我々を取り巻く様々な環境が急速に変化する2024年の東京に、『消しゴム山』は今、何を問いかけるのか。チェルフィッチュのこれまでの方法論を刷新する意欲作かつ問題作を、3年ぶりに東京で再演します。
(C)︎高野ユリカ

<コメント>
岡田利規(作・演出/演劇作家・小説家・チェルフィッチュ主宰)
その上演の届け先が、いま・ここ、ではない。
そのような演劇をつくる必要性に駆られて、金氏徹平氏ほか参加メンバーすべてのセンスの結集として、チェルフィッチュは『消しゴム山』をつくりました。
『消しゴム山』は、はてしない未来に向けて、人間を越えて、放射する演劇です。
Profile:その手法における言葉と身体の独特な関係が注目され、2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。2016年からはドイツの公立劇場レパートリー作品の作・演出も継続的に務め、過去2作でベルリン演劇祭(ドイツ語圏演劇の年間における“注目すべき10作”)に選出。2025年度より東京芸術祭アーティスティックディレクター、2026年度より東京芸術劇場 芸術監督(舞台芸術部門)に就任予定。(写真:宇壽山喜久子)


金氏徹平(セノグラフィー/美術家・彫刻家)
“不安もしくは不安定な時代”という言い方がありますが、僕の知っている限りでも歴史的にも、そうでなかった時など一瞬も無かったのではないかと思います。
この数年で人類が共通して経験している、もしくは目撃している事態はそれまでの時間や空間、人間とそれ以外の関係についての認識を変化させるのに十分なインパクトがあったことは認めざるをえませんが、やはり今でも同じようにずっと世界はひっくり返り続けてもいます。
そして、この早過ぎた傑作はどこに着地するのか?もしくは漂い続けるのか?恐ろしくも楽しみです。
人間もしくは自分以外の時間の存在について考える、人間もしくは自分に向かっていないものと関係を作るという初めから矛盾を抱えた試みが、新たな火種にも、新たな調和への糸口にもなり得る作品だと自負しています。
Profile:既存の事物を収集し、オルタナティブな価値や視点によって再構成するコラージュ的手法を用い、彫刻を中心とし、写真、映像、舞台美術、パフォーマンスなど多様なメディアにより作品を制作する。 一貫して物質とイメージの関係を顕在化する造形システムの考案を探求している。主な個展として「S.F.(Something Falling/Floating)」市原湖畔美術館(千葉、2022)など現在、京都市立芸術大学美術学部彫刻科准教授。


【さまざまな人に作品をひらく取り組み】
世田谷パブリックシアターという大きな劇場での公演機会を得た本公演では、鑑賞サポートの拡充等により、より多くの人と本作のコンセプトを共有し、ともに考える機会を目指します。
(写真:東京公演(2021)の様子 (C)︎高野ユリカ)
<鑑賞サポート・実施イベント一覧>
○開演前の作品解説会【全公演】
開演前にロビーにて『消しゴム山』作品解説を実施いたします。

○上演中ウィスパリング歓迎の回【6月8日(土)13:00回】
視覚障害のある方やお子様など、観劇中に舞台上でなにが起こっているのかの説明を受けながら観劇したい方にも気兼ねなくご観劇いただくために、この回は上演中のウィスパリング(舞台上の様子を耳元で解説する)を歓迎します。
*この回では、以下のサポートを実施します:
・駅からの送迎
・上演前タッチツアー (6月8日(土)13:00公演のチケットをお持ちの方のみ)
視覚障害のある方を対象に、開演前に舞台美術を中心とした今回の公演のコンセプトを感じることができる「タッチツアー」を開催いたします。

○鑑賞マナーハードル低めの回【6月9日(日)13:00回】
客席でジッと静かに座っていることは観劇の基本的なマナー。でもそれが観劇のためのハードルに感じられてしまうこともあります。「子供がおしゃべりしちゃうかも」「障害があって上演中に休憩したくなるかも」など、演劇は観たいけど心配なことがあるという方にも気兼ねなくご観劇いただくために、この回の客席では鑑賞マナーを少しだけゆるくすることにしました。

○日本語・英語字幕(舞台上オープン)
○筆談対応
○車椅子エリア
○通路側座席予約
○託児サービス(2,200円)
○補助犬 同伴受入
○障害者割でご予約の方 介助者1名無料


【初のクラウドファンディング実施】
本公演ではチェルフィッチュ初のクラウドファンディングを実施。
これまで、公演のアクセシビリティやワークショップ、映像配信等を通して様々な人へ作品をひらく取り組みを行ってきましたが、今回はクラウドファンディングを通した演劇との新たな出会いの場を創出します。

<コメント>
岡田利規
『消しゴム山』を上演するというのは実は、世界・社会・人類が現在直面している問題の数々はそれらが『消しゴム山』的ノリで営まれさえすれば ただちに消え去るであろう、という巨大な妄想のもとになされる企みです。
そのような演劇作品--そのような作品だからこそ--をチェルフィッチュが発表すること/発表し続けていくことが持ちうるささやかな力に賭けています。



金氏徹平
世界を1から作ることは想像するのも難しいことですが、今ある世界に別の視点を投げかけることであればなんとかできるのではないか?
しかしながらやはり途方もなく難しいことではあります。そこに立ちはだかる巨大な矛盾、強力な既成概念は世界の問題そのものかもしれません。
ある意味、今ある世界と相入れない「消しゴム山」に対して、全てのスタッフや俳優は関わり方を見つけることはそれぞれに大変な作業でした。
この作品を今ある世界に存在させるためには、作品を経験すること、またはクラウドファンディングによって参加することも大きな役割を担っていると言えるでしょう。



<プロジェクト概要>
期間:2024年4月8日(月)17:00~7月1日(月)23:59
目標金額:200万円、All-in方式(支援金の金額にかかわらず公演は実施されます。)
詳細:
<支援の主な用途>
○公演開催経費  ○クラウドファンディング実施経費  ○開演前の作品解説会【全公演】 ○アフタートーク【6月8日(土)18:00回 終演後】  ○鑑賞サポート ○チェルフィッチュの今後の活動に活用


【公演概要】
チェルフィッチュ×金氏徹平『消しゴム山』東京公演(2024)
詳細:
日程
2024年
6月7日(金) 18:30開演
6月8日(土) 13:00開演☆/18:00開演○
6月9日(日) 13:00開演★
☆上演中ウィスパリング歓迎の回
○終演後、アフタートーク
★鑑賞マナーハードル低めの回

上演時間:2時間30分(休憩なし)
日本語上演、日本語・英語字幕

会場:世田谷パブリックシアター 〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4丁目1番地1号

チケット
全席指定席
一般:S席 ¥5,000/A席 ¥4,500
29歳以下(入場時要証明):S席 ¥4,000/A席 ¥3,500
18歳以下(入場時要証明):S席 ¥2,000/A席 ¥1,500
障害者割(介助者1名まで無料、入場時要証明):S席 ¥3,500/A席 ¥3,000
当日券(座席に関わらず):一般5,500円、29歳以下4,500円、18歳以下2,500円、障害者割引4,000円

チケット取扱
・世田谷パブリックシアターオンラインチケット(24 時間受付・要事前登録・障害者割引チケットの取扱なし)
・世田谷パブリックシアターチケットセンター
(電話・窓口 10:00~19:00 ・障害者割引チケットの取扱あり)

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