合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる

2024.05.06 20:00
この記事をまとめると
■趣味のクルマとしてトラックを所有している人の多くは筋金入りのデコトラマニアだ
■趣味のデコトラは内部を部屋にしてキャンピングカーや事務室車として登録している例も多い
■趣味のデコトラが増えたのには仕事用トラックを飾りにくくなったという事情も背景にある
平成後期になるとデコトラは敬遠されるように
  トラックとは、荷物を運ぶために生み出された文明の利器である。しかし、なかには好きが高じてプライベートでトラックを所有するというマニアも全国各地に存在する。そう聞くと、トラックをベースにしたキャンピングカーを思い浮かべる人がいるかもしれない。この場合はトラックが好きだからという動機で所有するケースは少ないだろう。三菱のローザやトヨタのコースターなどのマイクロバスであれば大きいし、トヨタのハイエースや日産キャラバンなどのバンでは小さい。そう考えた人が、三菱キャンターやいすゞエルフなどのトラックがベースのキャンピングカーを選択するのが一般的だからである。
  そうなると「趣味でトラックを所有する」のはなぜ? と思う人も多いのではないだろうか。その多くは、筋金入りのデコトラマニアたちである。トラックの総数よりも物量が多く景気のよかった昭和の時代では、派手なトラックで仕事をすることが許されていた。世間の人たちにも心に余裕があったせいか、飾ったトラックで現場に行けば歓迎されたというケースも少なくなかったのだ。ギンギラギンに飾られた婚礼家具輸送のトラックも、大車輪の勢いで活躍していたのである。
  しかし、平成後期になると風向きは一変する。規制緩和によって新規参入する運送会社が増え、トラックの数が増えすぎたことで、ドライバー天下ではなく荷主天下の時代に変わってしまう。そのため、派手なトラックは即座に出入り禁止を食らったりしてしまうなど、とにかく敬遠されるようになったのである。
  かくいう筆者も、過去に大型トラックのハンドルを握っていたのだが、納品のために訪れた大手企業の受付で守衛にウインカーの点滅回数を数えられたことがあった。ちなみに、ノーマルのトラックであったにもかかわらず、である。
「1分間で60回以上120回以下点滅しないと、違反ですからね」。
  そのような指摘を受け、足止めを食らったのである。聞けば何台かごとに計っているとのことだったが、筆者のうしろに並んでいた数台のトラックが先に受付を済ませ、荷下し場所に案内される始末。当然のごとく筆者のウインカーそのものに問題はなかったのだが、無駄に足止めをされて順番を抜かされたにもかかわらず、お礼や謝罪の言葉すらない。世間では立派な企業だと称されている大手であっても、このようないい加減な現場対応だったりするものなのだ。
  しかし、不満げな態度や言葉を発してしまうと在籍する運送会社にクレームが入り、会社自体が仕事を失ってしまうことになる。これは決して大げさな話ではなく、トラックドライバーはそのような状況下に置かれているのだ。
趣味のクルマとしてトラックを選ぶ人も増えた
  そのような理由で、仕事のトラックを飾れなくなったことから、趣味(個人)でトラックを飾る人が増えるようになった。なかには4トン車や大型車を所有している強者も存在するが、その大半は10尺と呼ばれる2トントラック。全長や全幅が乗用車サイズであることが人気の要因なのだが、荷物を積まない趣味のトラックであれば思いどおりに飾ることができる。それゆえ「箱車の場合は内部を部屋にしてしまおう」というのが定番となっている。
  運転席部分の背面と箱の前面部分をくり抜いて通用口を設けたトラックたちは、キャンピングカーや事務室車として構造変更をしているケースが多い。荷物を運ぶ貨物自動車から特殊自動車へと、登録区分を変更するのだ。もちろん規定に合わせた架装を施さなければならないが、外装の飾り部分も含めて特殊車両として登録するのである。
  デコトラといえば、なんでもかんでも不正改造車だろう、と考える人が多いかもしれないが、その認識はすでに古い。現在ではハデな自家用トラックほど、公認車検を取得している傾向にあるのだ。
  毎月のように、全国各地でデコトラのイベントが開催されている。その会場には当然のごとく内部を部屋に架装したデコトラたちが大挙して駆けつけているため、ぜひとも間近で堪能してみてほしい。きっと、彼らの情熱をまざまざと感じ取ることができるに違いない。
  デコトラは働いてなんぼ。そのような至極ごもっともな意見も聞こえてくるが、プライベートでデコトラを所有するほどの熱意は賞賛に値すると思っている。会社ではなく自身でトラックを購入し、身銭を切って維持費や飾り代を捻出しているのだから、よほどの好きものであることは間違いない。
  仕事をするデコトラが素晴らしいのはもちろんであるが、プライベートで活躍するデコトラ野郎たちにも、拍手を贈りたい。

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