「パジェロ」か「たわし」かのTV番組企画で誰もが知る存在に! 復活の噂もあるパジェロ4代の歴史を振り返る!!

2024.05.03 17:30
この記事をまとめると
■ジープ由来のクロカン4WDというのがルーツだった三菱パジェロ
■初代・2代目はラダーフレームを採用していて悪路走破性も抜群だった
■3代目からはラグジュアリー路線を強め2019年4代目モデルで終売となった
ジープをライセンス生産したことから始まるパジェロの歴史
  2019年の販売終了から5年、三菱のレジェンド機種「パジェロ」が復活するというウワサがまことしやかに流れている。日本の乗用クロカン4WDモデルとして一時代を作ったパジェロは、現行ラインアップから消えてしまったいまも、高い知名度を誇っている。
  だからこそ、復活を報じるだけのニュースバリューもあるといえるが、それでも「パジェロ、なにそれすごいの、おいしいの?」と正直思ってしまう世代も少なくないだろう。なにしろ、その全盛期は1991年といえるからだ。
  はたして、パジェロはどんなヒストリーを重ねてきたのか、簡単に整理してみよう。
  初代モデルのデビューは1982年。ピックアップトラック「フォルテ」のメカニズムを活用した3ドアの乗用クロカン4WDとして誕生した。
  しかしながら、「パジェロ」という名前が最初に登場したのは1973年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「ジープパジェロ」まで遡れる。
  ご存じのように、ジープというのはアメリカ生まれの軍用4WDを三菱がライセンス生産しているモデルであり、日本においてはクロカン4WDカテゴリーの代名詞的存在。いまでもクロカン4WDのことを「ジープタイプ」と呼んでいるベテランドライバーは少なくない。
  そんな軍用であり、働くクルマとして活用されてきた本格クロカン4WD「ジープ」をベースにしたレジャー仕様として、パジェロの名前は生まれている。そのアーキテクチャーは別として、市場はジープ由来の乗用タイプとして認識することになった。
  デビュー翌年には5ドアのロングボディ仕様が追加設定された。ワゴンは3列シート7人乗りのパッケージとなり、乗用的に使えるクロカン4WDとしてのパジェロイメージを強めた。同時に、1983年からダカールラリー(砂漠で競われるラリーレイド競技)に参戦するなど、モータースポーツへの挑戦も開始している。
  1980年代のクロカン4WDのトレンドに倣い、当時は4気筒ディーゼルが主流だったが、モデル後期となる1988年には3リッターV6ガソリンエンジンを追加設定したのも、プレミアム感をプラスしていった。
  そんなパジェロのイメージをさらに強めたのが、1991年にフルモデルチェンジした2代目だろう。4気筒ディーゼルとV6ガソリンと副変速機付き4WDシステムといった構成のパワートレインをラダーフレームにマウントするという基本は初代から踏襲しつつ、2代目では「スーパーセレクト4WD」という、その後にパジェロの伝統となるメカニズムを採用した。
  内外装のデザインも乗用的になったが、オーバーフェンダーを強調する2トーンカラーはパジェロの象徴となったのも記憶に残る。そんな2代目パジェロは、いまのようなSUVムーブメントも来ていなかった日本市場において、月間販売トップになるほどの人気モデルとなった。
  人気テレビ番組の視聴者プレゼントとしてパジェロが用意され、車名を連呼する掛け声がおなじみとなったこともあった。まさにパジェロは、1990年代の「RVブーム」における主役であったのだ。
  1997年にはモータースポーツのホモロゲーションモデルとして3.5リッターV6エンジンを搭載した「パジェロエボリューション」が生み出されたのも2代目におけるトピックスのひとつだ。
3代目以降はラグジュアリーをテーマに進化を続けてきた
  1999年には3代目へフルモデルチェンジを果たす。エンジン縦置き、副変速機付き4WDシステムといったクロカン4WDとしての基本はそのままに、ボディをビルトイン・フレーム・モノコックとして進化させているのがポイントとなる。ラダーフレームとボディを合体させることでねじり剛性などを大幅に高めることができるというのが、採用の狙いだ。
  サスペンションも四輪独立懸架タイプとなり、「スーパーセレクト4WD II」は電気アクチュエーターで切り替えるタイプへ進化。4気筒ディーゼルとV6ガソリンというエンジンラインアップは踏襲していたが、最終的には3.8リッターV6ガソリンを搭載するなどラグジュアリーなSUVとしての進化も遂げるなど、三菱のフラッグシップモデルとなっていったことも印象深い。
  2006年には4代目へとフルモデルチェンジ。ビルトイン・フレーム・モノコック構造のボディはショート(3ドア)とロング(5ドア)を設定、スーパーセレクト4WD IIの採用、最上級グレードに3.8リッターV6ガソリンエンジンを搭載するなど、基本的には3代目の正常進化といえる成り立ちだった。つまり、よりラグジュアリー度を高めたのが4代目といえる。
  キラキラ感のあるスタイリングからも、そうしたプレミアムなクロカン4WDという狙いは感じられるが、素性としてはクロカン4WDであり、すでに乗用モノコックをベースにしたクロスオーバーSUVが増えている状況においては、乗り味や燃費などの面で選ばれづらいモデルになっていったのも事実。惜しまれつつも、2019年に国内販売は終了してしまった。
  ある意味、パジェロとしてのあるべき姿を追求していった結果、時代とズレていってしまったのかもしれない。
  しかしながら、電動化や知能化が求められる2020年代であっても、トヨタのランドクルーザーファミリーは確実にファンを掴んでいる。パジェロもハードコアなクロカン4WDとして継続していれば……と思ってしまうのも事実であり、復活のウワサに全力で期待してしまうというファンも少なくないはずだ。

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